この話の舞台
毎月27日の振替、402号室の滞納、ロ方式の口座
ひだまり船橋マンション(分譲マンション)|船橋市、駅徒歩12分|築45年(旧耐震)・RC造6階建て・24戸
到達目標と条件
目標1管理費が住人の口座を出てから業者に払われるまでの「お金の通り道」を、口座名と期限つきで言える。
| 日付 | やること | 根拠 |
|---|---|---|
| 27日 | 口座振替で引き落とし | 規約60条1項 |
| 翌月5日 | 入金消込・滞納者一覧作成 | |
| 10日 | 業者へ支払い | |
| 翌月末日(残高) | 残額を保管口座へ移す | 施行規則87条2項 |
| 翌月末日(書面) | 月次書面を管理者等へ交付 | 施行規則87条5項 |
くわしく(5項目)
- 毎月27日に口座振替(標準管理規約60条1項)で住人の口座から引き落とされる。
- 翌月5日に入金消込・滞納者一覧を作成する。
- 10日に業者(清掃・EV保守・電気等)へ支払う。
- 月末に収納口座の残額(当月の管理事務費用を控除)を保管口座へ移し換える。期限は翌月末日まで(施行規則87条2項1号イ・ロ)。
- 月次の会計書面(その月の収入及び支出の状況に関する書面)も翌月末日までに管理者等へ交付する(施行規則87条5項)。
目標2分別管理のイ・ロ・ハ方式の違いと、共通ルール(保管口座は組合名義、印鑑は管理会社が持てない)を理由から言える。
| 方式 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| イ | 収納口座に集め、翌月末日までに保管口座へ | 施行規則87条 |
| ロ | 修繕積立金は最初から保管口座へ | |
| ハ | 収納・保管一体、組合名義必須 | |
| 共通 | 保管口座等の印鑑は管理業者は持てない | 施行規則87条4項 |
| 保証契約 | イ・ロで印鑑を持つ場合1か月分以上 | 施行規則87条3項 |
| 例外 | 2026年4月施行、管理者兼任の5要件 |
くわしく(6項目)
- イ方式:管理費・修繕積立金とも収納口座へ。残額を翌月末日までに保管口座へ移す。収納口座は管理会社名義でもよい。
- ロ方式:修繕積立金は最初から保管口座へ。管理費だけ収納口座を経由。
- ハ方式:収納・保管口座1つ(必ず管理組合等名義)。移し換えなし・保証契約なし。
- 組合名義が必須なのは保管口座と収納・保管口座の2つだけ(施行規則87条6項)。収納口座に名義の制限はない。
- イ・ロ方式で管理業者が収納口座の印鑑等を保管するときは、1か月分以上の保証契約が必要(施行規則87条3項)。
- 保管口座・収納保管口座の印鑑等は、どの方式でも管理業者は保管してはならない(施行規則87条4項)。例外は2つ(管理者等選任までの短期間、2026年4月施行の管理業者=管理者等の5要件)。
目標3滞納が出たとき、何か月目に何をし、法律上どこまでできるか(時効5年・先取特権・遅延損害金)を言える。
| 時期/項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1〜5か月目 | 電話→催告書→訪問→内容証明郵便 | 別添3 |
| 半年前後 | 理事会決議で法的措置を追行 | 規約60条4項 |
| 先取特権 | 登記不要だが登記済み抵当権に劣後 | 区分所有法7条 |
| 遅延損害金 | 規約に定めなくても法定利率で請求可 | 規約60条2項 |
| 時効 | 5年で消滅。催告で6か月猶予 | 民法166条 |
| 特定承継人 | 買主にも滞納債権を行使可 | 区分所有法8条 |
くわしく(6項目)
- 1〜5か月目は標準管理規約 別添3の督促手順(電話・書面→催告書→自宅訪問→配達証明付内容証明郵便)。
- 半年前後で理事長が理事会の決議により訴訟その他法的措置を追行できる(標準管理規約60条4項)。
- 先取特権(区分所有法7条):登記不要だが登記済み抵当権には劣後する。
- 遅延損害金(標準管理規約60条2項):規約に定めがなくても民法の法定利率で請求できる。
- 時効(民法166条):5年で消滅。催告で6か月完成猶予(150条)、承認で更新(152条)、確定判決で10年(169条)。
- 特定承継人(区分所有法8条):買主・競売の買受人にも滞納債権を行使でき、売主の債務も消えない。
覚える数字と条文
| 数字・条文 | 内容 |
|---|---|
| 施行規則87条2項1号・5項 | 収納口座→保管口座の移し換えも、月次会計書面の交付も翌月末日まで。 |
| 施行規則87条3項 | 保証契約は1か月分以上(イ・ロのみ。2条件を満たせば不要)。 |
| 施行規則87条4項 | 保管口座・収納保管口座の印鑑等は管理業者が保管不可(例外2つ、うち1つは2026年4月新設)。 |
| 施行規則87条6項 | 組合名義が必須なのは保管口座・収納保管口座の2つだけ。 |
| 民法166条・150条・152条・169条 | 時効5年/催告で6か月猶予/承認で更新/確定判決で10年。 |
| 区分所有法7条 | 先取特権の登記は不要、ただし登記済み抵当権には劣後。 |
| 区分所有法8条 | 特定承継人(競売の買受人を含む)に滞納債権を行使できる。 |
| 標準管理規約60条4項 | 法的措置は理事会の決議で理事長が代表。 |
| 民訴368条(少額訴訟60万円)・裁判所法33条(簡裁140万円)。 |
実務の流れ
ひっかけ一覧
- ロ方式なのに「修繕積立金を収納口座に入れる」と書く取り違え(正しくは最初から保管口座)。
- ハ方式に「1か月分以上の保証契約が必要」と書く誤り(保証契約が要るのはイ・ロだけ)。
- 「収納口座も管理組合を名義人とする必要がある」という誤り(組合名義が必須なのは保管口座と収納・保管口座の2つだけ)。
- 「遅延損害金は規約に定めがなければ請求できない」という誤り(規約になくても法定利率で請求できる)。
- 「催告を繰り返せば時効はそのたびに止まる」という誤り(猶予期間中の再度の催告に効力なし)。
- 「催告は内容証明郵便でなければ効力が生じない」という誤り(普通郵便でも催告の効力は生じる)。
- 「規約で時効の援用を禁止すれば滞納者は援用できない」という誤り(時効利益の事前放棄は禁止)。
- 「先取特権を行使するには登記が必要」という誤り(登記不要。ただし登記済み抵当権には劣後)。
- 「競売の買受人は前の滞納債務を引き継がない」という誤り(買受人も特定承継人にあたり承継する)。
- 「訴額が大きければ少額訴訟でも地方裁判所に提起できる」という誤り(少額訴訟は常に簡易裁判所)。
