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第7話

トラブル

29分24秒

この話の舞台

601号室からの漏水、105号室の騒音、ペット

ひだまり船橋マンション(分譲マンション)|船橋市、駅徒歩12分|築45年(旧耐震)・RC造6階建て・24戸

登場人物と「誰が何を決めるか」 → 舞台設定の全体 →

到達目標と条件

目標1上階からの漏水で、原因が専有部分か共用部分かによって、責任を負う人と費用の出どころがどう変わるかを言える。
原因/場面責任・扱い根拠
専有部分内上階の区分所有者が負う民法709条
共用の縦管管理組合が負う(無過失責任)民法717条
原因不明共用部分の瑕疵と推定区分所有法9条
施工不良判明求償できる717条3項
枝管の帰属構造・設置場所で個別判断最判平12.3.21

ひっかけ: 枝管は「一律共用」ではなく構造・設置場所で個別判断

くわしく(8項目)
  • 誰が: 原因が専有部分内(給水管・給湯器・洗濯機ホース等)なら上階の区分所有者、共用の縦管(パイプスペース内の本管)なら管理組合が責任を負う。
  • 誰に: 損害を受けた下階の区分所有者・第三者に対して。
  • いつ: 通報直後の現地確認・原因調査の段階で線引きする。
  • 何を: 損害賠償(修理費・被害物の弁償)。
  • どの書類: 事故報告書、保険金請求書。
  • 条文・数字: 民法709条(不法行為)、717条(工作物責任、占有者→所有者は無過失責任)、区分所有法9条(原因不明は共用部分の瑕疵と推定)。
  • 例外: 施工不良なら求償できる(717条3項、716条)。使用者責任(715条)は被用者に不法行為が成立していることが前提で、求償は715条3項で可能。
  • ひっかけ: 「枝管はいかんにかかわらず共用」は誤り=構造・設置場所で個別に判断する(最判平12.3.21)。
目標2迷惑行為への対応が、注意から勧告、訴訟、競売へと段を上がること、その各段に必要な決議と手続を言える。
段階要件条文
注意理事長単独で通知委託契約書12条
勧告・指示・警告理事会決議で理事長が実施規約67条1項
57条訴訟普通決議、弁明不要区分所有法57条
58条訴訟出席者の各4分の3、弁明必要区分所有法58条
59条58条2項準用、確定から6か月以内区分所有法59条
60条58条2項準用、占有者に弁明区分所有法60条
規約違反差止め理事会決議のみで理事長が追行規約67条3項

ひっかけ: 59条は58条2項準用で出席者の各4分の3必要。「過半数」は誤り

くわしく(8項目)
  • 誰が: 勧告等は理事長(理事会の決議を経て)。訴訟提起は管理者又は集会で指定された区分所有者。規約・使用細則違反の差止めは理事会決議だけで理事長が訴訟追行できる(規約67条3項)。
  • 誰に: 「区分所有者等」=区分所有者、その同居人、専有部分の貸与を受けた者、その同居人まで含む(規約67条1項)。占有者にも6条1項が準用される(6条3項)。
  • いつ: 掲示→注意(委託契約書12条)→勧告・指示・警告(規約67条1項)→総会の特別決議で訴訟(57〜60条)。段は飛ばせないが各条の要件は独立。
  • 何を: 停止・使用禁止・競売・引渡し。
  • どの書類: 注意書、勧告書、総会議案、弁明の機会の通知書。
  • 条文・数字: 57条=普通決議・弁明不要。58条=出席者の各4分の3・弁明必要。59条=58条2項準用・確定から6か月以内。60条=58条2項準用・弁明は占有者。
  • 例外: 区分所有法57条2項の訴え(総会決議必要、規約48条十一号)と、規約・使用細則違反の差止め(理事会決議のみで可、規約67条3項)は根拠が違う。
  • ひっかけ: 「57条にも弁明が必要」「58〜60条は総数の各4分の3」「59条は過半数で足りる」「60条は貸主にも弁明」はいずれも誤り。
目標3民法の不法行為・工作物責任・受忍限度を、マンションの場面に当てはめて言える。
論点内容条文
不法行為故意・過失で権利侵害→賠償民法709条
工作物責任占有者→所有者、所有者は無過失責任民法717条
使用者責任被用者に不法行為成立が前提民法715条
求償使用者→被用者へ求償可715条3項
受忍限度数値基準なし、比較衡量で判断判例
共同利益違反物理的迷惑に限らず中傷も含む判例

ひっかけ: 受忍限度に明確な数値基準はない。「基準がある」は誤り

くわしく(7項目)
  • 誰が/誰に: 709条=故意・過失で他人の権利・利益を侵害した者→被害者。717条=工作物の設置・保存の瑕疵→まず占有者、次に所有者(無過失責任)。
  • いつ: 損害発生時。時効は知った時から3年、不法行為の時から20年(民法719・722・724条、参考)。
  • 何を: 損害賠償。
  • 条文・数字: 民法709条・717条・715条(3項求償)・716条(注文者原則免責)・209条(相隣関係)。区分所有法6条1項・3項(共同の利益に反する行為、占有者に準用)。
  • 受忍限度: 数字の基準はなく、必要性・合理性と受ける不利益を比較衡量して判断する(判例)。
  • 例外: 共同の利益に反する行為は騒音・ペット等の物理的迷惑行為に限られず、暴力団事務所としての使用や役員へのひぼう中傷も含まれ得る(判例)。
  • ひっかけ: 「受忍限度に明確な数値基準がある」は誤り。「共同の利益に反する行為は物理的迷惑行為に限る」も誤り。

覚える数字と条文

数字・条文内容
損害を払う人の4つの型: 民法709条 不法行為=わざと・不注意で損害を与えた本人。717条 工作物責任=建物・配管の欠陥なら占有者→占有者に落ち度がなければ所有者(無過失責任。共用部分なら区分所有者全員=組合)。715条 使用者責任=従業員が仕事中に与えた損害は雇い主(管理会社)が払い、従業員に求償できる。716条 注文者の責任=工事会社が第三者に与えた損害を注文者(組合)は原則負わない(注文・指図に過失があれば負う)。払った人は本当の原因者(施工会社など)に求償できる。
区分所有法57条=停止等の請求、普通決議、弁明不要。
区分所有法58条=使用禁止、出席者の各4分の3、弁明必要。
区分所有法59条=競売、区分所有法58条2項準用で同じ決議、判決確定から6か月以内に申立て。
区分所有法60条=占有者への引渡し、区分所有法58条2項準用で同じ決議、弁明は占有者に。
民法709条(不法行為)・717条(工作物責任、占有者→所有者は無過失責任)・民法715条3項(求償できる)・民法716条(注文者は原則免責)。
区分所有法9条(原因不明は共用部分の瑕疵と推定)・区分所有法6条1項/3項(共同の利益に反する行為、占有者にも準用)。
標準管理委託契約書9条(緊急時の業務、1号=自然災害、2号=火災・漏水等)・委託契約書14条(立入り、緊急時は承認不要で事後報告)・委託契約書19条(免責、管理業者の責めによらない場合)。
標準管理規約23条4項(理事長の緊急立入り)・標準管理規約24条・標準管理規約24条の2(保険、保険金請求は理事長が代理)・標準管理規約67条1項(勧告等、相手は区分所有者等)・標準管理規約67条3項(理事会決議で訴訟追行できる範囲)。
2026年改正の新制度: 区分所有法46条の2(所有者不明専有部分管理命令)・区分所有法46条の8(管理不全専有部分管理命令)・区分所有法46条の13(管理不全共用部分管理命令)。区分所有法46条の9第2項=管理不全専有部分管理人は集会で議決権を行使できない。規約67条の4・67条の5=理事長が理事会決議を経て請求。

実務の流れ→ 横にスクロール

1
手順1
①漏水: 通報を受けて現地確認・記録(染み・写真・時刻)
2
手順2
②漏水: 原因調査のため上階に立入りを求める(委託契約書14条1項、緊急時は9条1項2号に当たり14条3項で承認なしに立入り可・事後報告)
3
手順3
③漏水: 専有か共用かの線引き(不明なら区分所有法9条で共用部分の瑕疵と推定)
4
手順4
④漏水: 保険(共用原因は組合のマンション総合保険・施設賠償責任特約、専有原因は当該区分所有者の個人賠償責任保険。保険金請求は理事長が代理=規約24条の2)
5
手順5
⑤漏水: 復旧工事と費用の整理(事故報告書・保険金請求書・見積書・精算書を理事会へ)
6
手順6
①迷惑行為: 掲示(全戸向け)
7
手順7
②迷惑行為: 管理会社から本人への注意・書面(委託契約書12条1項の有害行為の中止要求)
8
手順8
③迷惑行為: 理事長が理事会決議を経て勧告・指示・警告(規約67条1項、相手は区分所有者等)
9
手順9
④迷惑行為: 総会の特別決議+弁明の機会を経て57〜60条の措置(訴訟)。規約・使用細則違反の差止めは理事会決議のみで理事長が訴訟追行できる(規約67条3項)
10
手順10
駐車場事故: 当事者間の民事。組合は施設の管理責任(車止め・照明・区画線)だけ確認
ひっかけ 12件
  • 枝管は「その構造及び設置場所に照らし」共用部分か判断する。「いかんにかかわらず共用部分」は誤り。
  • 使用者責任(715条)は被用者本人に不法行為が成立していることが前提。「成立しなくても使用者責任が生じる」は誤り。
  • 715条3項=使用者は被用者へ求償できる。「求償できない」は誤り。
  • 57条の訴訟提起に弁明の機会の規定はない。「57条にも弁明が必要」は誤り。
  • 58〜60条の決議要件は2026年4月改正で「総数の各4分の3」から「出席者ベース+定足数、出席者の各4分の3」に変わった。改正前の年度の過去問は母数だけ読み替える。
  • 59条は58条2項を準用するので出席者の各4分の3が必要。「過半数で足りる」は誤り。
  • 60条の弁明の機会を与える相手は占有者のみ。「貸主である区分所有者にも必要」は誤り。
  • 規約・使用細則違反の差止め訴訟は理事会決議で理事長が追行できる。「総会決議が必要」は誤り(総会決議が必要なのは区分所有法57条2項の訴え)。
  • 暴力団員であることが判明したときの解約は「何らの催告を要せずして」行える。「相当の期間の催告後」は誤り。
  • 管理不全専有部分管理人は集会で議決権を行使できない(46条の9第2項)。
  • 賃借人にも理事長は直接、勧告・指示・警告ができる。「賃借人には直接言えない」は誤り。
  • 民法209条以下の相隣関係・受忍限度に明確な数値基準はない。必要性・合理性と不利益の比較衡量で判断する。

到達目標(教科書)

目標1上階からの漏水で、原因が専有部分か共用部分かによって、責任を負う人と費用の出どころがどう変わるかを言える。

原因/場面責任・扱い根拠
専有部分内上階の区分所有者が負う民法709条
共用の縦管管理組合が負う(無過失責任)民法717条
原因不明共用部分の瑕疵と推定区分所有法9条
施工不良判明求償できる717条3項
枝管の帰属構造・設置場所で個別判断最判平12.3.21

ひっかけ: 枝管は「一律共用」ではなく構造・設置場所で個別判断

  • 誰が: 原因が専有部分内(給水管・給湯器・洗濯機ホース等)なら上階の区分所有者、共用の縦管(パイプスペース内の本管)なら管理組合が責任を負う。
  • 誰に: 損害を受けた下階の区分所有者・第三者に対して。
  • いつ: 通報直後の現地確認・原因調査の段階で線引きする。
  • 何を: 損害賠償(修理費・被害物の弁償)。
  • どの書類: 事故報告書、保険金請求書。
  • 条文・数字: 民法709条(不法行為)、717条(工作物責任、占有者→所有者は無過失責任)、区分所有法9条(原因不明は共用部分の瑕疵と推定)。
  • 例外: 施工不良なら求償できる(717条3項、716条)。使用者責任(715条)は被用者に不法行為が成立していることが前提で、求償は715条3項で可能。
  • ひっかけ: 「枝管はいかんにかかわらず共用」は誤り=構造・設置場所で個別に判断する(最判平12.3.21)。

目標2迷惑行為への対応が、注意から勧告、訴訟、競売へと段を上がること、その各段に必要な決議と手続を言える。

段階要件条文
注意理事長単独で通知委託契約書12条
勧告・指示・警告理事会決議で理事長が実施規約67条1項
57条訴訟普通決議、弁明不要区分所有法57条
58条訴訟出席者の各4分の3、弁明必要区分所有法58条
59条58条2項準用、確定から6か月以内区分所有法59条
60条58条2項準用、占有者に弁明区分所有法60条
規約違反差止め理事会決議のみで理事長が追行規約67条3項

