持ち主が変わる
26分00秒この話の舞台
402号室の売却と滞納の承継、空室1戸の相続、105号室の賃借人
ひだまり船橋マンション(分譲マンション)|船橋市、駅徒歩12分|築45年(旧耐震)・RC造6階建て・24戸
到達目標と条件
目標1部屋が売られたとき、前の持ち主の滞納を買主に請求できる根拠(特定承継人・区分所有法8条)と、請求までの手順を言える。
| 順番 | やること | 条文 |
|---|---|---|
| 1 重説依頼 | 宅建業者が重要事項調査報告書を請求 | 標準委託契約書15条 |
| 2 報告書発行 | 管理業者が発行、手数料は宅建業者負担 | 15条2項 |
| 3 売買成立 | 買主が特定承継人になる | 区分所有法8条 |
| 4 変更届出 | 買主が区分所有者変更届を直ちに提出 | 規約31条 |
| 5 未届の場合 | 登記で確認して買主へ請求 | |
| 承継の範囲 | 競売の買受人も特定承継人に含む | 判例・通説 |
ひっかけ: 「知らずに買えば払わなくてよい」は誤り。善意・悪意問わない
くわしく(8項目)
- 買主(特定承継人)は、前の持ち主の滞納管理費の支払義務を承継する。
- 根拠は区分所有法7条(先取特権=部屋そのものに担保)と8条(特定承継人にも請求できる)。
- 買主が滞納の存在を知らなくても(善意・悪意を問わず)支払義務を負う。
- 買主が払っても前の持ち主の債務は消えない。組合は両方に請求でき、買主は前の持ち主に求償できる。
- 競売の買受人も特定承継人にあたる(条文に明文はなく判例・通説)。
- 手順: 宅建業者からの依頼→重要事項調査報告書(標準管理委託契約書第15条、別表第5)を発行→売買成立→区分所有者変更届(規約31条、直ちに書面)→未届なら登記で確認→買主へ請求。
- 調査報告書の作成手数料は開示を受ける相手方(宅建業者)から受け取れる(15条2項)。
- ひっかけ: 「競売なら承継しない」「知らずに買えば払わなくてよい」はいずれも誤り。
目標2持ち主が亡くなったとき、誰が相続人になり、どの割合で管理費を負うのか、相続放棄されたら組合は何をするのかを言える。
| 場面 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 相続人順位 | 配偶者は常に、子→尊属→兄弟姉妹の順 | |
| 法定相続分 | 配偶者と子は各2分の1など | |
| 死亡までの滞納 | 法定相続分で分割請求 | |
| 相続放棄 | 3か月以内に家庭裁判所へ申述 | 民法915条 |
| 放棄と代襲 | 放棄は代襲原因ではない | |
| 全員放棄 | 組合が相続財産の清算人選任を申立て | 民法952条 |
| 共有時の議決権 | 持分価格の過半数で1人定める | 区分所有法40条 |
ひっかけ: 相続放棄の熟慮期間は3か月。「10か月」は誤り
くわしく(8項目)
- 相続人の順位: 配偶者は常に相続人。第1順位=子、第2順位=直系尊属、第3順位=兄弟姉妹(上位者がいれば下位は相続人にならない)。
- 法定相続分: 配偶者と子=各2分の1/配偶者と直系尊属=配偶者3分の2・直系尊属3分の1/配偶者と兄弟姉妹=配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1。同順位が複数なら頭割り。
- 死亡日までの滞納は法定相続分に応じて分割請求。死亡後に発生する管理費は共有する相続人全員に請求(「連帯債務」と断定はしない)。
- 相続放棄: 熟慮期間3か月(自己のために相続の開始があったことを知った時から起算)、家庭裁判所に申述(915条・938条・939条)。利害関係人の請求で伸長可。
- 相続放棄をした者は初めから相続人でなかったものとみなされる。放棄は代襲原因ではない(欠格・廃除・死亡のみが代襲原因)。
- 相続人全員が放棄したら、管理組合は利害関係人として家庭裁判所に相続財産の清算人の選任を申し立てる(民法952条)。清算人が部屋を換価して滞納を清算。
- 専有部分が共有になったら、共有者は持分の価格の過半数で議決権行使者を一人定める(区分所有法40条、2026年4月改正で決め方が明記)。
- ひっかけ: 「遺産分割で相続人が決まるまで請求できない」「10か月以内に放棄」はいずれも誤り。
目標3賃借人(占有者)に管理規約が及ぶ範囲と、賃貸借の基本を言える。
| 論点 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 占有者の義務 | 区分所有者と同一の義務を負う | 6条3項・46条2項 |
| 規約の効力 | 占有者にも及ぶ、知不知は問わない | 46条1項 |
| 集会での扱い | 意見陳述はできるが議決権なし | 44条1項 |
| 賃貸時の届出 | 誓約書と借用の届出を提出 | 規約19条2項・3項 |