到達目標(教科書)
目標1管理費が住人の口座を出てから業者に払われるまでの「お金の通り道」を、口座名と期限つきで言える。
| 日付 | やること | 根拠 |
|---|---|---|
| 27日 | 口座振替で引き落とし | 規約60条1項 |
| 翌月5日 | 入金消込・滞納者一覧作成 | |
| 10日 | 業者へ支払い | |
| 翌月末日(残高) | 残額を保管口座へ移す | 施行規則87条2項 |
| 翌月末日(書面) | 月次書面を管理者等へ交付 | 施行規則87条5項 |
- 毎月27日に口座振替(標準管理規約60条1項)で住人の口座から引き落とされる。
- 翌月5日に入金消込・滞納者一覧を作成する。
- 10日に業者(清掃・EV保守・電気等)へ支払う。
- 月末に収納口座の残額(当月の管理事務費用を控除)を保管口座へ移し換える。期限は翌月末日まで(施行規則87条2項1号イ・ロ)。
- 月次の会計書面(その月の収入及び支出の状況に関する書面)も翌月末日までに管理者等へ交付する(施行規則87条5項)。
目標2分別管理のイ・ロ・ハ方式の違いと、共通ルール(保管口座は組合名義、印鑑は管理会社が持てない)を理由から言える。
| 方式 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| イ | 収納口座に集め、翌月末日までに保管口座へ | 施行規則87条 |
| ロ | 修繕積立金は最初から保管口座へ | |
| ハ | 収納・保管一体、組合名義必須 | |
| 共通 | 保管口座等の印鑑は管理業者は持てない | 施行規則87条4項 |
| 保証契約 | イ・ロで印鑑を持つ場合1か月分以上 | 施行規則87条3項 |
| 例外 | 2026年4月施行、管理者兼任の5要件 |
- イ方式:管理費・修繕積立金とも収納口座へ。残額を翌月末日までに保管口座へ移す。収納口座は管理会社名義でもよい。
- ロ方式:修繕積立金は最初から保管口座へ。管理費だけ収納口座を経由。
- ハ方式:収納・保管口座1つ(必ず管理組合等名義)。移し換えなし・保証契約なし。
- 組合名義が必須なのは保管口座と収納・保管口座の2つだけ(施行規則87条6項)。収納口座に名義の制限はない。
- イ・ロ方式で管理業者が収納口座の印鑑等を保管するときは、1か月分以上の保証契約が必要(施行規則87条3項)。
- 保管口座・収納保管口座の印鑑等は、どの方式でも管理業者は保管してはならない(施行規則87条4項)。例外は2つ(管理者等選任までの短期間、2026年4月施行の管理業者=管理者等の5要件)。
目標3滞納が出たとき、何か月目に何をし、法律上どこまでできるか(時効5年・先取特権・遅延損害金)を言える。
| 時期/項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1〜5か月目 | 電話→催告書→訪問→内容証明郵便 | 別添3 |
| 半年前後 | 理事会決議で法的措置を追行 | 規約60条4項 |
| 先取特権 | 登記不要だが登記済み抵当権に劣後 | 区分所有法7条 |
| 遅延損害金 | 規約に定めなくても法定利率で請求可 | 規約60条2項 |
| 時効 | 5年で消滅。催告で6か月猶予 | 民法166条 |
| 特定承継人 | 買主にも滞納債権を行使可 | 区分所有法8条 |
- 1〜5か月目は標準管理規約 別添3の督促手順(電話・書面→催告書→自宅訪問→配達証明付内容証明郵便)。
- 半年前後で理事長が理事会の決議により訴訟その他法的措置を追行できる(標準管理規約60条4項)。
- 先取特権(区分所有法7条):登記不要だが登記済み抵当権には劣後する。
- 遅延損害金(標準管理規約60条2項):規約に定めがなくても民法の法定利率で請求できる。
- 時効(民法166条):5年で消滅。催告で6か月完成猶予(150条)、承認で更新(152条)、確定判決で10年(169条)。
- 特定承継人(区分所有法8条):買主・競売の買受人にも滞納債権を行使でき、売主の債務も消えない。
マンション管理業者が、マンション管理適正化法施行規則第87条第2項第1号イに定める方法により、管理組合の修繕積立金等金銭を管理する場合において、次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も不適切なものはどれか。ただし、当該管理組合に管理者等は置かれているものとする。
正解: 2. 収納口座とは、マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、一時的に預貯金として管理するための口座であって、管理組合を名義人とする必要がある。
選択肢2が不適切=正解。施行規則87条6項1号の収納口座の定義には「管理組合等を名義人とする」という要件がない。名義人が管理組合等でなければならないのは同項2号の保管口座と3号の収納・保管口座の2つだけで、イ方式の収納口座は管理業者名義でもよい。選択肢1・3・4はいずれも条文どおりで適切。
各区分所有者の管理費等の負担割合は、原則としてどのように決まるか。
正解: 2. 共用部分の共有持分に応じて
区分所有法19条「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ」。標準管理規約25条2項も同旨。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 4. 競売手続によってマンションの区分所有権を取得した場合には、買受人は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継しない。
選択肢4が不適切=正解。競売による買受人も区分所有法8条の特定承継人にあたり、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継する。「承継しない」という記述が誤り。選択肢1〜3はいずれも正しい記述(1は民法419条1項、2は区分所有法19条・規約上の債務者は区分所有者、3は区分所有法8条=併存)。
管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び民事訴訟法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
選択肢3が正しい=正解。一部弁済は民法152条1項の「承認」にあたり、残り20万円を含む債権全体について時効が更新される。選択肢1は民法150条2項(再度の催告に猶予の効力なし)に反し誤り、選択肢2は金銭債務が相続開始と同時に法定相続分で当然分割承継されるため誤り、選択肢4は公示送達(民訴110条)により訴え提起できるため誤り。