ひっかけ: 59条は58条2項準用で出席者の各4分の3必要。「過半数」は誤り

  • 誰が: 勧告等は理事長(理事会の決議を経て)。訴訟提起は管理者又は集会で指定された区分所有者。規約・使用細則違反の差止めは理事会決議だけで理事長が訴訟追行できる(規約67条3項)。
  • 誰に: 「区分所有者等」=区分所有者、その同居人、専有部分の貸与を受けた者、その同居人まで含む(規約67条1項)。占有者にも6条1項が準用される(6条3項)。
  • いつ: 掲示→注意(委託契約書12条)→勧告・指示・警告(規約67条1項)→総会の特別決議で訴訟(57〜60条)。段は飛ばせないが各条の要件は独立。
  • 何を: 停止・使用禁止・競売・引渡し。
  • どの書類: 注意書、勧告書、総会議案、弁明の機会の通知書。
  • 条文・数字: 57条=普通決議・弁明不要。58条=出席者の各4分の3・弁明必要。59条=58条2項準用・確定から6か月以内。60条=58条2項準用・弁明は占有者。
  • 例外: 区分所有法57条2項の訴え(総会決議必要、規約48条十一号)と、規約・使用細則違反の差止め(理事会決議のみで可、規約67条3項)は根拠が違う。
  • ひっかけ: 「57条にも弁明が必要」「58〜60条は総数の各4分の3」「59条は過半数で足りる」「60条は貸主にも弁明」はいずれも誤り。

目標3民法の不法行為・工作物責任・受忍限度を、マンションの場面に当てはめて言える。

論点内容条文
不法行為故意・過失で権利侵害→賠償民法709条
工作物責任占有者→所有者、所有者は無過失責任民法717条
使用者責任被用者に不法行為成立が前提民法715条
求償使用者→被用者へ求償可715条3項
受忍限度数値基準なし、比較衡量で判断判例
共同利益違反物理的迷惑に限らず中傷も含む判例

ひっかけ: 受忍限度に明確な数値基準はない。「基準がある」は誤り

  • 誰が/誰に: 709条=故意・過失で他人の権利・利益を侵害した者→被害者。717条=工作物の設置・保存の瑕疵→まず占有者、次に所有者(無過失責任)。
  • いつ: 損害発生時。時効は知った時から3年、不法行為の時から20年(民法719・722・724条、参考)。
  • 何を: 損害賠償。
  • 条文・数字: 民法709条・717条・715条(3項求償)・716条(注文者原則免責)・209条(相隣関係)。区分所有法6条1項・3項(共同の利益に反する行為、占有者に準用)。
  • 受忍限度: 数字の基準はなく、必要性・合理性と受ける不利益を比較衡量して判断する(判例)。
  • 例外: 共同の利益に反する行為は騒音・ペット等の物理的迷惑行為に限られず、暴力団事務所としての使用や役員へのひぼう中傷も含まれ得る(判例)。
  • ひっかけ: 「受忍限度に明確な数値基準がある」は誤り。「共同の利益に反する行為は物理的迷惑行為に限る」も誤り。

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過去問 / 過去問/令和5年度 問1 / Q58

マンションにおける不法行為責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、適切なものはいくつあるか。アマンション管理業者は、自らが雇用する管理員が、その業務の執行について第三者に損害を加えたときは、当該管理員個人に不法行為が成立しなくても、使用者責任を負う場合がある。イマンション管理業者は、自らが雇用する管理員が、その業務の執行について第三者に損害を加えた場合、使用者責任に基づいて当該第三者に対してその賠償をしたときでも、当該管理員に対して求償権を行使することは認められない。ウマンションの専有部分にある浴室から水漏れが発生し、階下の区分所有者に損害が生じた場合、当該専有部分に居住する区分所有者は、その損害を賠償する責任を負うが、水漏れの原因が施工会社の責任によるときは、当該施工会社に対して求償権を行使することができる。エマンションの共用部分の修繕工事を請け負った施工会社が、その工事について第三者に損害を加えた場合に、注文者である当該マンションの管理組合は、注文又は指図について過失がない限り、損害を賠償する責任を負わない。

正解: 2. 二つ

  • ア × 誤り。選択肢は「不法行為が成立しなくても使用者(雇い主)責任」だが、民法715条1項は被用者(従業員)本人の不法行為成立が前提。
  • イ × 誤り。選択肢は「賠償後も求償できない」だが、民法715条3項が使用者から被用者への求償権行使を妨げないと定める。
  • ウ ○ 正しい。専有部分内設備の漏水は居住する区分所有者が責任を負うが、施工会社の責任なら民法717条3項で求償できる。
  • エ ○ 正しい。民法716条は注文者は注文・指図に過失がない限り原則免責と定める。※『過失がない限り』は民法716条ただし書の裏返しで、正しい(原則免責・例外は注文者に過失があるとき)。
  • 条文: 民法715条1項「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき…は、この限りでない」
  • 条文: 民法715条3項「前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない」
  • 条文: 民法717条3項「前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる」
  • 条文: 民法716条「注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(使用者責任の前提要件・求償の可否を逆にする)。
  • まとめ: 適切なのはウ・エの二つ。民法715条は被用者に民法709条が成立して初めて使用者責任、民法716条は注文者原則免責。
過去問 / 過去問/平成27年度 問39 / Q67

次の記述のうち、判例によれば、正しいものの組合せはどれか。 ア 甲マンションにおいて、これまでにペットの飼育に関する規約がなかった場合に、盲導犬等を除いて犬や猫などのペットの飼育を禁止する旨の規約を設定することは、その飼育による実害の発生又はその発生の蓋然性がないときでも許される。 イ 乙マンションの区分所有者が、業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷等することによって管理組合の業務の遂行や運営に支障を生じさせた場合には、区分所有法に定める「区分所有者の共同の利益に反する行為」に該当する余地がある。 ウ 丙マンションの建物内の倉庫部分について、構造上及び利用上の独立性があっても、当該倉庫部分の一部に他の区分所有者のための共用設備が設置されている場合には、当該倉庫部分が専有部分となる余地はない。 エ 丁建物について、区分所有建物である旨の登記が可能であるにもかかわらず、区分所有建物ではない1棟の建物としての登記がなされた場合には、丁建物は「区分所有建物ではない建物」とみなされるので、その後、これにつき区分所有建物である旨の登記をすることはできない。

正解: 1. ア・イ

  • ア ○ 正しい。ペット飼育を一律禁止する規約の新設は、実害の発生又は蓋然性がなくても許される(判例)。※『盲導犬等を除いて』は判例が認める合理的な例外で、規約自体は実害不要で有効。
  • イ ○ 正しい。役員へのひぼう中傷等で組合運営に支障を生じさせる行為は共同の利益に反する行為に該当する余地がある。
  • ウ × 誤り。選択肢は「共用設備が僅かでもあれば専有部分となる余地はない」だが、実際は余地はある。
  • エ × 誤り。選択肢は「区分所有建物である旨の登記が事後にできない」だが、実際はそのようなみなし規定はない。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(僅かな共用設備で専有部分性を一律否定する)。
  • まとめ: 正しいのはア・イ。ペット禁止規約は実害不要、役員中傷も共同利益違反になり得る。
過去問 / 過去問/令和5年度 問37 / Q62

管理規約違反行為、使用細則違反行為又は義務違反行為に関する次の記述のうち、区分所有法及び標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。ア管理規約上ペットの飼育が禁止されているマンションにおいて、住戸の賃借人がペットを飼育している場合、理事長は、理事会の決議を経て、賃貸人である区分所有者に対して警告をすることはできるが、当該賃借人に対して警告をすることはできない。イ区分所有者が、専有部分の使用細則に違反して、常習的に深夜に大音量でピアノの演奏をしていることから、当該行為の差止めを求めて訴訟を提起する場合には、総会の決議を経る必要がある。ウ区分所有者が共用部分の破壊行為を繰り返すなどして他の区分所有者の共同の利益に反する行為を行い、他の区分所有者の共同生活上の障害が著しいことから、訴えをもって当該区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求する旨の集会の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。エ区分所有者に対し、管理規約違反行為の差止めを求める訴訟を提起する場合は、理事長は当該区分所有者に対して違約金としての弁護士費用を請求することができる。

正解: 2. 二つ

  • ア × 不適切。選択肢は「賃借人には警告できない」だが、実際は理事会決議を経て賃借人本人にも直接警告できる。
  • イ × 不適切。選択肢は「差止め訴訟に総会決議が必要」だが、実際は規約67条3項で理事会決議で足りる。
  • ウ ○ 適切。専有部分の使用禁止請求(区分所有法58条)の決議には、あらかじめ当該区分所有者に弁明の機会を与えなければならない。
  • エ ○ 適切。規約違反行為の差止め訴訟提起にあたり、理事長は違約金としての弁護士費用を請求できる(規約67条4項)。
  • 条文: 標準管理規約67条3項「区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき…理事長は、理事会の決議を経て…管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」
  • 条文: 区分所有法58条3項「第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」
  • 条文: 標準管理規約67条4項「前項の訴えを提起する場合、理事長は、請求の相手方に対し、違約金としての弁護士費用及び差止め等の諸費用を請求することができる」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(差止め訴訟の決議要件・警告の相手をすり替える)。
  • まとめ: 不適切なのはア・イの二つ。占有者にも直接警告でき、差止めは理事会決議で足りる。
自作 / Q45

管理不全専有部分管理人の権限について、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 管理人は、集会において議決権を行使することができない。

  • ① × 誤り。選択肢は「管理人は集会で議決権を行使できる」だが、実際は区分所有法46条の9第2項で行使できない。
  • ② ○ 正しい。区分所有法46条の9第2項は管理不全専有部分管理人が集会で議決権を行使することができないと定める。
  • ③ × 誤り。選択肢は「処分を同意なく自由に行える」だが、実際は同条4項で処分の許可に区分所有者の同意が必要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「保存行為でも常に裁判所の許可が必要」だが、実際は保存行為等は許可不要(同条3項)。
  • 条文: 区分所有法46条の9第2項「前項の規定にかかわらず、管理不全専有部分管理人は、集会において議決権を行使することができない」
  • 条文: 区分所有法46条の9第3項「管理不全専有部分管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない」
  • 条文: 区分所有法46条の9第4項「管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の処分についての前項の許可をするには、その区分所有者の同意がなければならない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(許可が必要な行為の範囲を保存行為にまで広げる)。
  • まとめ: 管理不全専有部分管理人は議決権行使不可、処分には区分所有者の同意が必要。
過去問 / 過去問/令和5年度 問28 / Q61

専有部分の占有者等に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 総会の議題が専有部分でのペットの飼育を禁止にする件であったため、同居しているペットの飼い主である甥を代理人として議決権を行使させた。

  • ① ○ 正しい。同居しているペットの飼い主である甥を代理人とする議決権行使は、規約46条5項二号の同居親族に該当する。
  • ② × 誤り。選択肢は「家賃に管理費等を含める賃借人は利害関係人として閲覧できない」だが、実際は閲覧請求できる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「賃借人は賃貸人の承諾なく立入り請求を拒める」だが、実際は正当な理由なく拒否できない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「誓約書は区分所有者が提出」だが、実際は誓約書を提出するのは賃借人本人。
  • 条文: 標準管理規約46条5項二号「その組合員の住戸に同居する親族」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(誓約書の提出者を区分所有者↔賃借人ですり替える)。
  • まとめ: 正しいのは①。同居親族の代理出席は認められ、賃借人の閲覧・立入り拒否・誓約書提出義務は規約どおり整理する。
過去問 / 過去問/平成30年度 問35 / Q66

マンションにおける平穏な居住環境の維持を目的として、暴力団員への専有部分の貸与を禁止する場合等における次の記述のうち、区分所有法の規定、標準管理規約及び判例によれば、最も不適切なものはどれか。

正解: 2. 組合員が、その専有部分を賃貸する場合、契約の相手方が暴力団員であることが判明したときには、管理組合は、相当の期間を定めた催告後、区分所有者に代理して解約権を行使することができることを、当該賃貸借契約に定めなければならない。

  • ① ○ 適切。規約19条の2第1項一号の定めと整合する内容である。
  • ② × 不適切(=正解)。選択肢は「相当の期間を定めた催告後でなければ解約できない」だが、実際は催告不要で解約できる。
  • ③ ○ 適切。区分所有法60条1項・2項(契約解除及び引渡し請求、占有者への弁明の機会)の定めと整合する内容である。
  • ④ ○ 適切。規約36条の2第三号の定めと整合する内容である。※『5年を経過しない』は規約36条の2三号の欠格期間どおりで、正しい。
  • 条文: 標準管理規約19条の2第1項一号「契約の相手方が暴力団員…ではないこと及び契約後において暴力団員にならないことを確約すること」
  • 条文: 区分所有法60条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる」
  • 条文: 区分所有法60条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 条文: 標準管理規約36条の2三号「暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)」
  • 引っかけ: 期限の前後(催告の要否を「不要」から「相当期間の催告後」にすり替える)。
  • まとめ: 不適切なのは②。暴力団員判明時の解約は催告不要で直ちにできる。
過去問 / 過去問/令和6年度 問38 / Q59