| 敷金 | 明渡し時に清算、通常損耗は不要 | 民法622条の2 |
| 更新拒絶通知 | 期間満了の1年〜6か月前まで | 借地借家法26条 |
ひっかけ: 占有者は議決権を持たない。「議決権あり」は誤り
くわしく(8項目)
- 占有者は建物の管理・使用に関し、区分所有者と同一の義務を負う(6条3項の準用、46条2項)。
- 規約・集会決議は特定承継人・占有者にも効力が及ぶ(46条1項・2項)。内容を知っていたかは問わない。
- 占有者は利害関係があれば集会に出席して意見を述べることができる(44条1項)が、議決権は持たない。
- 44条2項の掲示事項に、2026年4月改正で議案の要領が追加された。
- 賃貸に出す区分所有者は、借主から規約遵守の誓約書(規約19条2項)と借用した旨の届出(19条3項)を提出させる。
- 賃貸借の基本: 賃貸人の修繕義務(民法606条、賃借人の帰責事由は除く)、無断転貸の禁止(612条、違反は解除事由)、敷金は返還・明渡し時に清算(622条の2)、通常損耗は原状回復義務なし(621条)。
- 借地借家法: 更新拒絶の通知は期間満了の1年前から6か月前まで(26条)、正当の事由が必要(28条)。
- ひっかけ: 「賃借人は使用方法の義務を負わない」「規約は借主に効かない」「敷金は契約時に即返還」はいずれも誤り。
覚える数字と条文
| 数字・条文 | 内容 |
|---|---|
| 滞納が買主に付いて回るのは区分所有法8条(特定承継人) | |
| 相続放棄の熟慮期間は3か月(民法915条、知った時から起算) | |
| 配偶者と子の法定相続分は2分の1ずつ | |
| 普通建物賃貸借の更新拒絶通知は1年前から6か月前まで(借地借家法26条) | |
| 相続人不存在なら相続財産の清算人の選任(民法952条) | |
| 共有専有部分の議決権行使者は持分価格の過半数で1名(区分所有法40条、2026年4月改正) |
実務の流れ→ 横にスクロール
ひっかけ 9件
- 競売の買受人は滞納管理費を承継しない → 誤り。買受人も特定承継人にあたり承継する。
- 買主が滞納を知らなければ支払義務を負わない → 誤り。8条は善意・悪意を問わない。
- 遺産分割で相続人が決まるまで組合は請求できない → 誤り。可分債務として当然に分割承継される。
- 相続放棄の熟慮期間は10か月 → 誤り。正しくは3か月(915条)。
- 相続放棄は代襲原因である → 誤り。代襲原因は死亡・欠格・廃除のみ。
- 占有者(賃借人)は建物の使用方法について区分所有者と同一の義務を負わない → 誤り。46条2項により同一の義務を負う。
- 占有者は総会で議決権を持つ → 誤り。意見陳述はできるが議決権はない。
- 共有者は届出をしなければ持分割合で議決権を行使できる → 誤り。40条により1名を定める必要がある。
- 期間の定めのない賃貸借は自動的に1年契約とみなされる → 誤り。そのような規定はない。
到達目標(教科書)
目標1部屋が売られたとき、前の持ち主の滞納を買主に請求できる根拠(特定承継人・区分所有法8条)と、請求までの手順を言える。
| 順番 | やること | 条文 |
|---|---|---|
| 1 重説依頼 | 宅建業者が重要事項調査報告書を請求 | 標準委託契約書15条 |
| 2 報告書発行 | 管理業者が発行、手数料は宅建業者負担 | 15条2項 |
| 3 売買成立 | 買主が特定承継人になる | 区分所有法8条 |
| 4 変更届出 | 買主が区分所有者変更届を直ちに提出 | 規約31条 |
| 5 未届の場合 | 登記で確認して買主へ請求 | |
| 承継の範囲 | 競売の買受人も特定承継人に含む | 判例・通説 |
ひっかけ: 「知らずに買えば払わなくてよい」は誤り。善意・悪意問わない
- 買主(特定承継人)は、前の持ち主の滞納管理費の支払義務を承継する。
- 根拠は区分所有法7条(先取特権=部屋そのものに担保)と8条(特定承継人にも請求できる)。
- 買主が滞納の存在を知らなくても(善意・悪意を問わず)支払義務を負う。
- 買主が払っても前の持ち主の債務は消えない。組合は両方に請求でき、買主は前の持ち主に求償できる。
- 競売の買受人も特定承継人にあたる(条文に明文はなく判例・通説)。
- 手順: 宅建業者からの依頼→重要事項調査報告書(標準管理委託契約書第15条、別表第5)を発行→売買成立→区分所有者変更届(規約31条、直ちに書面)→未届なら登記で確認→買主へ請求。
- 調査報告書の作成手数料は開示を受ける相手方(宅建業者)から受け取れる(15条2項)。
- ひっかけ: 「競売なら承継しない」「知らずに買えば払わなくてよい」はいずれも誤り。
目標2持ち主が亡くなったとき、誰が相続人になり、どの割合で管理費を負うのか、相続放棄されたら組合は何をするのかを言える。