甲マンションの住戸301号室を所有するAが、債権者Bのために301号室の区分所有権にBの抵当権を設定及び登記した場合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法、民事執行法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。なお、301号室の区分所有権には、Bの抵当権以外に担保権は設定されていないものとする。
正解: 3. Aが、301号室をCに賃貸している場合に、Aが、管理組合及びBに対する債務について不履行を生じさせたときは、管理組合が先取特権に基づきAのCに対する賃料債権を差し押さえたとしても、Bが物上代位に基づき当該賃料債権を差し押さえた場合には、管理組合は、Bに優先することはできない。
選択肢3が正しい=正解。民法336条ただし書により、一般の先取特権は登記をした第三者(登記済みの抵当権者B)には対抗できないため、物上代位で賃料債権を差し押さえたBに優先できない。選択肢1は先取特権に登記が不要(336条本文)なので誤り、選択肢2は区分所有法15条2項の分離処分禁止に反する特約は無効なので誤り、選択肢4は抵当権の効力が付加一体物(民法370条)に及ぶだけで備え付け動産一般には及ばないため誤り。
3月分の管理費が住人の口座振替の都合で4月に入金された。管理組合の会計処理として適切な考え方はどれか。
正解: 2. 発生主義により3月分の収入として未収金を計上し、入金時に未収金を消し込む
管理組合会計は発生主義を基本とする(第3話で詳述)。3月分の請求権は3月に発生しているため、3月決算では未収金として計上し、4月の入金でその未収金を消し込む。
あなたは主任者。ある区分所有者が3か月連続で管理費を滞納している。標準管理規約 別添3の手順に従うと、今月すべきことはどれか。
正解: 1. 電話と催告書の送付
3か月目は電話・書面(催告書)による督促の段階である。
修繕積立金等が金銭である場合における財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 1. マンション管理業者は、区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納・保管口座に預入し、当該口座において預貯金として管理する方法による場合、1月分の修繕積立金等金銭以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。
選択肢1が不適切=正解。ハ方式(収納・保管口座1つに預入する方法)には保証契約の要求がない(施行規則87条3項は「第2項第1号イ又はロ」に限定)。収納・保管口座は必ず管理組合等名義で、管理業者は印鑑等を保管できないため、保証で守る必要がないのが理由。選択肢2〜4はいずれも条文どおりで適切。
補足: 本問の出題当時(令和4年度)には無かった施行規則87条4項2号(管理業者自身が管理者等である場合の印鑑保管の例外)は令和8年4月1日施行なので、選択肢2の「この限りでない」の例外は現在は2つに増えている(design参照)。
標準管理規約上、修繕積立金の経理はどのように扱うべきか。
正解: 2. 管理費とは区分して経理しなければならない
標準管理規約28条4項「修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない」。
管理費の滞納に対する法的手続等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理組合は、管理費を滞納している区分所有者に対する訴訟の目的の価額が140万円を超えない場合は、簡易裁判所に訴えを提起することができる。
選択肢3が正しい=正解。裁判所法33条1項1号により、訴額140万円以下の民事事件は簡易裁判所の管轄。選択肢1は民法419条3項(不可抗力の抗弁不可)に反し誤り、選択肢2は特定承継人の責任が遅延損害金にも及ぶため誤り、選択肢4は民法150条の催告に書面の種類の指定がないため誤り。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者に対して訴訟を提起するためには、事前に内容証明郵便による督促を行う必要がある。
選択肢3が不適切=正解。訴え提起に「事前の内容証明郵便による督促」は法律上の要件ではない。内容証明を送るのは証拠を残し時効の完成を猶予するためであって、訴訟提起の前提条件ではない。選択肢1は民法152条1項、選択肢2は金銭債務の当然分割承継、選択肢4は民法939条(相続放棄の遡及効)のとおりで適切。
区分所有法7条1項後段は、誰が有する債権について先取特権を認めているか。
正解: 2. 区分所有者に加え、管理者又は管理組合法人がその職務・業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権にも認める
区分所有法7条1項「管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする」。
分別管理上の「収納口座に入った日」と、会計上の「収入として計上する月」は必ず一致するか。
正解: 2. 一致するとは限らない。分別管理は資金の保管方法の規律であり、会計の発生主義とは別の考え方である
分別管理(施行規則87条)は「資金をどこに置くか」を定める規律、発生主義会計は「いつの収入・費用として記録するか」を定める考え方で、次元が異なる。
ある区分所有者の滞納が4か月に及んでいる。標準管理規約 別添3の手順で今月すべきことはどれか。
正解: 1. 電話・書面に加えて自宅訪問
4か月目は電話・書面に加え自宅訪問が加わる段階。内容証明郵便は5か月目、理事会決議による法的措置は半年前後が目安。
8月分の会計の収入及び支出の状況に関する書面を管理者等に交付する期限はいつまでか。
正解: 3. 9月末日
施行規則87条5項の「翌月末日まで」に該当し、8月分であれば9月末日までとなる。
管理組合Zはイ方式(施行規則87条2項1号イ)で修繕積立金等金銭を管理している。4月中に区分所有者等から徴収した管理費・修繕積立金は、まずどの口座に入れるか。
正解: 2. 収納口座
イ方式は管理費・修繕積立金ともいったん収納口座に入れ、当月の管理事務に要した費用を控除した残額を翌月末日までに保管口座へ移す(施行規則87条2項1号イ)。