マンションに関する次の記述のうち、最高裁判所の判決によれば、適切なものはいくつあるか。ア管理人室と管理事務室が一体として利用することが予定され両室を機能的に分離することができない場合には、管理人室には構造上の独立性があるとしても利用上の独立性はないというべきであるから、管理人室は、区分所有権の目的とはならない。イ各住戸(専有部分)からの専用排水管(枝管)は、その構造や設置場所いかんにかかわらず、専有部分に属しない建物の附属物であるから、同排水管に起因する水漏れ事故による損害の賠償は、管理組合がその責任を負う。ウ管理組合法人の規約において、理事に事故があり、理事会に出席できないときは、その配偶者又は一親等内の親族に限り、これを代理出席させることができる旨を定めることは認められず、当該規約は無効である。エ管理者が共用部分の管理を行い、特定の区分所有者に当該共用部分を使用させることができる旨の規約の定めがある場合においても、各区分所有者は、当該特定の区分所有者に対し、共用部分の自己の持分割合相当額につき不当利得返還請求権を行使することができる。

正解: 1. 一つ

  • ア ○ 正しい。管理人室が管理事務室と機能的に分離できない場合、利用上の独立性を欠き区分所有権の目的とならない。
  • イ × 誤り。選択肢は「枝管はいかんにかかわらず共用部分」だが、実際は構造及び設置場所に照らし個別に判断する。
  • ウ × 誤り。選択肢は「配偶者・一親等親族限定の代理出席規定は無効」だが、実際はこの規約は有効とされる。
  • エ × 誤り。選択肢は「各区分所有者が個別に不当利得返還請求できる」だが、規約の定めがあればこの請求はできない。
  • 引っかけ: 条文の混同(枝管の帰属を「一律共用」と決めつける/規約の有効性を逆にする)。
  • まとめ: 適切なのはアのみ一つ。枝管は構造・設置場所で個別判断が第7話の核心。
過去問 / 過去問/令和4年度 問39 / Q68

次の記述のうち、判例によれば、適切なものはいくつあるか。ア区分所有者の団体のみが共用部分から生ずる利益を収取する旨を集会で決議し、又は規約で定めた場合には、各区分所有者は、その持分割合に相当する利益についての返還を請求することはできない。イ区分所有者の集会で複数の理事を選任し、理事長は理事会で理事の互選で選任する旨を規約で定めた場合には、理事の職は維持しつつ、理事長の職を解くことについて、理事会の決議で決することができる。ウ建物の建築に携わる設計者、施工者及び工事監理者は、建物の建築に当たり、契約関係にない居住者を含む建物利用者、隣人、通行人等に対する関係でも、当該建物の建物としての基本的な安全性が欠けることのないように配慮すべき注意義務を負う。エ管理組合の業務を分担することが一般的に困難な不在組合員に対し一定の金銭負担を求めることは、規約の変更に必要性及び合理性があり、不在組合員の受ける不利益の程度を比較衡量して一定の金銭負担に相当性のある場合には、受忍限度を超えるとまではいうことはできない。

正解: 4. 四つ

  • ア ○ 正しい。区分所有者団体のみが共用部分の収益を収取する旨を定めた場合、各区分所有者は持分割合の返還を請求できない。※『団体のみが収取』を規約・決議で定めた場合の話で、その場合は個別の返還請求ができないのが正しい。
  • イ ○ 正しい。理事の互選で理事長を選任する規約のもとでは、理事長の職のみを理事会決議で解くことができる(判例)。
  • ウ ○ 正しい。設計者・施工者等は契約関係にない居住者等に対しても建物の基本的安全性への配慮義務を負う(判例)。
  • エ ○ 正しい。不在組合員への金銭負担は、必要性・合理性と不利益の比較衡量で相当性があれば受忍限度を超えない。
  • 引っかけ: 引っかけ無し(すべて正しいと判断させる素直な知識問題)。
  • まとめ: ア〜エすべて正しく、適切なのは四つ。エは受忍限度の比較衡量の物差しそのもの。
過去問 / 過去問/平成28年度 問37 / Q63

管理者でない区分所有者Aが、単独で行使できる裁判上の請求に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、請求が認められないものの組み合わせはどれか。ただし、規約又は集会の決議による請求権者や請求方法についての定めはないものとする。 ア 区分所有者Bが、自らが所有する住戸の共用廊下側の窓を改造して出入口を作っていたところ、管理者が黙認し、放置状態にあるので、共用部分の共有持分権に基づく保存行為として、同改造部分の原状回復を請求すること イ マンション管理業者がずさんな管理を続けているところ、管理者が黙認し、放置状態にあるので、管理委託契約の準共有持分権に基づく保存行為として、当該管理業者との契約の解除を請求すること ウ 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるので、管理者の解任を請求すること エ 区分所有者Cが、自ら専有部分を暴力団事務所として利用し、他の方法によってはその障害を除去することが困難であるため、当該専有部分の競売を請求すること

正解: 3. イ・エ

  • ア ○ 認められる。共用部分の共有持分権に基づく保存行為は各区分所有者が単独でできる。
  • イ × 認められない。選択肢は「単独で契約解除請求できる」だが、実際は管理委託契約の解除には集会の決議が必要。
  • ウ ○ 認められる。管理者に不正行為等の事情があるときの解任請求は各区分所有者が単独でできる(区分所有法25条2項)。
  • エ × 認められない。選択肢は「専有部分の競売請求ができる」だが、実際は区分所有法59条1項の競売請求は集会の決議に基づく必要がある。
  • 条文: 区分所有法25条2項「管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる」
  • 条文: 区分所有法59条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(単独でできる保存行為の範囲を、決議が必要な行為にまで広げる)。
  • まとめ: 請求が認められないのはイ・エ。保存行為は単独でよいが、契約解除・競売請求は決議が必要。
自作 / Q42

区分所有者の所在を知ることができない専有部分について、裁判所が管理人による管理を命ずる処分をする制度として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 区分所有法46条の2(所有者不明専有部分管理命令)

  • ① ○ 正しい。区分所有法46条の2は区分所有者の所在を知ることができない専有部分について管理人選任の処分ができると定める。
  • ② × 誤り。選択肢は「区分所有法46条の8」だが、実際は所在不明の場面は区分所有法46条の2で、区分所有法46条の8は管理不全の場面の規定。
  • ③ × 誤り。選択肢は「区分所有法46条の13」だが、これは共用部分の管理不全に関する規定で本問とは別の場面。
  • ④ × 誤り。選択肢は「民法264条の8がそのまま適用される」だが、実際は区分所有法6条4項により適用されない。
  • 条文: 区分所有法46条の2「裁判所は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分…について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により…所有者不明専有部分管理人…による管理を命ずる処分…をすることができる」
  • 条文: 区分所有法46条の8「裁判所は、区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において…利害関係人の請求により…管理不全専有部分管理人による管理を命ずる処分…をすることができる」
  • 条文: 区分所有法46条の13「裁判所は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において…利害関係人の請求により…管理不全共用部分管理人による管理を命ずる処分…をすることができる」
  • 条文: 区分所有法6条4項「民法…第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四の規定は、専有部分及び共用部分には適用しない」
  • 引っかけ: 条文の混同(所在不明=区分所有法46条の2と管理不全=区分所有法46条の8・区分所有法46条の13を取り違える)。
  • まとめ: 所有者の所在不明を理由とする管理人選任は区分所有法46条の2。
過去問 / 過去問/令和3年度 問8 / Q60

次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。

正解: 2. 管理組合は、マンション管理業者が火災の発生により、緊急に行う必要がある業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用であれば、その発生原因が当該マンション管理業者の責めによるものであったとしても、当該マンション管理業者に対して、その費用を速やかに支払わなければならない。

  • ① ○ 正しい。委託契約書9条1項の緊急時業務(自然災害・事故等)の記述と整合する内容。※『速やかに』は委託契約書9条1項本文の通知義務の文言どおりで、正しい。
  • ② × 誤り(=正解)。実際は委託契約書9条2項ただし書「乙(管理業者)の責めによる事故等の場合はこの限りでない」との除外がある。
  • ③ ○ 正しい。委託契約書14条3項の緊急立入り後の事後報告の定めと整合する内容。※『事後速やかに』は委託契約書14条3項の文言どおりで、正しい。
  • ④ ○ 正しい。委託契約書19条の免責(業者の責めによらない場合に限る)の定めと整合する内容。※『責めによらない場合に限る』は委託契約書19条の文言どおりで、正しい。
  • 条文: 標準管理委託契約書9条1項一号「地震、台風、突風、集中豪雨、落雷、雪、噴火、ひょう、あられ等」
  • 条文: 標準管理委託契約書9条2項「甲は、乙が前項の業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、乙に支払わなければならない。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限りでない」
  • 条文: 標準管理委託契約書14条3項「乙は、第9条第1項各号に掲げる災害又は事故等の事由により…緊急に行う必要がある場合、専有部分等に立ち入ることができる。この場合において…事後速やかに、報告をしなければならない」
  • 条文: 標準管理委託契約書19条「乙は、甲又は組合員等が、第9条第1項各号に掲げる災害又は事故等(乙の責めによらない場合に限る。)による損害…を受けたときは、その損害を賠償する責任を負わないものとする」
  • 引っかけ: 条文の混同(ただし書の除外要件を見落とす)。
  • まとめ: 誤り(不適切)は②。委託契約書9条2項は「乙の責めによる場合」を除外する。
自作 / Q55

ペット飼育禁止の規約に違反する住人がいる場合において、ペットを飼育しているのが区分所有者本人ではなく賃借人であった場合、理事長は賃借人本人に直接、注意・勧告をすることができない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「賃借人本人には直接注意・勧告できない」だが、実際は規約67条1項の相手に賃借人も含まれる。
  • ② 賃貸人への通知だけでは足りず、実際に居住し行為をしている賃借人本人への直接の措置が実務上必要になる。
  • 条文: 標準管理規約67条1項「法令、規約又は使用細則等に違反したとき…理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し…勧告又は指示若しくは警告を行うことができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(措置の相手を区分所有者のみに限定し賃借人を除外する)。
  • まとめ: 理事長は賃借人本人にも直接、注意・勧告ができる。
自作 / Q14

標準管理規約24条は、区分所有者が、共用部分等について管理組合が損害保険契約を締結することを承認する旨を定めている。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。規約24条は共用部分等について管理組合が損害保険契約を締結することを区分所有者が承認する旨を定める。
  • ② 専有部分の個人賠償責任保険への加入までは規約24条は義務付けておらず、共用部分等に関する承認規定である。
  • 条文: 標準管理規約24条「区分所有者は、共用部分等に関し、管理組合が火災保険、地震保険その他の損害保険の契約を締結することを承認する」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(規約24条の内容を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 規約24条=共用部分等の損害保険契約締結を区分所有者が承認する規定。
過去問 / 過去問/令和5年度 問38 / Q69

マンションの分譲業者が、区分所有者に対して、建物の専有部分の区分所有権、共用部分の共有持分及び敷地の共有持分を分譲したが、一部の区分所有者に対しては、それらとともに敷地の駐車場の専用使用権を分譲した。この場合において専用使用権及び専用使用料に関する次の記述のうち、最高裁判所の判決によれば、適切なものの組合せはどれか。ア駐車場の専用使用権は、区分所有者全員の共有に属するマンション敷地の使用に関する事項ではなく、専用使用権を有する区分所有者のみに関する事項であるから、区分所有者全員の規約及び集会決議による団体的規制に服すべき事項ではない。イ規約の設定、変更等をもって、一部の区分所有者の権利を変更するときには、その承諾を得なければならないから、当該駐車場の専用使用権者の承諾を得ないで当該駐車場の使用料を増額することはできない。ウ規約の設定、変更等をもって、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときには、その承諾を得なければならないが、ここでの「特別の影響を及ぼすべきとき」とは、一部の区分所有者の受ける不利益がその区分所有者の受忍限度を超えると認められる場合をいう。エ規約の設定、変更等をもって、増額された駐車場の使用料が、増額の必要性及び合理性が認められ、かつ、当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合には、専用使用権者は、当該駐車場の使用料の増額を受忍すべきである。