| 場面 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 相続人順位 | 配偶者は常に、子→尊属→兄弟姉妹の順 | |
| 法定相続分 | 配偶者と子は各2分の1など | |
| 死亡までの滞納 | 法定相続分で分割請求 | |
| 相続放棄 | 3か月以内に家庭裁判所へ申述 | 民法915条 |
| 放棄と代襲 | 放棄は代襲原因ではない | |
| 全員放棄 | 組合が相続財産の清算人選任を申立て | 民法952条 |
| 共有時の議決権 | 持分価格の過半数で1人定める | 区分所有法40条 |
ひっかけ: 相続放棄の熟慮期間は3か月。「10か月」は誤り
- 相続人の順位: 配偶者は常に相続人。第1順位=子、第2順位=直系尊属、第3順位=兄弟姉妹(上位者がいれば下位は相続人にならない)。
- 法定相続分: 配偶者と子=各2分の1/配偶者と直系尊属=配偶者3分の2・直系尊属3分の1/配偶者と兄弟姉妹=配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1。同順位が複数なら頭割り。
- 死亡日までの滞納は法定相続分に応じて分割請求。死亡後に発生する管理費は共有する相続人全員に請求(「連帯債務」と断定はしない)。
- 相続放棄: 熟慮期間3か月(自己のために相続の開始があったことを知った時から起算)、家庭裁判所に申述(915条・938条・939条)。利害関係人の請求で伸長可。
- 相続放棄をした者は初めから相続人でなかったものとみなされる。放棄は代襲原因ではない(欠格・廃除・死亡のみが代襲原因)。
- 相続人全員が放棄したら、管理組合は利害関係人として家庭裁判所に相続財産の清算人の選任を申し立てる(民法952条)。清算人が部屋を換価して滞納を清算。
- 専有部分が共有になったら、共有者は持分の価格の過半数で議決権行使者を一人定める(区分所有法40条、2026年4月改正で決め方が明記)。
- ひっかけ: 「遺産分割で相続人が決まるまで請求できない」「10か月以内に放棄」はいずれも誤り。
目標3賃借人(占有者)に管理規約が及ぶ範囲と、賃貸借の基本を言える。
| 論点 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 占有者の義務 | 区分所有者と同一の義務を負う | 6条3項・46条2項 |
| 規約の効力 | 占有者にも及ぶ、知不知は問わない | 46条1項 |
| 集会での扱い | 意見陳述はできるが議決権なし | 44条1項 |
| 賃貸時の届出 | 誓約書と借用の届出を提出 | 規約19条2項・3項 |
| 敷金 | 明渡し時に清算、通常損耗は不要 | 民法622条の2 |
| 更新拒絶通知 | 期間満了の1年〜6か月前まで | 借地借家法26条 |
ひっかけ: 占有者は議決権を持たない。「議決権あり」は誤り
- 占有者は建物の管理・使用に関し、区分所有者と同一の義務を負う(6条3項の準用、46条2項)。
- 規約・集会決議は特定承継人・占有者にも効力が及ぶ(46条1項・2項)。内容を知っていたかは問わない。
- 占有者は利害関係があれば集会に出席して意見を述べることができる(44条1項)が、議決権は持たない。
- 44条2項の掲示事項に、2026年4月改正で議案の要領が追加された。
- 賃貸に出す区分所有者は、借主から規約遵守の誓約書(規約19条2項)と借用した旨の届出(19条3項)を提出させる。
- 賃貸借の基本: 賃貸人の修繕義務(民法606条、賃借人の帰責事由は除く)、無断転貸の禁止(612条、違反は解除事由)、敷金は返還・明渡し時に清算(622条の2)、通常損耗は原状回復義務なし(621条)。
- 借地借家法: 更新拒絶の通知は期間満了の1年前から6か月前まで(26条)、正当の事由が必要(28条)。
- ひっかけ: 「賃借人は使用方法の義務を負わない」「規約は借主に効かない」「敷金は契約時に即返還」はいずれも誤り。
次の事項のうち、区分所有法の規定によれば、規約で別段の定めをすることができないものはどれか。 1 専有部分と敷地利用権の分離処分の禁止 2 先取特権の被担保債権の範囲 3 集会におけるあらかじめ通知していない事項(集会の決議につき特別の定数が定められているものを除く。)の決議 4 解散した管理組合法人の残余財産の帰属の割合
正解: 2. 先取特権の被担保債権の範囲
- ① × 誤り。選択肢では分離処分の禁止は規約で別段の定めができないとするが、実際は区分所有法22条1項ただし書により規約で別段の定めができる。
- ② ○ 正しい。区分所有法7条には「規約で別段の定め」を許す規定がなく、先取特権の被担保債権の範囲は規約で変更できない。
- ③ × 誤り。選択肢では未通知事項の決議は規約で定められないとするが、実際は区分所有法37条2項により特別定数の事項を除き規約で定められる。