ロ方式(施行規則87条2項1号ロ)で、修繕積立金は最初からどの口座に預入するか。
正解: 2. 保管口座
ロ方式は修繕積立金を最初から保管口座に預入し、管理費だけを収納口座に通す。管理費の残額は翌月末日までに保管口座へ移し換える。
あなたは主任者。管理組合はイ方式を採用し、収納口座は管理業者名義である。この場合に必要となる契約とその金額の基準はどれか。
正解: 1. 区分所有者等から徴収される1か月分の修繕積立金等金銭の合計額以上の保証契約
施行規則87条3項。イ・ロ方式で管理するときは、1月分の修繕積立金等金銭の合計額以上につき有効な保証契約を締結していなければならない。
管理組合に管理者等が置かれていない場合、月次の会計書面はどのように区分所有者等に示されるか。
正解: 2. 対象月の属する事業年度終了の日から2月を経過する日まで事務所に備え置き、求めに応じ閲覧させる
施行規則87条5項後段。管理者等が置かれていないとき、又は管理業者が管理者等であるときは、交付に代えて備置・閲覧の方法による。
「ハ方式は口座が1つなので、保証契約は不要であり、印鑑の保管制限も一切ない」という記述は正しい。
正解: 2. 誤り
誤り。保証契約が不要というのは正しいが、保管口座(収納・保管口座を含む)の印鑑等を管理業者が保管してはならないという制限(施行規則87条4項)はハ方式にも適用される。
駐車場使用料は、標準管理規約上どのように扱われるか。
正解: 2. それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる
標準管理規約29条「使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」。
標準管理規約60条2項に基づき請求した遅延損害金等に相当する収納金は、標準管理規約上どこに充当されるか。
正解: 2. 第27条に定める費用(管理費として充当)
標準管理規約60条6項「第2項の規定に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用等並びに督促及び徴収の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する」。
標準管理規約 別添3の督促手順の例で、配達証明付内容証明郵便による督促を行うのは何か月目か。
正解: 4. 5か月目
別添3の例では、5か月目に電話・書面(配達記録付内容証明郵便)で督促する。
未納の管理費等について訴訟その他法的措置を追行できるのは、誰の、どの決議に基づくか。
正解: 2. 理事長が理事会の決議により、管理組合を代表して
標準管理規約60条4項「理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」。
「少額訴訟は、訴額が140万円を超えない限り何度でも同じ簡易裁判所で利用できる」という記述は正しい。
正解: 2. 誤り
誤り。少額訴訟の上限額は60万円であり、また同一の簡易裁判所において同一の年に利用できる回数には最高裁判所規則による制限がある(民訴368条1項ただし書)。
滞納管理費が一部弁済された場合の充当順序を判断する要素である次のア〜オについて、民法の規定によれば、優先順位の高い順に並べたものとして、最も適切なものはどれか。ア 規約の定めによる充当順序/イ 管理組合が滞納組合員に対する意思表示により指定した充当順序(滞納組合員から直ちに異議を意思表示しなかった場合)/ウ 滞納組合員が管理組合に対する意思表示により指定した充当順序/エ 滞納組合員の利益の多い順序/オ 弁済期の先後
正解: 1. ア→ウ→イ→エ→オ
民法490条(合意による充当が最優先=規約の定めはこれにあたる)→488条1項(弁済者の指定)→488条2項(受領者の指定、弁済者が直ちに異議を述べなければ有効)→488条4項の法定充当(利益の多いもの→弁済期の先後)の順。したがってア→ウ→イ→エ→オで選択肢1が正解。
補足: この論点(弁済の充当順序)はpatterns.mdのA〜Gの分類には明示的に含まれていないが、標準管理規約60条5項(理事会決議による充当順序)と地続きの、この話の範囲に当たる公式過去問のため追加収録した。
管理費債権の消滅時効期間は、原則として何年か。
正解: 2. 5年
民法166条1項1号「権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」に時効消滅する。
管理組合が滞納者に催告書を送った。時効はどうなるか。
正解: 2. 催告の時から6か月を経過するまで時効の完成が猶予される
民法150条1項「催告があったときは、その時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、区分所有法、民事訴訟法及び破産法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が行方不明の場合であっても、管理組合は、その者に対して、滞納管理費の支払請求についての訴えを提起することができる。
選択肢3が正しい=正解。相手方の所在が不明でも、公示送達(民訴110条)により訴えを提起できる。選択肢1は区分所有者であり続ける限り破産後も管理費支払義務を負うため誤り、選択肢2は特定承継人の責任(区分所有法8条)が善意・悪意を問わないため誤り、選択肢4は民法146条(時効利益の事前放棄禁止)に反し誤り。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 2. 管理組合が、管理費を滞納している区分所有者に対し書面で支払の催告を行う場合には、内容証明郵便でなく普通郵便であっても、時効の完成猶予としての効力が生じる。
選択肢2が正しい=正解。民法150条1項の「催告」に書面の種類の指定はない。選択肢1は民法169条1項(確定判決で時効期間は10年になる)に反し誤り、選択肢3・4は相続開始や区分所有権の売却が更新事由(民法147条〜152条)にあたらないため誤り。
区分所有法7条の先取特権を行使するために、あらかじめ登記をしておく必要はあるか。
正解: 2. 不要である
民法336条本文「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる」。ただし登記をした第三者には対抗できない(同条ただし書)。
滞納者Aが自己の専有部分をBに売却した。管理組合はAの滞納管理費をBに請求できるか。
正解: 2. できる、Bは区分所有法8条の特定承継人にあたる