正解: 4. ウ・エ

  • ア × 誤り。選択肢は「専用使用権は団体的規制に服さない」だが、実際は敷地の使用に関する事項として団体的規制に服する。
  • イ × 誤り。選択肢は「専用使用権者の承諾なしに使用料を増額できない」だが、承諾が要るのは特別の影響を及ぼすときに限る。
  • ウ ○ 正しい。「特別の影響を及ぼすべきとき」とは、必要性・合理性と不利益を比較衡量し受忍限度を超える場合をいう。
  • エ ○ 正しい。増額に必要性・合理性があり社会通念上相当な額であれば、専用使用権者はその増額を受忍すべきである。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(承諾の要否を「常に必要」と決めつける)。
  • まとめ: 正しいのはウ・エ。受忍限度=特別の影響の物差しは比較衡量で判断する。
過去問 / 過去問/平成28年度 問39 / Q64

以下のア〜ウの記述は、最高裁判所の判決又は決定の一部に若干の修正をしたものであるが、( a )〜( c )に入る用語の組み合わせとして、正しいものはどれか。 ア 区分所有法第59条第1項の競売の請求は、特定の区分所有者が、( a )に反する行為をし、又はその行為をするおそれがあることを原因として認められるものである。 イ 区分所有法第31条第1項の「( b )を及ぼすべきとき」とは、規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいうものと解される。 ウ 本件専有部分にある排水管は、その構造及び設置場所に照らし、専有部分に属しない( c )に当たり、かつ、区分所有者全員の共用部分に当たると解するのが相当である。

正解: 2. 区分所有者の共同の利益/特別の影響/建物の附属物

  • ① × 誤り。選択肢は「規約遵守義務/特別の影響/専用使用部分」だが、aは共同の利益、cは建物の附属物が正しい。
  • ② ○ 正しい。a=区分所有者の共同の利益(区分所有法59条1項)、b=特別の影響(区分所有法31条1項後段)、c=建物の附属物(枝管の判例)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「共同の利益/顕著な被害/専用使用部分」だが、bは特別の影響、cは建物の附属物が正しい。
  • ④ × 誤り。選択肢は「規約遵守義務/顕著な被害/建物の附属物」だが、aは共同の利益、bは特別の影響が正しい。
  • 条文: 区分所有法59条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる」
  • 条文: 区分所有法31条1項「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」
  • 引っかけ: 条文の混同(受忍限度の基準を「顕著な被害」、枝管の帰属を「専用使用部分」と混同する)。
  • まとめ: 正しい組み合わせは②。a=共同の利益、b=特別の影響、c=建物の附属物。
自作 / Q7

502号室の天井から漏水があったが、現地調査でも602号室内・共用縦管のいずれが原因か特定できなかった。この場合の取り扱いとして最も適切なものはどれか。

正解: 2. 区分所有法9条により、その瑕疵は共用部分の設置又は保存にあるものと推定される。

  • ① × 誤り。選択肢は「原因不明ならいずれも責任を負わない」だが、実際は区分所有法9条で共用部分の瑕疵と推定される。
  • ② ○ 正しい。区分所有法9条は原因不明のとき瑕疵を共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「専有部分の瑕疵と推定」だが、実際は区分所有法9条が推定するのは共用部分の瑕疵であり逆にすり替えている。
  • ④ × 誤り。選択肢は「理事会は何もしなくてよい」だが、実際は共用部分の瑕疵と推定される以上、組合側が調査・保険対応を進める必要がある。
  • 条文: 区分所有法9条「建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(推定の対象を共用部分↔専有部分で逆にする)。
  • まとめ: 原因不明のときは区分所有法9条により共用部分の瑕疵と推定される。
自作 / Q11

602号室を賃借している賃借人の不注意(浴槽の水を出しっぱなしにした等)により漏水し、下階に損害が生じた。責任について最も適切なものはどれか。

正解: 2. 賃借人が民法709条に基づき損害賠償責任を負いうる。

  • ① × 誤り。選択肢は「賃借人には不法行為責任は生じず賃貸人のみ」だが、実際は原因を作った賃借人自身が民法709条責任を負いうる。
  • ② ○ 正しい。漏水の直接の原因を作った賃借人が民法709条に基づき損害賠償責任を負いうる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「管理組合が第一次的に責任」だが、実際は専有部分内が原因のため管理組合は当事者ではない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「賃借人には責任能力がなく常に免責」だが、実際は賃借人にも責任能力があり免責されない。
  • 条文: 民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(原因を作った占有者から賃貸人・管理組合へ責任主体をすり替え)。
  • まとめ: 原因を作った賃借人本人が民法709条の責任を負いうる。
自作 / Q18

賃借人(占有者)が共同の利益に反する行為をした場合には、区分所有法57条から60条までの措置の対象にはならない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「占有者は57〜区分所有法60条の対象にならない」だが、実際は区分所有法6条3項の準用で対象になる。
  • ② 区分所有法57条4項・区分所有法60条等は占有者を相手方とする措置を専用に定めており、占有者を対象から外す理由はない。
  • 条文: 区分所有法57条4項「前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する」
  • 条文: 区分所有法60条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(措置の対象を区分所有者のみに限定する)。
  • まとめ: 占有者も区分所有法57条4項・区分所有法60条等の措置の対象になる。
過去問 / 過去問/平成28年度 問38 / Q65

次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

正解: 4. 区分所有法第60条に基づく、占有者に対する引渡し請求をする場合には、当該占有者が占有する専有部分の貸主である区分所有者と借主である占有者の双方に、あらかじめ集会で弁明する機会を与えなければならない。

  • ① ○ 正しい。区分所有法44条1項の定めと整合する内容である。※『同居の親族は含まれない』は区分所有法44条1項の『占有者』にあたらないためで、正しい。
  • ② ○ 正しい。区分所有法44条2項の定めと整合する内容である。※『遅滞なく』は区分所有法44条2項の文言どおりで、正しい。
  • ③ ○ 正しい。区分所有法57条4項が占有者を相手とする場合にも準用される定めと整合する内容である。
  • ④ × 誤り(=正解)。選択肢は「弁明の機会を区分所有者にも与える」だが、実際は区分所有法60条の弁明の相手は占有者のみ。
  • 条文: 区分所有法44条1項「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる」
  • 条文: 区分所有法44条2項「集会を招集する者は…招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない」
  • 条文: 区分所有法57条4項「前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(弁明の相手を占有者↔区分所有者ですり替える)。
  • まとめ: 誤りは④。区分所有法60条の弁明の相手は占有者のみで、区分所有者(貸主)には不要。
自作 / Q37

実務上、迷惑行為への対応で記録(日時・内容・写真・申出人)を残すことが重要とされる理由として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 記録がなければ理事会・総会が事実に基づいて判断・決議できないため。

  • ① ○ 正しい。57〜区分所有法60条の措置はいずれも集会の決議を要し、決議には事実の裏付けが必要である。
  • ② × 誤り。選択肢は「記録は単なる慣行で重要でない」だが、実際は決議の事実的裏付けとして不可欠。
  • ③ × 誤り。選択肢は「管理会社の免責のためだけ」だが、実際は理事会・総会の意思決定のための証拠として重要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「記録があれば決議を経ずに実行できる」だが、実際は記録があっても決議は省略できない。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(記録の役割を決議省略の根拠にすり替える)。
  • まとめ: 記録は決議の事実的裏付け。記録があっても決議自体は省略できない。
自作 / Q51

標準管理委託契約書12条1項の「有害行為の中止要求」の内容として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 管理業者は、組合に代わって、法令・規約・使用細則・総会決議等に違反する行為等の中止を求めることができる。

  • ① ○ 正しい。委託契約書12条1項は組合に代わって違反行為等の中止を求めることができると定める。
  • ② × 誤り。選択肢は「管理業者は中止を求められず常に理事長が直接行う」だが、実際は管理業者が組合に代わり要求できる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「書面によることが法律上義務付けられている」だが、実際はそこまでの方式義務はない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「組合への報告義務はない」だが、実際は委託契約書12条2項で速やかな報告義務がある。
  • 条文: 標準管理委託契約書12条1項「乙は、管理事務を行うため必要なときは、甲の組合員及びその所有する専有部分の占有者…に対し、甲に代わって…行為の中止を求めることができる」
  • 条文: 標準管理委託契約書12条2項「前項の規定に基づき、乙が組合員等に行為の中止を求めた場合は、速やかに、その旨を甲に報告することとする」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(管理業者の中止要求の権限を否定する)。
  • まとめ: 管理業者は組合に代わり中止要求ができ、結果を組合へ報告する義務がある。
自作 / Q53

602号室内の洗濯機ホースが外れて起きた漏水で502号室が被害を受け、602号室の区分所有者が損害を賠償した後、漏水の原因がホースの製造上の欠陥(施工会社の責任)にあったことが判明した場合、次のうち最も適切なものはどれか。

正解: 2. 602号室の区分所有者は民法717条3項により施工会社に対して求償権を行使できる。

  • ① × 誤り。選択肢は「602号室の区分所有者は施工会社に求償できない」だが、実際は求償権の行使が妨げられない。
  • ② ○ 正しい。民法717条3項は損害の原因について責任を負う者があるとき求償権の行使を妨げないと定める。
  • ③ × 誤り。選択肢は「求償は管理組合を通じてしかできない」だが、実際は本人が自ら求償できる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「求償には総会の決議が必要」だが、実際は個人の求償権行使で決議は不要。
  • 条文: 民法717条3項「前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(求償の主体・手続を管理組合・総会にすり替える)。
  • まとめ: 賠償した602号室の区分所有者は民法717条3項により施工会社へ求償できる。
自作 / Q1

602号室の洗濯機の給水ホースが外れて漏水し、下の502号室の天井・壁紙が損傷した。この場合の損害賠償責任について、次のうち最も適切なものはどれか。

正解: 2. 602号室の区分所有者が民法709条に基づき損害賠償責任を負う。

  • ① × 誤り。選択肢は「管理組合が施設賠償責任保険で対応」だが、実際は専有部分原因なら602号室の区分所有者が責任を負う。
  • ② ○ 正しい。洗濯機ホースは専有部分内設備で、管理を怠った602号室の区分所有者が民法709条で責任を負う。
  • ③ × 誤り。選択肢は「502号室が自己負担で修理」だが、実際は原因を作った602号室の区分所有者が賠償する。
  • ④ × 誤り。選択肢は「管理会社が賠償」だが、実際は管理会社は契約の当事者でなく賠償義務を負わない。
  • 条文: 民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(責任主体を管理組合・502号室・管理会社にすり替え)。
  • まとめ: 専有部分内設備が原因の漏水は、その専有部分の区分所有者が民法709条で責任を負う。
自作 / Q2

専有部分内の給湯器の設置・保存に瑕疵があり漏水が生じ、階下に損害が生じた。この専有部分に居住する区分所有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたときは、一切の責任を負わない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「必要な注意をすれば占有者は一切責任を負わない」だが、民法717条但書で占有者は免責されても所有者が無過失責任を負う。
  • ② 占有者と所有者が同一人(区分所有者本人)であることが多く、結局その区分所有者が責任を免れないことが多い。
  • 条文: 民法717条1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は…損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が…必要な注意をしたときは、所有者が…賠償しなければならない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(占有者の免責だけを見て所有者の無過失責任を見落とす)。
  • まとめ: 民法717条は占有者→所有者の二段構え。「一切責任なし」は言い過ぎ。
自作 / Q3

浴室のシャワーホースの劣化による漏水は、専有部分内の設備が原因なので、管理組合のマンション総合保険(共用部分)ではなく、当該区分所有者の個人賠償責任保険で対応するのが実務の型である。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。専有部分内設備(シャワーホース)原因の漏水は当該区分所有者が責任を負い、個人賠償責任保険で対応するのが実務の型。
  • ② 共用部分(縦管等)が原因なら管理組合のマンション総合保険・施設賠償責任特約で対応する(規約24条)。
  • 条文: 標準管理規約24条「区分所有者は、共用部分等に関し、管理組合が火災保険、地震保険その他の損害保険の契約を締結することを承認する」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(専有と共用の保険の使い分けを問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 専有部分原因=個人賠償責任保険、共用部分原因=組合の保険。
自作 / Q4

パイプスペース内を縦に通る共用の排水本管が破損して漏水し、複数戸に被害が生じた。この場合の損害賠償責任について、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 共用部分の所有者である区分所有者全員(=管理組合)が責任を負いうる。

  • ① × 誤り。選択肢は「直下の区分所有者が単独責任」だが、実際は共用部分の瑕疵は区分所有者全員(管理組合)が責任主体。
  • ② ○ 正しい。共用の縦管は共用部分であり、民法717条によりまず占有者、次に所有者(区分所有者全員)が無過失責任を負う。
  • ③ × 誤り。選択肢は「施工業者のみが常に責任」だが、実際は施工不良が判明すれば民法717条3項で求償できるにとどまる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「管理会社が責任を負う」だが、実際は管理会社は受託者であり賠償の当事者ではない。
  • 条文: 民法717条1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は…損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が…必要な注意をしたときは、所有者が…賠償しなければならない」
  • 条文: 民法717条3項「前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(責任主体を直下住戸・施工業者・管理会社にすり替え)。
  • まとめ: 共用の縦管が原因の漏水は、区分所有者全員(管理組合)が民法717条の無過失責任を負う。
自作 / Q5