- ④ × 誤り。選択肢では残余財産の帰属割合は規約で定められないとするが、実際は区分所有法56条により規約に別段の定めができる。
- 条文: 区分所有法22条1項「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。」
- 条文: 区分所有法7条1項「区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について…先取特権を有する。」
- 条文: 区分所有法37条2項「前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。」
- 条文: 区分所有法56条「解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、第十四条に定める割合と同一の割合で各区分所有者に帰属する。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「できる」規定を「できない」に反転させる選択肢を混ぜる)。
- まとめ: 規約で別段の定めができないのは区分所有法7条の先取特権の被担保債権の範囲のみ。
- 改正に関する注記: この単元の直接の出題パターンではないが、区分所有法22条(分離処分の禁止)と区分所有法7条(先取特権)の理解を横断的に問う設問として、design.md §2-5 の範囲に含めて収録した。
補足: この単元の直接の出題パターンではないが、22条(分離処分の禁止)と7条(先取特権)の理解を横断的に問う設問として、design.md §2-5 の範囲に含めて収録した。
区分所有法第8条に規定される特定承継人の責任に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものの組み合わせはどれか。 ア 債務者たる区分所有者の特定承継人とは、特定の原因により区分所有権を承継して実質的に区分所有関係に入る者をいい、単に当該区分所有権を転売する目的で取得した者は、特定承継人には該当しない。 イ 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。 ウ 区分所有者は、規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。 エ マンションの外壁の剥落(はくらく)事故により負傷した第三者は、事故後に当該マンションの区分所有者となった特定承継人に対して、その損害の賠償を請求することができる。
正解: 3. ア・エ
- ア × 誤り。選択肢では「転売目的の取得者は特定承継人に当たらない」だが、実際は区分所有法8条は取得目的を問わず含む。
- イ ○ 正しい。区分所有法7条1項前段の債権(共用部分等の債権)は区分所有法8条により特定承継人に行使できる。
- ウ ○ 正しい。区分所有法7条1項後段の規約・決議に基づく債権(管理費等)も区分所有法8条の対象になる。
- エ × 誤り。選択肢では外壁剥落の賠償請求権も承継されるとするが、実際は民法709条・717条の債権で区分所有法7条1項外のため承継されない。
- 条文: 区分所有法7条1項「区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について…先取特権を有する。」
- 条文: 区分所有法8条「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
- 引っかけ: 条文の混同(区分所有法8条が承継させる範囲を区分所有法7条1項の外まで広げる誤り)。
- まとめ: 誤りはア・エ→選択肢3が正解。区分所有法8条は区分所有法7条1項の債権に限られる。
区分所有者が、その所有する住戸を賃貸している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、不適切なものの組合せはどれか。ア賃貸借契約において、管理費の支払は賃借人が行う旨の合意があった場合でも、賃貸人である区分所有者が管理費の支払義務を負う。イ賃借人は、建物の使用方法に関して、区分所有者が集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うものではない。ウ賃借人は、住戸の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害が発生した場合には、その賃借人の免責事由の有無にかかわらず、損害賠償責任を負う。
正解: 3. イ・ウ
- ア ○ 適切。管理費の債務者は区分所有者(区分所有法19条)。賃貸借契約の取決めは組合に対抗できない。
- イ × 不適切。選択肢では「占有者は集会決議に基づく義務と同一の義務を負わない」だが、実際は区分所有法46条2項により同一の義務を負う。