区分所有法8条「前条第1項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」。買主が滞納の事実を知っていたかどうかは問わない。
競売手続によって区分所有権を取得した買受人は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継するか。
正解: 2. 承継する。買受人も区分所有法8条の特定承継人にあたる
競売の買受人も区分所有法8条の特定承継人にあたり、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継する。
次の実務を、1か月のカレンダー順に並べたとき正しい順序はどれか。ア.業者への支払い イ.口座振替 ウ.収納口座から保管口座への移し換え エ.入金消込・滞納者一覧の作成
正解: 1. イ→エ→ア→ウ
27日 口座振替(イ)→翌月5日 消込・滞納者一覧(エ)→10日 業者支払い(ア)→月末 移し換え(ウ)の順。
イ方式を採用し、管理業者が収納口座の印鑑等を保管している管理組合がある。この管理組合に追加で必要な契約は何か。
正解: 2. 1か月分以上の保証契約
施行規則87条3項。イ・ロ方式で管理業者が収納口座の印鑑等を保管する場合は、1か月分以上の修繕積立金等金銭の合計額以上について保証契約が必要。
ある滞納管理費について、時効の完成まで残り2か月しかない。管理組合が時効の完成を防ぐために直ちに取れる有効な手段はどれか。
正解: 2. 催告(内容証明郵便等)を行い、6か月の完成猶予を得た上で、その間に訴訟提起等の措置を取る
民法150条1項の催告により、その時から6か月を経過するまで時効の完成が猶予される。その間に訴訟提起など、更新につながる措置を講じることができる。
イ方式で、4月中に徴収した管理費等の残額について、収納口座から保管口座への移し換えの期限は「4月末日まで」である。
正解: 2. 誤り
移し換えの期限は「翌月末日まで」(施行規則87条2項1号イ)。4月分であれば5月末日までであり、4月末日ではない。
ロ方式において、管理費の残額を収納口座から保管口座へ移し換える期限は、イ方式の場合と異なる。
正解: 2. 誤り
ロ方式の管理費残額の移し換え期限もイ方式と同じ「翌月末日まで」である(施行規則87条2項1号ロ)。異なるのは修繕積立金の扱いだけ。
ハ方式(施行規則87条2項1号ハ)で使用する「収納・保管口座」の名義は誰か。
正解: 2. 管理組合等
施行規則87条6項3号により、収納・保管口座は管理組合等を名義人とする口座と定義されている。
管理組合の毎月の管理費等合計額が240万円である。イ方式で収納口座の印鑑等を管理業者が保管する場合、必要な保証契約の額はいくらか。
正解: 2. 240万円以上
施行規則87条3項は「1月分の修繕積立金等金銭の合計額以上」と定めるので、月額240万円であれば240万円以上の保証契約が必要になる。
イ方式において保証契約が不要となるのは、次のうちどの場合か。
正解: 1. 区分所有者等から徴収される金銭が管理組合等名義の収納口座に直接預入され、かつ管理業者が当該収納口座の印鑑等を保管しない場合
施行規則87条3項ただし書。①組合等名義の収納口座に直接預入される、又は管理業者側が徴収しない、②管理業者が収納口座の印鑑等を保管しない、の両方を満たすときに限り保証契約は不要になる。
施行規則87条6項の定義で、管理組合等を名義人としなければならない口座の組み合わせとして正しいものはどれか。
正解: 3. 保管口座と収納・保管口座
87条6項により、名義が管理組合等に限定されるのは保管口座と収納・保管口座の2つだけ。収納口座(一時的に預貯金として管理するための口座)には名義の制限がなく、管理業者名義でもよい。
2026年4月1日施行の改正で新設された、管理業者が保管口座等の印鑑を保管できる例外(施行規則87条4項2号)の要件に含まれ「ない」ものはどれか。
正解: 3. 区分所有者の過半数の書面同意のみで足りること
5要件は①管理業者自身が管理者等であること②他に保管を引き受ける者がいないこと③適切な保管体制④口座残高以上の保証契約⑤組合に帰属することが一見して明らかな名義、かつ全要件を説明し書面交付のうえ集会の決議を得ること。「書面同意のみで足りる」は誤りで、集会の決議が必要。
補足: この例外は令和8年4月1日施行の新設規定であり、令和7年度以前の過去問には出題例がない。
管理業者が3月に徴収した管理費等の残額を保管口座へ移し換える期限はどれか。
正解: 3. 4月末日
施行規則87条2項1号イ・ロの「翌月末日まで」に該当し、3月分であれば4月末日までとなる。
「収納口座から保管口座への移し換え」と「月次の会計書面の管理者等への交付」の期限は、いずれも同じ翌月末日である。
正解: 1. 正しい
施行規則87条2項1号(移し換え)・5項(会計書面の交付)はいずれも「翌月末日まで」と定めている。
管理業者が作成する管理事務に関する帳簿は、いつ閉鎖し、何年間保存しなければならないか。
正解: 2. 事業年度の末日をもって閉鎖・5年間保存
適正化法75条・施行規則86条3項。事業年度末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存しなければならない。
「ロ方式では、修繕積立金も管理費もいったん収納口座に入れる」という記述は正しい。
正解: 2. 誤り
誤り。ロ方式では修繕積立金は最初から保管口座に入れる。収納口座を経由するのは管理費だけである。
管理規約に遅延損害金の定めがない管理組合がある。滞納者に遅延損害金を請求できるか。
正解: 2. 民法所定の法定利率により請求できる
民法419条1項本文により、規約に定めがなくても法定利率(404条、年3%を基準に3年ごと変動)で遅延損害金を請求できる。規約にわざわざ定めるのは、法定利率より高い利率にできるからである。
標準管理規約60条2項に基づき、滞納者に加算して請求できるものの組み合わせとして正しいものはどれか。
正解: 2. 遅延損害金、違約金としての弁護士費用等、督促及び徴収の諸費用
標準管理規約60条2項。未払金額に年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用等(司法書士費用を含む)、督促及び徴収の諸費用を加算して請求できる。
督促及び徴収の諸費用として滞納者に請求できるものに含まれるのはどれか。
正解: 1. 配達証明付内容証明郵便の郵便代・事務手数料や支払督促申立ての印紙代等