共用の縦管の破損による漏水事故で、管理組合が施設賠償責任特約に基づき保険金を請求する場合、次のうち適切なものはどれか。

正解: 2. 理事長が区分所有者及び旧区分所有者を代理して保険金を請求・受領する。

  • ① × 誤り。選択肢は「各区分所有者が個別に請求」だが、実際は規約24条の2第1項で理事長が代理して請求・受領する。
  • ② ○ 正しい。規約24条の2第1項のとおり、共用部分等の保険金請求・受領は理事長が代理して行う。
  • ③ × 誤り。選択肢は「管理会社が代理人として請求」だが、実際は代理人は理事長であり管理会社ではない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「保険金請求に総会の普通決議が必要」だが、実際は決議が要るのは同条2項の訴訟等の場合のみ。
  • 条文: 標準管理規約24条の2第1項「理事長は、前条の契約に基づく保険金並びに敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金…の請求及び受領について、区分所有者及び区分所有者であった者…を代理する」
  • 条文: 標準管理規約24条の2第2項「理事長は、理事会の決議を経て、保険金等の請求及び受領に関し、区分所有者及び旧区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること…ができる」
  • 引っかけ: 条文の混同(保険金請求と訴訟等の決議要件を混同する)。
  • まとめ: 保険金の請求・受領は理事長が代理。決議が要るのは訴訟等の場面のみ。
自作 / Q6

共用の縦管からの漏水で被害を受けた区分所有者は、原因が共用部分にあると判明した場合、専用使用権者ではなく管理組合に対して損害賠償を請求すべきである。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。共用部分の瑕疵による損害は、共用部分の所有者である区分所有者全員(実質的に管理組合)が責任主体。
  • ② 専用使用権はあくまで使用の権利であり、共用部分自体の責任を専用使用権者に転嫁するものではない。
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(責任主体を専用使用権者にすり替える)。
  • まとめ: 共用部分原因の損害賠償請求先は管理組合であり、専用使用権者ではない。
自作 / Q8

区分所有法9条の推定規定は、共用部分に原因があることが後に判明した場合には反証によって覆すことができない絶対的なものである。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「反証で覆せない絶対的なもの」だが、実際は区分所有法9条は「推定する」規定で反証によって覆せる。
  • ② 「みなす」規定なら反証を許さないが、区分所有法9条は「推定する」であり性質が異なる。
  • 条文: 区分所有法9条「建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する」
  • 引っかけ: 条文の混同(「推定する」と「みなす」の効果を混同する)。
  • まとめ: 区分所有法9条の推定は反証可能。「絶対的」というのは言い過ぎ。
自作 / Q9

民法717条の工作物責任の構造について、次のうち最も適切なものはどれか。

正解: 2. 占有者が必要な注意をしていたときは占有者は免責され、所有者が過失の有無を問わず責任を負う。

  • ① × 誤り。選択肢は「占有者は注意しても常に免れない」だが、民法717条但書で占有者は必要な注意で免責される。
  • ② ○ 正しい。民法717条1項はまず占有者が責任を負うが、必要な注意で免責され、所有者が過失を問わず責任を負う。※『必要な注意で免責され』は民法717条1項ただし書の要件どおりで、正しい。
  • ③ × 誤り。選択肢は「所有者は無過失を証明すれば常に免責」だが、実際は所有者に免責事由はなく無過失責任を負う。
  • ④ × 誤り。選択肢は「占有者・所有者いずれも過失証明で免責」だが、実際は所有者側にそのような免責事由がない。
  • 条文: 民法717条1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は…損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が…必要な注意をしたときは、所有者が…賠償しなければならない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(占有者の免責事由を所有者にまで広げる)。
  • まとめ: 民法717条は占有者→所有者の二段構え。所有者は無過失責任で免責されない。
自作 / Q10

工作物の占有者は、必要な注意をしていたことを証明できれば免責されるが、所有者は同様の証明をしても免責されない。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。民法717条但書は占有者について免責事由を定めるが、所有者にはこの免責事由がなく無過失責任を負う。
  • ② 所有者にも同じ免責事由があるとすれば、無過失責任という被害者救済の趣旨が失われる点で誤り。
  • 条文: 民法717条1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は…損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が…必要な注意をしたときは、所有者が…賠償しなければならない」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(民法717条の基本構造を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 占有者は過失なければ免責、所有者は無過失責任で免責されない。
自作 / Q12

賃借人の過失による漏水事故について、賃貸人である区分所有者は、賃貸借契約の当事者であることのみを理由に、被害者に対して当然に使用者責任(民法715条)を負う。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「契約当事者であることのみで当然に使用者(雇い主)責任」だが、実際は指揮監督関係が前提。
  • ② 民法715条は「事業のために他人を使用する者」が対象であり、賃貸借だけでは指揮監督関係にあたらない。
  • 条文: 民法715条1項「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき…は、この限りでない」
  • 引っかけ: 条文の混同(賃貸借関係と使用者責任の指揮監督関係を混同する)。
  • まとめ: 使用者責任には指揮監督関係が必要。賃貸人・賃借人の関係だけでは生じない。
自作 / Q13

漏水事故における保険の扱いについて、次のうち最も適切なものはどれか。

正解: 2. 共用部分が原因の漏水は、管理組合が締結する施設賠償責任特約等で対応するのが実務の型である。

  • ① × 誤り。選択肢は「専有部分原因は常に組合のマンション総合保険」だが、実際は個人賠償責任保険で対応するのが型。
  • ② ○ 正しい。共用部分が原因の漏水は組合が締結する施設賠償責任特約等で対応するのが実務の型。
  • ③ × 誤り。選択肢は「保険名称はいずれも区分所有法上の用語」だが、実際は法令用語ではなく根拠は規約24条・24条の2のみ。
  • ④ × 誤り。選択肢は「保険金請求権者は常に被害区分所有者本人」だが、実際は理事長が区分所有者等を代理して請求・受領する。
  • 条文: 標準管理規約24条「区分所有者は、共用部分等に関し、管理組合が火災保険、地震保険その他の損害保険の契約を締結することを承認する」
  • 条文: 標準管理規約24条の2第1項「理事長は、前条の契約に基づく保険金並びに敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金…の請求及び受領について、区分所有者及び区分所有者であった者…を代理する」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(専有原因と共用原因の保険の使い分けを逆にする)。
  • まとめ: 専有原因=個人賠償責任保険、共用原因=組合の施設賠償責任特約が実務の型。
自作 / Q15

区分所有法6条1項が禁止する行為として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 建物の保存に有害な行為のほか、建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為も含まれる。

  • ① × 誤り。選択肢は「保存に有害な行為に限られる」だが、実際は管理・使用に関し共同の利益に反する行為も含む。
  • ② ○ 正しい。区分所有法6条1項は保存に有害な行為その他管理又は使用に関し共同の利益に反する行為を禁止する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「専有部分内の行為は一切含まれない」だが、実際は専有部分内の迷惑行為等も対象になり得る。
  • ④ × 誤り。選択肢は「第三者の行為は一切対象外」だが、実際は区分所有法6条3項により占有者にも準用される。
  • 条文: 区分所有法6条1項「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」
  • 条文: 区分所有法6条3項「第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(禁止対象を保存有害行為だけに狭める)。
  • まとめ: 区分所有法6条1項は保存有害行為+共同の利益に反する行為の両方を禁止する。
自作 / Q16

区分所有法6条1項の「共同の利益に反する行為」に該当するかどうかは、専ら物理的な被害の有無のみによって判断され、精神的・運営上の支障は考慮されない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「物理的被害の有無のみで判断」だが、実際は運営上の支障も該当する余地があるとされる。
  • ② 判例上、役員へのひぼう中傷等で組合運営に支障を生じさせる行為も共同の利益に反する行為に該当し得る。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(該当範囲を物理的被害だけに狭める)。
  • まとめ: 共同の利益に反する行為は物理的被害に限られない(判例)。
自作 / Q17

区分所有法6条3項の内容として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 6条1項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者にも準用される。

  • ① × 誤り。選択肢は「区分所有法6条1項は占有者に準用されない」だが、実際は区分所有法6条3項が占有者にも1項を準用すると定める。
  • ② ○ 正しい。区分所有法6条3項は1項・2項の規定を区分所有者以外の専有部分の占有者について準用すると定める。
  • ③ × 誤り。選択肢は「占有者には禁止規定は一切適用されない」だが、実際は区分所有法6条3項の準用で適用される。
  • ④ × 誤り。選択肢は「占有者に勧告・指示・警告できない」だが、実際は規約67条1項の相手に占有者も含まれる。
  • 条文: 区分所有法6条3項「第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する」
  • 条文: 標準管理規約67条1項「法令、規約又は使用細則等に違反したとき…理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し…勧告又は指示若しくは警告を行うことができる」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(禁止・措置の対象を区分所有者に限定し占有者を除外する)。
  • まとめ: 区分所有法6条3項により占有者にも区分所有法6条1項が準用される。
自作 / Q19

判例上、区分所有法6条1項の「共同の利益に反する行為」に該当する余地があるとされたものとして、最も適切な組み合わせはどれか。

正解: 2. 専有部分を暴力団事務所として使用すること/役員に対するひぼう中傷等により組合の運営に支障を生じさせること

  • ① × 誤り。選択肢は「ペット飼育一律禁止規約」を該当例に挙げるが、実際はこの規約設定自体は受忍すべきものとされる。
  • ② ○ 正しい。暴力団事務所としての使用や役員へのひぼう中傷等は共同の利益に反する行為に該当する余地がある。
  • ③ × 誤り。選択肢は「駐車場使用料の相当な増額」を該当例に挙げるが、実際は相当な範囲の増額は受忍すべきものとされる。
  • ④ × 誤り。選択肢はペット禁止規約・使用料増額の組み合わせだが、いずれも受忍すべき事項で該当例ではない。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(受忍すべき事項を該当例に混ぜる)。
  • まとめ: 該当し得るのは暴力団事務所使用・役員へのひぼう中傷。ペット禁止規約等は受忍すべき事項。
自作 / Q20

常習的に深夜に大音量で騒音を発生させる行為は、区分所有法6条1項の「共同の利益に反する行為」に該当し得る。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。使用細則等に違反する常習的な騒音行為は共同の利益に反する行為に該当し得る(令和5年度問37参照)。
  • ② 一度限りの軽微な騒音では該当しにくいが、常習性・程度により該当性が肯定される。
  • 条文: 区分所有法6条1項「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(騒音の共同利益違反該当性を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 常習的な深夜大音量騒音は区分所有法6条1項の共同の利益に反する行為に該当し得る。
自作 / Q21

ペットの飼育を一律に禁止する規約を新たに設定することは、実害の発生やその発生の蓋然性がなければ認められない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「実害の発生や蓋然性がなければ認められない」だが、実際は実害・蓋然性がなくても許される(判例)。
  • ② 規約設定の許容性は実害の有無ではなく、必要性・合理性と不利益との比較衡量で判断される。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(規約設定の要件に「実害」を持ち込む)。
  • まとめ: ペット禁止規約の設定は実害・蓋然性がなくても許される(平成27年度問39参照)。
自作 / Q22

マンションの騒音問題における「受忍限度」の考え方について、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 必要性及び合理性と、これによって受ける不利益とを比較衡量し、社会通念上受忍すべき限度を超えるかで判断する。

  • ① × 誤り。選択肢は「一定デシベル超で自動的に受忍限度超え」だが、実際は数値基準はなく比較衡量で判断する。
  • ② ○ 正しい。必要性・合理性と受ける不利益とを比較衡量し、社会通念上受忍すべき限度を超えるかで判断する。
  • ③ × 誤り。選択肢は「民法に明文の数値基準がある」だが、実際は明文の数値基準はない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「使用細則に必ず数値で定める」だが、実際はそのような義務付けはない。
  • 引っかけ: 数字のずらし(デシベル等の数値基準を持ち込む点)。
  • まとめ: 受忍限度に数値基準はなく、比較衡量で判断する。
自作 / Q23

民法209条以下の相隣関係の規定は、隣地の使用について、必要な範囲内で使用でき、住家については居住者の承諾が必要である旨などを定めている。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。民法209条は隣地使用について必要な範囲内での使用、住家への立入りには居住者の承諾が必要である旨等を定める。※『住家への立入りには承諾が必要』は民法209条1項ただし書そのものであり、正しい。
  • ② 相隣関係の規定も数値基準ではなく、必要な範囲・承諾という要件で調整する点は受忍限度論と同じ発想。
  • 条文: 民法209条1項「土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(民法209条の内容を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 民法209条は隣地の使用範囲・住家立入りの承諾要件を定める。
自作 / Q24