- ウ × 不適切。選択肢では免責事由を問わず責任を負うとするが、実際は民法717条1項で占有者は注意を尽くせば免責される。
- 不適切な組み合わせはイ・ウ→選択肢3が正解。
- 条文: 区分所有法19条「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。」
- 条文: 区分所有法46条2項「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」
- 条文: 民法717条1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は…賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(占有者と所有者の責任の所在を入れ替える)。
- まとめ: 占有者は使用方法につき区分所有者と同一の義務を負うが、工作物責任は免責されうる。
甲マンションに居住している組合員Aが死亡し、同居する妻Bと、甲マンションの近隣に住む子Cが共同相続した場合に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 2. Cが議決権を行使する者としての届出をしたときは、Bは、議決権を行使することができない。
- ① × 誤り。選択肢では通知をBC両方に発するとするが、実際は区分所有法35条2項により議決権行使者(いなければ共有者の一人)で足りる。
- ② ○ 正しい。区分所有法40条・標準管理規約46条2項3項により共有者は一の組合員とみなされ、Cが議決権行使者を届け出た以上行使できるのはCのみ。
- ③ × 誤り。選択肢では届出なしで持分割合行使できるとするが、実際は区分所有法40条で議決権行使者一人を定める必要があり個別行使は不可。
- ④ × 誤り。選択肢ではCは居住しないので役員になれないとするが、実際は役員の居住要件は既に外され、組合員なら居住なしでも役員になれる。
- 条文: 標準管理規約第46条2項「住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。」
- 条文: 標準管理規約第46条3項「前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「議決権行使者一人で足りる」を「全員に通知・全員が個別行使」にすり替える)。
- まとめ: 共有者は議決権行使者1名を届出。届け出た者以外は行使できない。
- 改正に関する注記: 区分所有法40条は2026年4月1日改正で「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」と改まった。「一人を定めなければならない」という結論(本問の正解)は変わらないが、今後は「どう決めるか」(持分の価格の過半数)まで問われる可能性が高い。
補足: 40条は2026年4月1日改正で『専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。』と改まった。『一人を定めなければならない』という結論(本問の正解)は変わらないが、今後は『どう決めるか』(持分の価格の過半数)まで問われる可能性が高い。
Aが、自己所有の住戸をBに賃貸する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 2. Bは、建物賃借権についての登記がなくても、Aから建物の引渡しを受けた場合には、その後に当該建物をAから買い受けた第三者に対して、建物賃借権を対抗することができる。
- ① × 誤り。選択肢では業務用に賃借した場合は借地借家法の適用がないとするが、実際は建物賃貸借一般に適用され、居住用か事業用かを問わない。
- ② ○ 正しい。借地借家法31条は、登記なくとも引渡しがあれば物権取得者に対抗できると定める(引渡し=対抗要件)。
- ③ × 誤り。選択肢では定期建物賃貸借は必ず公正証書によるとするが、実際は借地借家法38条1項は書面であればよく公正証書に限られない。
- ④ × 誤り。選択肢では期間なしなら1年とみなすとするが、実際は「期間の定めのない賃貸借」になるだけで1年とみなす規定はない。
- 条文: 借地借家法31条「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。」
- 条文: 借地借家法38条1項「期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り…契約の更新がないこととする旨を定めることができる。」
- 条文: 借地借家法29条1項「期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。」