標準管理規約60条関係コメント⑤。督促・徴収に要する実費が対象で、管理組合の一般運営費とは区別される。
標準管理規約 別添3の督促手順の例で、自宅訪問を行うのは何か月目からか。
正解: 4. 4か月目
4か月目は電話・書面に加えて自宅訪問が加わる。
滞納から半年(6か月)前後で多く見られる動きとして、標準管理規約 別添3の注記が指摘するものはどれか。
正解: 2. 滞納者の住宅ローンも延滞していることが多く、銀行が競売等に動き出すことが多い
標準管理規約 別添3の注記。一時的な要因の滞納は3か月以内に解消することが多い一方、6か月以内に銀行が債権回収のために競売等に動き出すことが多いとされる。
管理業者が滞納者への督促を行ってもなお支払われない場合、標準管理委託契約書上、その後の収納の請求は誰が行うか。
正解: 2. 管理組合が行う
標準管理委託契約書11条1項。管理業者は督促を行ってもなお支払われないときは責めを免れ、その後の収納の請求は管理組合が行う。管理業者が督促を超えて債権回収を続けると弁護士法72条(非弁行為の禁止)に抵触するおそれがある。
理事会限りで滞納者に対する訴訟提起を決定した。標準管理規約上、この決定は有効か。
正解: 1. 理事会決議で足り、総会決議は不要である
標準管理規約60条4項は理事会の決議で足りると定めており、総会決議は要件になっていない。
少額訴訟を利用できる訴訟の目的の価額の上限はいくらか。
正解: 2. 60万円
民事訴訟法368条1項「訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴え」。
訴訟の目的の価額が140万円を超えない事件について、第一審の裁判権を有するのはどこか。
正解: 2. 簡易裁判所
裁判所法33条1項1号。140万円を超えれば地方裁判所が管轄となる。
管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解: 2. 30万円を超える少額訴訟の場合には、地方裁判所に提起しなければならない。
選択肢2が不適切=正解。少額訴訟は金額にかかわらず簡易裁判所の手続であり、地方裁判所に提起することはない。選択肢1は民訴368条1項、選択肢3は同項ただし書、選択肢4は民訴370条2項のとおりで適切。
「滞納者が行方不明になった場合、管理組合はその者に対して訴えを提起することができない」という記述は正しい。
正解: 2. 誤り
誤り。相手方の所在が不明でも、公示送達(民事訴訟法110条)により訴えを提起することができる。
管理費は毎月発生する債権である。時効の進行について正しいものはどれか。
正解: 2. 発生した月ごとに、権利を行使することができることを知った時からそれぞれ個別に5年で消滅していく
管理費債権は毎月発生する別個の債権であるため、時効も月ごとに、それぞれの弁済期到来時を起算点として個別に進行する。
民法166条1項1号の「権利を行使することができることを知った時」とは、管理費滞納の場合、通常いつを指すか。
正解: 1. 各月の納付期限が到来し、管理組合(管理業者)が未納の事実を知り得た時点
管理費債権は毎月の納付期限の到来により発生し、消込によって不払いが判明する。通常はこの時点が起算点になる。
滞納者が「滞納額25万円の一部として5万円を支払う」と明示して支払った場合、残り20万円についてどうなるか。
正解: 2. 一部弁済は承認にあたり、残額を含めた債権全体について時効が更新される
民法152条1項の「承認」にあたり、一部弁済であっても債務の存在を認める行為として、残額を含む債権全体について更新(時効の再進行)の効力が生じる。
訴訟で管理組合が勝訴し、確定判決を得た場合、その債権の消滅時効期間はどうなるか。
正解: 2. 10年になる
民法169条1項。確定判決によって確定した権利は、10年より短い時効期間の定めがあっても時効期間は10年になる。
完成猶予期間中に管理組合が再度催告書を送った場合、猶予期間はさらに延びるか。
正解: 2. 延びない
民法150条2項「催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない」。
管理規約に「管理費債務については消滅時効を援用することができない」と定めた。この定めは有効か。
正解: 2. 無効であり、消滅時効が完成すれば滞納者は援用できる
民法146条「時効の利益は、あらかじめ放棄することができない」。規約による事前の援用禁止の定めは無効であり、時効完成後は滞納者も援用できる。
「時効の完成猶予としての催告は、内容証明郵便でなければ効力が生じない」という記述は正しい。
正解: 2. 誤り
誤り。民法150条の催告に書面の種類の指定はない。内容証明郵便を用いるのは催告した事実を証拠に残すための実務上の工夫であって、効力の条件ではない。普通郵便でも催告としての完成猶予の効力は生じる。
「催告により時効の完成が猶予されている間に、再度、内容証明郵便で催告すれば、改めて6か月の完成猶予の効力が生じる」という記述は正しい。
正解: 2. 誤り
誤り。民法150条2項により、猶予されている間の再度の催告に猶予の効力はない。
区分所有法7条の先取特権の対象となる財産はどれか。
正解: 1. 債務者の区分所有権(共用部分の共有持分・敷地利用権を含む)と建物に備え付けた動産
区分所有法7条1項「債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する」。
区分所有法7条の先取特権の優先権の順位・効力は、民法上どう扱われるか。
正解: 2. 共益費用の先取特権とみなす
区分所有法7条2項「前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす」。
管理組合の先取特権と、登記済みの抵当権が競合した場合、どちらが優先するか。
正解: 2. 登記済みの抵当権が優先する
民法336条ただし書「登記をした第三者に対しては、この限りでない」。一般の先取特権は登記した抵当権者には対抗できない。
AからBへの特定承継が生じた後、AのBに対する滞納管理費支払義務についてはどうなるか。
正解: 2. Aは支払義務を免れない。AとBの支払義務は併存する
区分所有法8条は特定承継人に「対しても」請求できるとする規定であり、元の債務者(売主A)の債務が消えるわけではない。両者の債務は併存する。
27日に口座振替を行った月の翌月5日に行う作業はどれか。
正解: 2. 入金の消込と滞納者一覧の作成
翌月5日は入金の消込を行い、消えずに残った請求=滞納者一覧を作成する日である。