区分所有法57条に基づく行為の停止等の請求を訴訟によって行う場合の決議要件として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 出席した区分所有者及びその議決権の各過半数による普通決議

  • ① × 誤り。選択肢は「各4分の3以上の特別決議」だが、実際は区分所有法57条2項に加重規定がなく普通決議による。
  • ② ○ 正しい。区分所有法57条2項は要件加重の定めがなく、区分所有法39条1項の普通決議(出席者の各過半数)による。
  • ③ × 誤り。選択肢は「各5分の4以上」だが、実際はそこまでの加重要件ではない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「決議不要で理事長単独判断」だが、実際は集会の決議が必要。
  • 条文: 区分所有法57条2項「前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない」
  • 条文: 区分所有法39条1項「集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する」
  • 引っかけ: 数字のずらし(決議要件を4分の3・5分の4に水増しする)。
  • まとめ: 区分所有法57条訴訟は普通決議(出席者の各過半数)で足りる。
自作 / Q25

区分所有法57条に基づく行為の停止等の請求訴訟を提起するにあたり、あらかじめ当該区分所有者に弁明する機会を与えなければならない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「区分所有法57条の訴訟提起にも弁明の機会が必要」だが、実際は区分所有法57条に弁明の機会の規定がない。
  • ② 弁明の機会が要るのは区分所有法58条以降(区分所有法58条3項、区分所有法59条・区分所有法60条の準用)である。
  • 条文: 区分所有法58条3項「第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(区分所有法58条以降の弁明要件を区分所有法57条にまで広げる)。
  • まとめ: 区分所有法57条には弁明の機会の規定はない。弁明が要るのは区分所有法58条以降。
自作 / Q26

区分所有法57条3項の規定として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 管理者又は集会で指定された区分所有者が、区分所有者全員のために訴訟を提起できる。

  • ① × 誤り。選択肢は「訴訟は必ず区分所有者全員が原告」だが、実際は管理者又は指定区分所有者が全員のため提起できる。
  • ② ○ 正しい。区分所有法57条3項は管理者又は集会で指定された区分所有者が区分所有者全員のために訴訟を提起できると定める。
  • ③ × 誤り。選択肢は「裁判所の事前許可が必要」だが、実際はそのような要件はない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「占有者を相手とする場合は準用されない」だが、実際は区分所有法57条4項で準用される。
  • 条文: 区分所有法57条3項「管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる」
  • 条文: 区分所有法57条4項「前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(原告適格を区分所有者全員に限定する)。
  • まとめ: 管理者又は指定された区分所有者が全員のために提起でき、占有者相手にも準用される。
自作 / Q27

区分所有法58条(専有部分の使用禁止請求)の決議要件について、2026年4月1日施行の改正後の規定として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上

  • ① × 誤り。選択肢は「各4分の3以上(総数ベース)」だが、実際は改正で定足数+出席者ベースに変わった。
  • ② ○ 正しい。区分所有者・議決権の各過半数が出席し、出席者及びその議決権の各4分の3以上という要件に変わった。※『各4分の3以上』は改正後区分所有法58条2項の要件どおりで、正しい(改正前の総数ベースと混同しない)。
  • ③ × 誤り。選択肢は「出席者の各過半数」だが、実際は普通決議の要件であり区分所有法58条には足りない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「各5分の4以上(総数ベース)」だが、実際はそこまでの加重要件ではない。
  • 条文: 区分所有法58条2項「前項の決議は、集会において、区分所有者…の過半数…を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数でする」
  • 引っかけ: 数字のずらし(改正前後の母数・比率を混同させる)。
  • まとめ: 区分所有法58条は改正で定足数+出席者の各4分の3の要件に変わった。
自作 / Q28

区分所有法58条に基づき専有部分の使用禁止を決議する場合、あらかじめ当該区分所有者に弁明する機会を与えなければならない。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。区分所有法58条3項が、あらかじめ当該区分所有者に弁明の機会を与えなければならない旨を定める。
  • ② 区分所有法57条には弁明の機会の規定がなく、区分所有法58条以降で必要になる点との違いに注意。
  • 条文: 区分所有法58条3項「第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(区分所有法58条3項の内容を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 区分所有法58条の決議には弁明の機会を与えなければならない。
自作 / Q29

区分所有法58条1項の使用禁止請求ができるのはどのような場合か、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 6条1項に規定する行為による共同生活上の障害が著しく、57条1項の請求では共同生活の維持を図ることが困難なとき

  • ① ○ 正しい。区分所有法58条1項は区分所有法6条1項の行為による共同生活上の障害が著しく、区分所有法57条1項では困難なときに使用禁止を請求できる。
  • ② × 誤り。選択肢は「管理費を1か月滞納したとき」だが、実際は著しい迷惑行為を要件とし単なる滞納は含まれない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「理事会の議決により随時」だが、実際は集会の決議(定足数+出席者の各4分の3)が必要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「総会の普通決議のみで足りる軽微な迷惑行為」だが、実際は決議要件は各4分の3で普通決議ではない。
  • 条文: 区分所有法58条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…請求によつてはその障害を除去して…共同生活の維持を図ることが困難であるときは…集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の…専有部分の使用の禁止を請求することができる」
  • 条文: 区分所有法58条2項「前項の決議は、集会において、区分所有者…の過半数…を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数でする」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(要件を「著しい障害」から「軽微な滞納・迷惑行為」にすり替える)。
  • まとめ: 区分所有法58条は区分所有法57条では対応できないほど著しい共同生活上の障害があるときの措置。
自作 / Q30

区分所有法59条の競売請求について、決議要件・弁明の機会の扱いとして、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 58条2項・3項が準用され、決議要件・弁明の機会は58条と同一である。

  • ① × 誤り。選択肢は「決議・弁明とも区分所有法58条とは別に独自に定め」だが、実際は区分所有法58条2項・3項を準用する。
  • ② ○ 正しい。区分所有法59条2項は区分所有法58条2項・3項を準用しており、決議要件・弁明の機会は区分所有法58条と同一である。
  • ③ × 誤り。選択肢は「決議不要で判決確定後ただちに競売申立て」だが、実際は決議に基づく訴訟・判決を要する。
  • ④ × 誤り。選択肢は「弁明の機会は不要」だが、実際は区分所有法58条3項準用により弁明の機会が必要。
  • 条文: 区分所有法59条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 引っかけ: 条文の混同(区分所有法59条を区分所有法58条から独立させて考える)。
  • まとめ: 区分所有法59条は区分所有法58条2項・3項を準用し、決議要件・弁明の機会は区分所有法58条と同一。
自作 / Q31

区分所有法59条に基づく競売の申立ては、判決が確定した日から6か月を経過したときはすることができない。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。区分所有法59条3項は判決確定日から6か月を経過したときは競売の申立てをすることができないと定める。※『6か月』は区分所有法59条3項の期間そのものであり、正しい。
  • ② この6か月は区分所有法58条・区分所有法60条にはない、区分所有法59条競売請求特有の期間制限である。
  • 条文: 区分所有法59条3項「第一項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(区分所有法59条3項の期間制限を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 区分所有法59条の競売申立ては判決確定から6か月以内に限られる。
自作 / Q32

区分所有法59条4項の内容として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。

  • ① × 誤り。選択肢は「申し立てられた区分所有者本人は買受け申出できる」だが、実際は買受けの申出をすることができない。
  • ② ○ 正しい。区分所有法59条4項は競売を申し立てられた区分所有者又はその計算で買い受けようとする者は買受けの申出ができないと定める。
  • ③ × 誤り。選択肢は「買受け制限は一切ない」だが、実際は上記の制限がある。
  • ④ × 誤り。選択肢は「買受け制限は占有者に対する場合のみ」だが、実際は区分所有者側にかかる制限。
  • 条文: 区分所有法59条4項「前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(買受け制限の対象を区分所有者↔占有者ですり替える)。
  • まとめ: 競売を申し立てられた区分所有者本人・その計算での買受けはできない。
自作 / Q33

区分所有法60条に基づく占有者に対する引渡し請求において、あらかじめ弁明の機会を与えるべき相手として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 当該専有部分の占有者のみ

  • ① ○ 正しい。区分所有法60条2項が準用する区分所有法58条3項により、弁明の機会を与える相手は当該占有者のみである。
  • ② × 誤り。選択肢は「区分所有者(貸主)のみ」だが、実際は弁明の相手は占有者であり貸主ではない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「区分所有者・占有者の双方」だが、実際は占有者のみに与えればよい。
  • ④ × 誤り。選択肢は「区分所有者及び他の全区分所有者」だが、実際は当該占有者のみで足りる。
  • 条文: 区分所有法60条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 条文: 区分所有法58条3項「第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(弁明の相手を占有者↔区分所有者ですり替える)。
  • まとめ: 区分所有法60条の弁明の機会は当該占有者のみに与える。
自作 / Q34

区分所有法60条に基づく引渡し請求の効果として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 契約の解除及び専有部分の引渡し請求ができる。

  • ① ○ 正しい。区分所有法60条1項は契約の解除及び専有部分の引渡しを請求できると定める。
  • ② × 誤り。選択肢は「契約の解除のみで引渡しまでは請求できない」だが、実際は引渡しまで請求できる。
  • ③ × 誤り。選択肢は「占有者の所有権自体を失わせる」だが、所有権を失わせるのは区分所有法59条(競売請求)である。
  • ④ × 誤り。選択肢は「区分所有者の承諾がなければ解除できない」だが、実際は集会の決議に基づき請求でき承諾は不要。
  • 条文: 区分所有法60条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる」
  • 条文: 区分所有法59条1項「区分所有者の共同生活上の障害が著しく…集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる」
  • 引っかけ: 条文の混同(区分所有法60条の効果を区分所有法59条の競売=所有権喪失と混同する)。
  • まとめ: 区分所有法60条の効果は契約解除+引渡し請求。所有権自体を失わせるのは区分所有法59条。
自作 / Q35

区分所有法60条3項の内容として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 引渡しを受けた者は、遅滞なく、占有権原を有する者(区分所有者等)に引き渡さなければならない。

  • ① × 誤り。選択肢は「引渡しを受けた者はそのまま占有し続けられる」だが、実際は遅滞なく引き渡す義務がある。
  • ② ○ 正しい。区分所有法60条3項は引渡しを受けた者は遅滞なく占有権原を有する者にこれを引き渡さなければならないと定める。※『遅滞なく』は区分所有法60条3項の文言どおりで、正しい。
  • ③ × 誤り。選択肢は「引渡し義務を負うことはない」だが、実際は上記のとおり引渡し義務を負う。
  • ④ × 誤り。選択肢は「第三者に転貸できる」だが、実際は占有権原を有する者への引渡しが義務付けられる。
  • 条文: 区分所有法60条3項「第一項の規定による判決に基づき専有部分の引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者にこれを引き渡さなければならない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(引渡しを受けた者の暫定的な地位を最終的な占有と混同する)。
  • まとめ: 引渡しを受けた者は遅滞なく占有権原者に引き渡す義務を負う。
自作 / Q36

迷惑行為への対応は、必ず57条→58条→59条→60条の順に段階を経なければならず、各条の要件を満たしていても段を飛ばして58条や59条を直接使うことはできない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「必ず段階を経て段を飛ばせない」だが、実際は各条の要件は独立し段を飛ばすこと自体は可能。
  • ② ただし実務上は記録を積み上げて段階的に進めるのが通例であり、法律上の可否と実務運用は区別する。
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(実務上の通例を法律上の要件と取り違える)。
  • まとめ: 段を飛ばすこと自体は法律上可能。実務は段階的運用が通例。
自作 / Q38

使用細則に違反する行為の差止めを求める訴訟を提起する場合、標準管理規約によれば必要な決議として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 理事会の決議のみで、理事長が管理組合を代表して訴訟を追行できる。

  • ① × 誤り。選択肢は「総会の特別決議が必要」だが、実際は規約67条3項で理事会決議のみで足りる。
  • ② ○ 正しい。標準管理規約67条3項により、規約・使用細則違反行為について理事長は理事会決議を経て訴訟を追行できる。※『理事会決議のみ』は規約67条3項どおりで、総会決議不要という意味で正しい。
  • ③ × 誤り。選択肢は「決議は一切不要」だが、実際は理事会の決議は必要。
  • ④ × 誤り。選択肢は「区分所有者全員の同意が必要」だが、実際はそこまでの要件はない。
  • 条文: 標準管理規約67条3項「区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき…理事長は、理事会の決議を経て…管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(差止め訴訟の決議要件を理事会↔総会ですり替える)。
  • まとめ: 使用細則違反の差止め訴訟は理事会決議のみで理事長が追行できる。
自作 / Q39