- 引っかけ: 条文の混同(借地借家法29条1項の「1年未満は期間の定めなしとみなす」を「期間の定めなしは1年とみなす」に混同させる)。
- まとめ: 対抗要件は引渡し(借地借家法31条)。定期借家は書面であればよく公正証書限定ではない。
あなたは管理業務主任者。組合員Aが死亡し、配偶者Bと子C・Dの2人が相続人である。Aの死亡日までの滞納管理費が40万円ある場合、それぞれへの請求額として正しいものはどれか。
正解: 2. B20万円、C10万円、D10万円
- ① × 誤り。選択肢ではB20万・C20万・D0円とするが、実際は配偶者2分の1・子2分の1を子2人で均等分割しC・Dは各10万円。
- ② ○ 正しい。民法900条1号により配偶者2分の1・子2分の1(子2人なら各4分の1)。40万円なら、B=20万円、C・D=各10万円。
- ③ × 誤り。選択肢では約13.3万円ずつ均等とするが、実際は配偶者と子で先に2分の1ずつ分けるため3等分の頭割りにはならない。
- ④ × 誤り。選択肢では全額をBのみに請求するとするが、実際はC・Dにもそれぞれ相続分に応じて請求できる。
- 条文: 民法900条1号「子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。」
- 引っかけ: 数字のずらし(配偶者と子の按分を単純な頭割りにすり替える)。
- まとめ: 配偶者と子2人なら、配偶者2分の1・子は各4分の1(40万円ならB20万・C10万・D10万)。
マンションの管理費の滞納等に関して、管理業務主任者(マンション管理適正化法第2条第9号に規定する者をいう。以下同じ。)が管理組合の管理者等に対して行った次のア〜エの説明のうち、誤っているものの組み合わせはどれか。 ア 滞納管理費の額が60万円以下のときは、民事訴訟法に定める「少額訴訟」の手続によらなければなりません。 イ 管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、当該区分所有権を取得する相続人が決定していなくても、すべての相続人に対し、その法定相続分に応じて滞納管理費を請求することができます。 ウ 専有部分の売買契約によって、区分所有権を取得した買主は、売主が滞納していた管理費の支払債務を負いますが、売主の支払債務がなくなるわけではありません。 エ 区分所有者が破産手続開始の決定を受けたときは、当該区分所有者は、破産手続開始決定の日の翌日以降の管理費の支払債務を負わなくてよいことになります。
正解: 2. ア・エ
- ア × 誤り。選択肢では「60万円以下は少額訴訟によらなければならない」だが、実際は少額訴訟は任意の手続(民事訴訟法368条)。
- イ ○ 正しい。滞納管理費は可分債務で、相続開始と同時に法定相続分に応じ当然分割承継される(民法896条・899条)。
- ウ ○ 正しい。区分所有法8条により買主は承継するが、売主の債務は消えない。
- エ × 誤り。選択肢では「破産手続開始後は管理費を負わなくてよい」だが、実際は区分所有者である限りその後の管理費支払義務を負う。
- 条文: 民事訴訟法368条1項「簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。」
- 条文: 民法899条「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(少額訴訟の「できる」を「しなければならない」にすり替え)。
- まとめ: 誤りはア・エ→選択肢2が正解。
集会に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 1. 区分所有者全員の同意があるときは、会議の目的たる事項や議案の要領を通知しなくても、集会を開くことができる。
- ① ○ 正しい。区分所有法36条は区分所有者全員の同意があれば招集手続を経ず集会を開けると定め、通知の中身も不要になる。※「全員の同意」があるときに限って手続を省略できるという条件付きの規定だが、条文どおりで正しい。
- ② × 誤り。選択肢では招集請求の定数を「4分の1」に引き上げられるとするが、実際は区分所有法34条3項の定数は規約で減ずることしかできない。
- ③ × 誤り。選択肢では意見陳述に賃貸人の同意が要るとするが、実際は区分所有法44条1項の要件は区分所有者の承諾のみで別途の同意は不要。
- ④ × 誤り。選択肢では知らない買主には規約・決議の効力が生じないとするが、実際は区分所有法46条1項により知不知を問わず効力が及ぶ。
- 条文: 区分所有法36条「集会は、区分所有者(…)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。」