時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 2. 時効の利益は、時効完成後には放棄することができない。
民法146条は時効利益の「あらかじめ」の放棄を禁じるにとどまり、時効完成後の放棄は判例上可能とされる。よって「完成後には放棄できない」とする選択肢2が誤り(不適切)で正解となる。
標準管理委託契約書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解: 3. 管理事務室は、管理組合がマンション管理業者に管理事務を行わせるため、有償で使用させるものとしている。
標準管理委託契約書では、管理事務室等は管理組合がマンション管理業者に管理事務を行わせるために「無償」で使用させるものとされており、「有償」とする選択肢3が誤り(不適切)で正解となる。滞納管理費の督促については、弁護士法72条(非弁行為の禁止)を踏まえ、管理業者の協力範囲・費用負担をあらかじめ協議・規定するという選択肢4の内容は正しい。
管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び民事訴訟法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
民法152条の承認による時効更新は、可分債務の一部弁済であっても残額全体を含めた債務の承認とみなされ、残額についても更新の効力が及ぶと解されている(選択肢3が正解)。催告(150条)は6か月間のみ完成猶予の効力を生じ、その猶予期間中に再度催告しても再度の完成猶予は生じない(選択肢1は誤り)。金銭債務は相続開始時に法定相続分に応じて当然分割承継されるのが原則で、遺産分割の対象外というのが判例の考え方(選択肢2は誤り、他の相続人も承継する)。行方不明者に対しても公示送達等により訴訟提起は可能(選択肢4は誤り)。
管理組合Aが、区分所有者Bに対して滞納管理費の支払を請求するために民事訴訟法上の「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。アA又はBが、当該少額訴訟の終局判決に対して不服があるときは、管轄の地方裁判所に控訴することができる。イBは、訴訟が係属している間であれば、いつでも、当該少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。ウBが滞納している管理費の総額が70万円である場合に、Aは、訴訟の目的の価額を60万円として少額訴訟を利用することができる。エBは、当該少額訴訟において反訴を提起することはできない。
正解: 2. 二つ
少額訴訟の終局判決に対しては控訴できず、異議申立てのみ可能(民訴377条・378条、アは誤り)。通常訴訟への移行の申述は被告が最初の口頭弁論期日で弁論するまでに限られ、「いつでも」できるわけではない(373条1項、イは誤り)。一部請求として訴額を60万円に限定して少額訴訟を利用することは可能(ウは正しい)。反訴は禁止されている(369条、エは正しい)。適切なものはウ・エの二つ。
管理費の滞納に対する法的手続等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理組合は、管理費を滞納している区分所有者に対する訴訟の目的の価額が140万円を超えない場合は、簡易裁判所に訴えを提起することができる。
簡易裁判所の事物管轄は訴額140万円以下(裁判所法33条1項1号)であり、選択肢3が正しい(正解)。金銭債務の不履行では不可抗力は抗弁とならない(民法419条3項、選択肢1は誤り)。買主は売主の滞納管理費債務(区分所有法8条の特定承継人責任)とともに遅延損害金債務も承継する(選択肢2は誤り)。催告は方式を問わず普通郵便でも6か月間の時効の完成猶予の効力を生じる(民法150条、選択肢4は誤り)。
滞納管理費が一部弁済された場合の充当順序を判断する要素である次のア〜オについて、民法の規定によれば、優先順位の高い順に並べたものとして、最も適切なものはどれか。ア規約の定めによる充当順序イ管理組合が滞納組合員に対する意思表示により指定した充当順序(滞納組合員から直ちに異議を意思表示しなかった場合)ウ滞納組合員が管理組合に対する意思表示により指定した充当順序エ滞納組合員の利益の多い順序オ弁済期の先後充当順序第一順位第二順位第三順位第四順位第五順位
正解: 1. アウイエオ
民法上、弁済の充当は、まず当事者間の合意(規約の定め)が優先し、次いで弁済者(滞納組合員)による指定(488条1項)、次に受領者(管理組合)による指定(同条2項、弁済者が直ちに異議を述べない場合)、それでも定まらない場合は法定充当(489条、利益の多い順序→弁済期の先後)による。よって優先順位はア→ウ→イ→エ→オとなる選択肢1が正解。
修繕積立金等が金銭である場合における財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 1. マンション管理業者は、マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納・保管口座に預入し、当該収納・保管口座において預貯金として管理する方法による場合、マンションの区分所有者等から徴収される1月分の修繕積立金等金銭以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。
収納・保管口座方式で修繕積立金等金銭を管理する場合、保証契約の基準額は管理組合等から徴収される管理費用(管理費及び修繕積立金等を含む)の1か月分相当額とされており、修繕積立金等金銭のみを基準とする選択肢1の記述は不正確で不適切(正解)と考えられる。印鑑等の管理禁止(選択肢2、施行規則87条5項)、管理者等不在時の月次会計書面の備置き・閲覧(選択肢3、同条6項)、修繕積立金等金銭の分別管理(選択肢4、適正化法76条)はいずれも正しい。
補足: 保証契約の基準額の対象範囲(修繕積立金等金銭のみか管理費用全体か)について、施行規則87条の一次情報での逐語確認ができていない。
甲マンションの住戸301号室を所有するAが、債権者Bのために301号室の区分所有権にBの抵当権を設定及び登記した場合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法、民事執行法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。なお、301号室の区分所有権には、Bの抵当権以外に担保権は設定されていないものとする。