区分所有法57条2項に基づく行為の停止等の請求訴訟を提起する場合、標準管理規約上どの機関の決議事項とされているか、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 総会(集会)の決議事項(規約48条十一号)

  • ① × 誤り。選択肢は「理事会の決議事項」だが、実際は規約48条十一号で総会(集会)の決議事項とされる。
  • ② ○ 正しい。標準管理規約48条十一号は区分所有法57条2項の訴えの提起を総会の議決事項として掲げている。
  • ③ × 誤り。選択肢は「監事の単独判断」だが、実際は監事にそのような権限はない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「決議不要の理事長専決事項」だが、実際は総会の決議が必要。
  • 条文: 標準管理規約48条十一号「区分所有法第57条第2項及び前条第3項第四号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任」
  • 条文: 区分所有法57条2項「前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(区分所有法57条2項の訴えの決議機関を理事会・理事長にすり替える)。
  • まとめ: 区分所有法57条2項の訴えは総会の決議事項(規約48条十一号)。使用細則違反差止めとは決議機関が異なる。
自作 / Q40

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解: 1. 57条の訴訟提起にも、あらかじめ弁明の機会を与えなければならない。

  • ① × 誤り(=正解)。選択肢は「区分所有法57条の訴訟提起にも弁明の機会が必要」だが、実際は区分所有法57条に弁明の規定がない。
  • ② ○ 正しい。区分所有法58条の決議には、あらかじめ当該区分所有者に弁明する機会を与えなければならない(区分所有法58条3項)。
  • ③ ○ 正しい。区分所有法59条は区分所有法58条2項・3項を準用する。
  • ④ ○ 正しい。区分所有法60条の弁明の機会を与える相手は占有者である。
  • 条文: 区分所有法58条3項「第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない」
  • 条文: 区分所有法59条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 条文: 区分所有法60条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(区分所有法58条以降の弁明要件を区分所有法57条にまで広げる)。
  • まとめ: 誤りは①。弁明の機会が要るのは区分所有法58条以降であり区分所有法57条にはない。
自作 / Q41

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解: 1. 59条の競売請求の決議は、区分所有者及び議決権の各過半数(出席者ベースの普通決議)で足りる。

  • ① × 誤り(=正解)。選択肢は「区分所有法59条の決議は出席者ベースの普通決議で足りる」だが、実際は出席者の各4分の3が必要。
  • ② ○ 正しい。区分所有法59条の競売の申立ては、判決確定の日から6か月を経過するとできなくなる。※『6か月』は区分所有法59条3項の期間どおりで、正しい。
  • ③ ○ 正しい。区分所有法59条4項により、競売を申し立てられた区分所有者は買受けの申出をすることができない。
  • ④ ○ 正しい。区分所有法60条の弁明の機会を与える相手は占有者のみである。※『占有者のみ』は区分所有法60条2項が準用する区分所有法58条3項どおりで、正しい。
  • 条文: 区分所有法59条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 条文: 区分所有法59条3項「第一項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない」
  • 条文: 区分所有法59条4項「前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない」
  • 条文: 区分所有法60条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 引っかけ: 数字のずらし(区分所有法59条の決議要件を「過半数」に薄める)。
  • まとめ: 誤りは①。区分所有法59条は区分所有法58条2項準用で出席者の各4分の3が必要、過半数では足りない。
自作 / Q43

区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合に、裁判所が管理人による管理を命ずる制度として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 46条の8(管理不全専有部分管理命令)

  • ① × 誤り。選択肢は「区分所有法46条の2」だが、実際は管理が不適当な場面を規律するのは区分所有法46条の8であり、区分所有法46条の2は所在不明の場面。
  • ② ○ 正しい。区分所有法46条の8は区分所有者による専有部分の管理が不適当な場合に管理人選任を命ずることができる新設規定。
  • ③ × 誤り。選択肢は「区分所有法57条」だが、区分所有法57条は共同の利益に反する行為の停止等の請求であり、管理人選任の制度とは異なる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「区分所有法59条」だが、区分所有法59条は競売請求であり、管理人選任の制度とは異なる。
  • 条文: 区分所有法46条の2「裁判所は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分…について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により…所有者不明専有部分管理人…による管理を命ずる処分…をすることができる」
  • 条文: 区分所有法46条の8「裁判所は、区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において…利害関係人の請求により…管理不全専有部分管理人による管理を命ずる処分…をすることができる」
  • 引っかけ: 条文の混同(管理不全専有部分管理命令を所有者不明・区分所有法57条・区分所有法59条と取り違える)。
  • まとめ: 専有部分の管理不適当による権利侵害には区分所有法46条の8の管理不全専有部分管理命令。
自作 / Q44

標準管理規約67条の4・67条の5の内容として、最も適切なものはどれか。

正解: 2. 理事長は、理事会の決議を経て、裁判所にこれらの管理命令を求める請求ができる。

  • ① × 誤り。選択肢は「理事長は単独判断で請求できる」だが、実際は理事会の決議を経る必要がある。
  • ② ○ 正しい。規約67条の4・67条の5は理事長が理事会の決議を経て管理命令を裁判所に求める請求ができると定める。
  • ③ × 誤り。選択肢は「総会の特別決議がなければ一切できない」だが、実際は理事会決議で足りる。
  • ④ × 誤り。選択肢は「共用部分についてのみ認められる」だが、実際は専有部分についても認められる。
  • 条文: 標準管理規約67条の4第1項「理事長は…理事会の決議を経て、裁判所に対し、区分所有法第46条の2に基づく所有者不明専有部分管理命令を求める請求をすることができる」
  • 条文: 標準管理規約67条の5第1項「理事長は、区分所有者による管理が適切に行われていない専有部分について、理事会の決議を経て、裁判所に対し…管理不全専有部分管理命令を求める請求をすることができる」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(決議機関を理事会↔総会ですり替える/対象を共用部分に限定する)。
  • まとめ: 理事長は理事会決議を経て管理命令の請求ができる。専有部分についても認められる。
自作 / Q46

管理不全専有部分管理人が、保存行為及び性質を変えない範囲の利用・改良行為を超える行為をするには、裁判所の許可を要する。

正解: 1. ○

  • ① ○ 正しい。区分所有法46条の9第3項のとおり、保存行為等を超える行為をするには裁判所の許可を要する。※『範囲を超える行為』は区分所有法46条の9第3項の許可要件どおりで、正しい。
  • ② 逆に保存行為・性質を変えない範囲の利用・改良行為自体には許可は不要であり、超える部分だけが対象。
  • 条文: 区分所有法46条の9第3項「管理不全専有部分管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない」
  • 引っかけ: 引っかけ無し(区分所有法46条の9第3項の内容を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 管理人は保存行為等は許可不要、それを超える行為には裁判所の許可が必要。
自作 / Q47

標準管理委託契約書9条1項に定める緊急時の業務の事由として、最も適切な組み合わせはどれか。

正解: 1. 地震・台風等の自然災害(1号)/火災・漏水・破裂等の事故(2号)

  • ① ○ 正しい。委託契約書9条1項は一号で自然災害、二号で火災・漏水・破裂等の事故を緊急時業務の事由として定める。
  • ② × 誤り。選択肢は「管理費の滞納のみ」だが、実際は緊急時業務は自然災害・事故等であり滞納は含まれない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「総会の議決による指示があった場合のみ」だが、実際は自然災害・事故発生自体が事由。
  • ④ × 誤り。選択肢は「理事長の口頭指示があった場合に限る」だが、実際は指示の有無を問わず定められている。
  • 条文: 標準管理委託契約書9条1項一号「地震、台風、突風、集中豪雨、落雷、雪、噴火、ひょう、あられ等」
  • 条文: 標準管理委託契約書9条1項二号「火災、漏水、破裂、爆発、物の飛来若しくは落下又は衝突、犯罪、孤立死(孤独死)等」
  • 引っかけ: 基準のすり替え(緊急時業務の発動要件を滞納・議決・口頭指示にすり替える)。
  • まとめ: 緊急時業務の事由は自然災害(1号)と火災・漏水等の事故(2号)。
自作 / Q48

マンション管理業者が、漏水の発生により、管理組合の承認を受ける時間的余裕がなく専有部分等に立ち入った場合、標準管理委託契約書14条3項によれば、次のうち最も適切なものはどれか。

正解: 2. 組合及び立ち入った専有部分等に係る組合員等に対し、事後速やかに報告しなければならない。

  • ① × 誤り。選択肢は「事後の報告義務は一切ない」だが、実際は委託契約書14条3項で事後の報告義務がある。
  • ② ○ 正しい。委託契約書14条3項は緊急事由により立ち入る場合、組合及び当該組合員等に事後速やかに報告しなければならないと定める。※『事後速やかに』は委託契約書14条3項の文言どおりで、正しい。
  • ③ × 誤り。選択肢は「立ち入られた組合員等にのみ報告」だが、実際は組合(管理組合)にも報告する。
  • ④ × 誤り。選択肢は「立入り自体が禁止されている」だが、実際は緊急事由があれば承認なく立入りができる。
  • 条文: 標準管理委託契約書14条3項「乙は、第9条第1項各号に掲げる災害又は事故等の事由により…緊急に行う必要がある場合、専有部分等に立ち入ることができる。この場合において…事後速やかに、報告をしなければならない」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(報告先を組合員のみに限定し組合への報告を落とす)。
  • まとめ: 緊急立入り後は組合・当該組合員等の双方に事後速やかに報告する。
自作 / Q49

マンション管理業者の責めによる火災の発生により、管理組合が損害を受けた場合、標準管理委託契約書19条により管理業者は免責される。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「管理業者の責めによる火災でも委託契約書19条により免責」だが、実際は責めによる場合は免責されない。
  • ② 委託契約書9条2項ただし書も同様に「乙(管理業者)の責めによる事故等の場合はこの限りでない」として業者負担を除外していない。
  • 条文: 標準管理委託契約書19条「乙は、甲又は組合員等が、第9条第1項各号に掲げる災害又は事故等(乙の責めによらない場合に限る。)による損害…を受けたときは、その損害を賠償する責任を負わないものとする」
  • 条文: 標準管理委託契約書9条2項「甲は、乙が前項の業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、乙に支払わなければならない。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限りでない」
  • 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(免責の適用範囲を業者の責めによる場合にまで広げる)。
  • まとめ: 委託契約書19条の免責は業者の責めによらない場合に限られる。
自作 / Q50

迷惑行為・事故対応の実務において記録すべき事項として、最も適切な組み合わせはどれか。

正解: 1. 日時・内容・続いた時間・写真・申し出た人の氏名

  • ① ○ 正しい。騒音・ペット等のトラブルでは日時・内容・続いた時間・写真・申出人の氏名を記録することが実務の要。
  • ② × 誤り。選択肢は「加害者の氏名のみ」だが、実際は複数の要素を記録する必要がある。
  • ③ × 誤り。選択肢は「管理費の滞納額のみ」だが、実際は迷惑行為の記録に滞納額は関係しない。
  • ④ × 誤り。選択肢は「総会の出席者数のみ」だが、実際はこれも迷惑行為の記録事項ではない。
  • 引っかけ: 引っかけ無し(記録すべき事項を問う素直な知識問題)。
  • まとめ: 記録は日時・内容・時間・写真・申出人の氏名をセットで残す。
自作 / Q52

「602号室から漏水があり、原因は602号室内の洗濯機ホースの外れであった。502号室が被害を受けた。」この場面で、502号室の区分所有者が損害賠償を請求できる相手として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 602号室の区分所有者に対して民法709条に基づき請求する。

  • ① ○ 正しい。専有部分内の設備が原因である以上、602号室の区分所有者が民法709条(又は717条)で責任を負う。
  • ② × 誤り。選択肢は「管理組合に対し施設賠償責任特約で請求」だが、実際は専有部分原因で管理組合は当事者ではない。
  • ③ × 誤り。選択肢は「施工会社に対してのみ請求できる」だが、実際は施工会社への求償は602号室の区分所有者が行う。
  • ④ × 誤り。選択肢は「誰にも請求できない」だが、実際は602号室の区分所有者に請求できる。
  • 条文: 民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(請求先を管理組合・施工会社にすり替える)。
  • まとめ: 専有部分原因の漏水は、502号室から602号室の区分所有者へ民法709条で請求する。
自作 / Q54

「ペット飼育禁止の規約に違反する住人がいる。組合が取り得る手段を軽い順に並べたとき、最も適切なものはどれか。」

正解: 2. 掲示 → 管理会社による注意 → 理事会決議による勧告 → 総会特別決議による訴訟(使用禁止・引渡し等)