正解: 3. Aが、301号室をCに賃貸している場合に、Aが、管理組合及びBに対する債務について不履行を生じさせたときは、管理組合が先取特権に基づきAのCに対する賃料債権を差し押さえたとしても、Bが物上代位に基づき当該賃料債権を差し押さえた場合には、管理組合は、Bに優先することはできない。
管理組合の先取特権(区分所有法7条)は登記を要しないが、登記された抵当権に対して劣後する。滞納管理費に基づく先取特権者が賃料債権を差し押さえても、抵当権者が物上代位により差し押さえた場合には、登記の先後の関係から抵当権者が優先し、管理組合は抵当権者に優先することはできない。
補足: 先取特権と抵当権の物上代位が競合した場合の優先関係の判例法理の細部までは一次資料で再確認できておらず、確信度は高くない。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 4. 競売手続によってマンションの区分所有権を取得した場合には、買受人は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継しない。
区分所有権が競売手続により取得された場合も、買受人は区分所有法8条の「特定承継人」に該当し、前区分所有者の滞納管理費支払義務を承継する。よって「承継しない」とする記述は誤り。遅延損害金は規約に定めがなくても法定利率により請求できる点、賃借人が管理費を滞納した場合に区分所有者へ請求できる点、売買による承継後も売主自身の支払義務は消滅しない点はいずれも正しい。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者に対して訴訟を提起するためには、事前に内容証明郵便による督促を行う必要がある。
管理費滞納者への訴訟提起にあたり、事前に内容証明郵便による督促を行うことは法律上の要件ではない。滞納者本人による滞納事実の承認は時効の更新事由となる(民法152条)点、金銭債務は相続開始により相続分に応じて当然分割承継される点、相続人全員が相続放棄すれば誰も滞納債務を負わない点はいずれも正しい。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、区分所有法、民事訴訟法及び破産法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が行方不明の場合であっても、管理組合は、その者に対して、滞納管理費の支払請求についての訴えを提起することができる。
正解は3。滞納者が行方不明であっても、公示送達(民事訴訟法110条以下)の制度により訴えを提起し送達することができる。選択肢1は破産手続開始決定を受けても、その後も居住を継続する限り新たに発生する管理費の支払義務までは免れない点、選択肢2は区分所有法8条により特定承継人は善意・悪意を問わず前区分所有者の滞納債務を承継する点、選択肢4は消滅時効の利益はあらかじめ放棄できない(民法146条)一方、時効完成後の援用自体を規約で排除することはできないと解される点で、それぞれ誤り。
管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正解: 2. 30万円を超える少額訴訟の場合には、地方裁判所に提起しなければならない。
正解は2(最も不適切)。少額訴訟は訴額60万円以下の金銭請求について簡易裁判所に提起する制度(民事訴訟法368条1項)であり、「30万円を超える場合は地方裁判所に提起」という制度は存在しない。選択肢1(上限額60万円)、3(同一の簡裁での年間利用回数制限)、4(第1回口頭弁論期日前又はその期日にすべての主張・証拠を提出する一期日審理の原則、369条)は少額訴訟の制度内容に沿う。
ある住戸の区分所有者として管理組合に届け出られているAの住所宛てに管理費を請求したが、その請求書が届かず所在が不明であった場合において、理事会で理事長から次のアからエまでの順で説明があった。標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。ア理事長は、理事会の決議を経ずに、当該住戸の区分所有者の所在等を探索することができます。イ探索の結果、当該住戸の区分所有者がBに変更となっていた場合、組合員の資格は、「区分所有権取得・喪失届出書」を管理組合に提出した時点で取得するため、Bはまだ組合員ではありません。ウ区分所有者の所在の探索に際し当該住戸の登記事項証明書を取得しその費用を支出した場合、理事長は、Bに対し、管理費のほか、登記事項証明書の交付申請費用を請求することができます。エBによる支払がないため、理事長が管理組合を代表して訴訟を提起するには、理事会の決議が必要です。
正解: 2. 二つ
組合員資格は区分所有権を取得した時点で当然に取得するのであり、「区分所有権取得・喪失届出書」の提出時点で取得するのではないため、イは不適切。所在等の探索や登記事項証明書取得費用の新区分所有者への請求、訴訟提起に理事会決議を要する点はおおむね標準管理規約の実務・コメントに沿うが、探索自体に理事会の関与(決議)を要するかどうかは規約上明確でない部分がある。
補足: アの「理事会決議を経ずに探索できる」との断定は、標準管理規約の明文の裏付けを完全には確認できなかった。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 1. 管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、その相続人のあることが明らかでないときは、管理組合は、家庭裁判所に対し相続財産の清算人の選任を請求することができる。
相続人のあることが明らかでないときは、利害関係人(滞納管理費を有する管理組合を含む)は家庭裁判所に対し相続財産の清算人の選任を請求することができる(民法952条1項)。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 2. 管理組合が、管理費を滞納している区分所有者に対し書面で支払の催告を行う場合には、内容証明郵便でなく普通郵便であっても、時効の完成猶予としての効力が生じる。
催告による時効の完成猶予(民法150条)は、内容証明郵便に限らず普通郵便による書面での督促でも生じる。確定判決により確定した債権の時効期間は10年(民法169条)であり5年ではなく、相続開始(単なる承継)や区分所有権の第三者への売却は時効の更新事由である「承認」(152条)に当たらない。