  • ① × 誤り。選択肢は「競売決議→掲示→注意→勧告」と最も重い措置を最初に置くが、実際は軽い順が実務の型。
  • ② ○ 正しい。掲示→管理会社の注意→理事会決議による勧告→総会特別決議による訴訟の順で段階を踏むのが実務の型。
  • ③ × 誤り。選択肢は「訴訟提起→掲示→注意→勧告」と訴訟を最初に置くが、実際は訴訟は最終段階。
  • ④ × 誤り。選択肢は「勧告→訴訟提起→掲示→注意」と順序が入れ替わるが、実際は掲示・注意が勧告より先。
  • 引っかけ: 期限の前後(措置の軽重・順序を逆転させる)。
  • まとめ: 掲示→注意→勧告→訴訟の順で軽い措置から重い措置へ段階を踏む。
自作 / Q56

「暴力団員が専有部分を賃借して居住しており、常時暴力団員が出入りするなど居住者の日常生活に著しい障害を与えている。」区分所有法60条に基づく引渡し請求の要件として、最も適切なものはどれか。

正解: 1. 管理者又は集会で指定された区分所有者が、決議に基づき、当該占有者に弁明の機会を与えたうえで、契約解除・引渡しを請求する。

  • ① ○ 正しい。区分所有法60条は区分所有法58条2項・3項を準用し、決議に基づき当該占有者に弁明の機会を与えたうえで契約解除・引渡しを請求する。
  • ② × 誤り。選択肢は「決議不要で理事長単独で提起」だが、実際は定足数+出席者の各4分の3の決議が必要。
  • ③ × 誤り。選択肢は「弁明の機会は貸主である区分所有者にのみ」だが、実際は弁明の相手は占有者のみ。
  • ④ × 誤り。選択肢は「区分所有者全員の同意が必要」だが、実際は集会の決議で足りる。
  • 条文: 区分所有法60条2項「第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、第五十八条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する」
  • 条文: 区分所有法58条2項「前項の決議は、集会において、区分所有者…の過半数…を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数でする」
  • 引っかけ: 主語の入れ替え(弁明・提訴の要件を占有者↔区分所有者ですり替える)。
  • まとめ: 区分所有法60条は決議+占有者への弁明の機会を経て契約解除・引渡しを請求する。
自作 / Q57

専有部分を賃貸している区分所有者について、賃貸借契約の相手方が契約後に暴力団員であることが判明した場合、標準管理規約19条の2によれば、区分所有者は相当の期間を定めた催告を経なければ契約を解約できない。

正解: 2. ×

  • ① × 誤り。選択肢は「相当の期間の催告を経なければ解約できない」だが、実際は規約19条の2で催告不要とされる。
  • ② 通常の契約解除には催告が原則必要だが、暴力団員該当は例外的に催告不要とされる点が本問の核心。
  • 条文: 標準管理規約19条の2第1項二号「契約の相手方が暴力団員であることが判明した場合には、何らの催告を要せずして、区分所有者は当該契約を解約することができること」
  • 引っかけ: 期限の前後(催告不要を「相当の期間の催告後」にすり替える)。
  • まとめ: 暴力団員判明時の解約は催告不要で直ちにできる。
公式過去問 / 民法/区分所有法(判例) / 令和4年度 問39

次の記述のうち、判例によれば、適切なものはいくつあるか。ア区分所有者の団体のみが共用部分から生ずる利益を収取する旨を集会で決議し、又は規約で定めた場合には、各区分所有者は、その持分割合に相当する利益についての返還を請求することはできない。イ区分所有者の集会で複数の理事を選任し、理事長は理事会で理事の互選で選任する旨を規約で定めた場合には、理事の職は維持しつつ、理事長の職を解くことについて、理事会の決議で決することができる。ウ建物の建築に携わる設計者、施工者及び工事監理者は、建物の建築に当たり、契約関係にない居住者を含む建物利用者、隣人、通行人等に対する関係でも、当該建物の建物としての基本的な安全性が欠けることのないように配慮すべき注意義務を負う。エ管理組合の業務を分担することが一般的に困難な不在組合員に対し一定の金銭負担を求めることは、規約の変更に必要性及び合理性があり、不在組合員の受ける不利益の程度を比較衡量して一定の金銭負担に相当性のある場合には、受忍限度を超えるとまではいうことはできない。

正解: 4. 四つ

ア区分所有者団体のみが共用部分の収益を収取する旨を集会決議・規約で定めた場合、各区分所有者は持分割合に応じた利益の返還を請求できないとするのが判例の考え方。イ理事の互選で理事長を選任する規約のもとでは、理事の地位を維持したまま理事長の職のみを理事会決議で解くことができるとするのが判例。ウ設計者・施工者・工事監理者は契約関係にない居住者等に対しても建物の基本的な安全性を欠かないよう配慮すべき注意義務を負うとするのが判例。エ不在組合員への金銭負担を求める規約変更は、必要性・合理性と不利益との比較衡量により相当性があれば受忍限度を超えないとするのが判例。いずれも判例の趣旨に沿う記述で、適切なものは四つ(正解)。

補足: 個別判例の事件番号・年月日は一次情報で確認できておらず、判旨の要旨のみに基づく説明である。エの規約変更(31条)の決議要件は2026年4月1日施行の改正で総数ベースから出席者ベース(定足数+出席者の各4分の3以上)に変わっているが、本問は判例の判断枠組み(必要性・合理性・受忍限度)自体を問うもので、決議要件の母数は論点ではない。

公式過去問 / 地震保険に関する法律 / 令和4年度 問42

次の記述のうち、地震保険に関する法律によれば、適切なものの組合せはどれか。ア地震保険契約は、居住の用に供する建物又は生活用動産のみを保険の目的とする。イ地震保険契約は、特定の損害保険契約に附帯して締結する必要がある。ウ地震保険契約は、地震による津波を間接の原因とする流失による損害は、てん補の対象としない。エ地震保険契約では、保険の対象である居住用建物が全損になったときに保険金が支払われ、一部損では保険金は支払われない。

正解: 1. ア・イ

地震保険に関する法律2条2項により、地震保険契約は居住用建物又は生活用動産のみを保険の目的とし(ア)、特定の損害保険契約に付帯して締結する必要がある(イ)。地震・噴火又はこれらによる津波を「直接又は間接の原因」とする流失等の損害はてん補の対象に含まれ、「間接の原因は対象としない」とする記述(ウ)は誤り。地震保険は全損だけでなく大半損・小半損・一部損の区分に応じて保険金が支払われ、「一部損では支払われない」(エ)も誤り。適切な組合せはア・イで選択肢1が正解。

公式過去問 / 民法 / 令和5年度 問1

マンションにおける不法行為責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、適切なものはいくつあるか。アマンション管理業者は、自らが雇用する管理員が、その業務の執行について第三者に損害を加えたときは、当該管理員個人に不法行為が成立しなくても、使用者責任を負う場合がある。イマンション管理業者は、自らが雇用する管理員が、その業務の執行について第三者に損害を加えた場合、使用者責任に基づいて当該第三者に対してその賠償をしたときでも、当該管理員に対して求償権を行使することは認められない。ウマンションの専有部分にある浴室から水漏れが発生し、階下の区分所有者に損害が生じた場合、当該専有部分に居住する区分所有者は、その損害を賠償する責任を負うが、水漏れの原因が施工会社の責任によるときは、当該施工会社に対して求償権を行使することができる。エマンションの共用部分の修繕工事を請け負った施工会社が、その工事について第三者に損害を加えた場合に、注文者である当該マンションの管理組合は、注文又は指図について過失がない限り、損害を賠償する責任を負わない。

正解: 2. 二つ

使用者責任(民法715条)は求償権行使(同条3項)を否定しないためイは誤り、注文者は指図等に過失がない限り原則免責(716条)なのでエは正しい。ア・ウについては学説・当てはめに争いが残る部分があり、正解は2つ(ア・エ又はア・ウの組合せ)とされている。

補足: ア(使用者責任は被用者個人に不法行為の全要件が備わらなくても成立し得るか)及びウ(施工会社への求償の可否)の当てはめは一次資料で確証を得られておらず、確信度は低い。

公式過去問 / 区分所有法/標準管理規約 / 令和5年度 問37

管理規約違反行為、使用細則違反行為又は義務違反行為に関する次の記述のうち、区分所有法及び標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。ア管理規約上ペットの飼育が禁止されているマンションにおいて、住戸の賃借人がペットを飼育している場合、理事長は、理事会の決議を経て、賃貸人である区分所有者に対して警告をすることはできるが、当該賃借人に対して警告をすることはできない。イ区分所有者が、専有部分の使用細則に違反して、常習的に深夜に大音量でピアノの演奏をしていることから、当該行為の差止めを求めて訴訟を提起する場合には、総会の決議を経る必要がある。ウ区分所有者が共用部分の破壊行為を繰り返すなどして他の区分所有者の共同の利益に反する行為を行い、他の区分所有者の共同生活上の障害が著しいことから、訴えをもって当該区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求する旨の集会の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。エ区分所有者に対し、管理規約違反行為の差止めを求める訴訟を提起する場合は、理事長は当該区分所有者に対して違約金としての弁護士費用を請求することができる。

正解: 2. 二つ

占有者(賃借人)も規約を遵守する義務を負うため、理事長は理事会決議を経て賃借人本人に対しても警告等の措置をとることができる(ア不適切)。標準管理規約上、使用細則違反行為の差止め訴訟の提起は区分所有法57条2項による場合と異なり、標準管理規約67条3項に基づき理事会の決議で足り、総会決議までは要しない(イ不適切)。専有部分の使用禁止請求の訴えの提起にはあらかじめ弁明の機会を与える必要がある(ウ適切)。規約違反行為の差止め訴訟提起にあたり違約金としての弁護士費用を請求できる(エ適切)。

公式過去問 / 民法/区分所有法 / 令和6年度 問25

区分所有者が、その所有する住戸を賃貸している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、不適切なものの組合せはどれか。ア賃貸借契約において、管理費の支払は賃借人が行う旨の合意があった場合でも、賃貸人である区分所有者が管理費の支払義務を負う。イ賃借人は、建物の使用方法に関して、区分所有者が集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うものではない。ウ賃借人は、住戸の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害が発生した場合には、その賃借人の免責事由の有無にかかわらず、損害賠償責任を負う。

正解: 3. イ・ウ

正解は3(イ・ウが不適切)。区分所有法46条2項により、占有者(賃借人)は区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うため、イの「同一の義務を負うものではない」は誤り。民法717条の工作物責任では、占有者は損害発生防止に必要な注意をした場合(免責事由)は責任を免れ、その場合は所有者が無過失責任を負う仕組みであるため、ウの「免責事由の有無にかかわらず賃借人が責任を負う」は誤り。アは、管理費支払義務が区分所有者に帰属し、賃借人との内部合意を管理組合に対抗できない旨であり正しい。

公式過去問 / 区分所有法/判例 / 令和6年度 問38

マンションに関する次の記述のうち、最高裁判所の判決によれば、適切なものはいくつあるか。ア管理人室と管理事務室が一体として利用することが予定され両室を機能的に分離することができない場合には、管理人室には構造上の独立性があるとしても利用上の独立性はないというべきであるから、管理人室は、区分所有権の目的とはならない。イ各住戸(専有部分)からの専用排水管(枝管)は、その構造や設置場所いかんにかかわらず、専有部分に属しない建物の附属物であるから、同排水管に起因する水漏れ事故による損害の賠償は、管理組合がその責任を負う。ウ管理組合法人の規約において、理事に事故があり、理事会に出席できないときは、その配偶者又は一親等内の親族に限り、これを代理出席させることができる旨を定めることは認められず、当該規約は無効である。エ管理者が共用部分の管理を行い、特定の区分所有者に当該共用部分を使用させることができる旨の規約の定めがある場合においても、各区分所有者は、当該特定の区分所有者に対し、共用部分の自己の持分割合相当額につき不当利得返還請求権を行使することができる。

正解: 1. 一つ

正解は1(適切なものは一つ=ア)。管理人室が管理事務室と一体として利用され機能的に分離できない場合、構造上の独立性があっても利用上の独立性を欠くため区分所有権の目的とならないというアの記述は、区分所有権の目的となるための構造上・利用上の独立性という一般的な考え方に沿うと考えられる。イ(専用排水管に起因する水漏れは常に管理組合が責任を負う)、ウ(理事の配偶者・一親等親族に限った理事会代理出席を定める規約は無効)、エ(共用部分を使用する特定の区分所有者に対し各区分所有者が個別に不当利得返還請求権を行使できる)は、いずれも実際の裁判例の考え方とは異なる(専用排水管の共用部分該当性は構造・設置場所により個別判断される、理事会代理出席規定は有効とされ得る、不当利得返還請求権は個々の区分所有者ではなく管理組合に帰属するなど)と考えられる。

補足: 本問は最高裁判例の内容を問う設問であり、各判例の詳細(事件番号・判示内容)を一次情報(裁判所ウェブサイト等)で個別に確認できていないため、確信度は高くない。