- 条文: 区分所有法34条3項「区分所有者の五分の一以上の者であつて議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。」
- 条文: 区分所有法44条1項「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」
- 条文: 区分所有法46条1項「規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(定数を「減らせる」規定を「増やせる」に反転)。
- まとめ: 全員同意で招集手続省略。規約・決議は知不知問わず特定承継人に及ぶ。
相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2. 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
- ① × 誤り。選択肢では未成年者の放棄は取消不可とするが、実際は法定代理人の同意なき放棄は取消せる(民法5条2項)。
- ② ○ 正しい。民法923条「限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる」。放棄は各自単独でできる点と対比される。
- ③ × 誤り。選択肢では「開始があった時」から3か月とするが、実際は「開始を知った時」から起算する(民法915条1項)。
- ④ × 誤り。選択肢では放棄したBの子Cが代襲するとするが、実際は相続放棄は代襲原因でないため代襲しない。
- 条文: 民法5条2項「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。」
- 条文: 民法923条「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。」
- 条文: 民法915条1項「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」
- 引っかけ: 基準のすり替え(熟慮期間の起算点を「開始時」にすり替える)。
- まとめ: 限定承認は全員共同、放棄は各自単独。熟慮期間は「知った時」から3か月。
普通建物賃貸借において、期間満了に伴う更新拒絶の通知は、借地借家法によればいつまでにする必要があるか。
正解: 2. 期間満了の1年前から6か月前まで
- ① × 誤り。選択肢では3か月前から1か月前までとするが、実際は期間満了の1年前から6か月前まで(借地借家法26条1項)。
- ② ○ 正しい。借地借家法26条1項は期間満了の1年前〜6月前に更新拒絶通知がなければ従前条件で更新したとみなすと定める。※「1年前から6月前まで」という特定の期間指定に見えるが、条文どおりの窓なので正しい。
- ③ × 誤り。選択肢では6か月前から3か月前までとするが、実際は1年前から6か月前まで。
- ④ × 誤り。選択肢では期間満了後1か月以内とするが、実際は満了前の1年〜6か月前までにする必要がある。
- 条文: 借地借家法26条1項「期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」
- 引っかけ: 数字のずらし(1年前〜6か月前を短い期間にずらす)。
- まとめ: 更新拒絶通知は期間満了の1年前から6か月前まで(借地借家法26条1項)。
あなたは管理業務主任者。組合員Aが死亡し、配偶者はおらず、子E・F・Gの3人のみが相続人である。Aの死亡日までの滞納管理費が30万円ある場合、それぞれへの請求額として正しいものはどれか。
正解: 1. 各10万円ずつ均等
- ① ○ 正しい。配偶者がいないため子3人が同順位で頭割りする(民法900条4号)。30万円を3等分し、各10万円。
- ② × 誤り。選択肢では長子に全額とするが、実際は子は全員均等な頭割りで、長子優遇の規定はない。
- ③ × 誤り。選択肢では2人分のみ各15万円とするが、実際は子3人全員に相続分がある。
- ④ × 誤り。選択肢では請求できないとするが、実際は相続開始と同時に子3人へ分割承継されるので請求できる。
- 条文: 民法900条4号「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(均等な頭割りを「長子優遇」にすり替える)。
- まとめ: 配偶者なしで子3人のみなら、各3分の1の頭割り(30万円なら各10万円)。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 4. 競売手続によってマンションの区分所有権を取得した場合には、買受人は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継しない。
- ① ○ 正しい。遅延損害金は規約に定めがなくても民法の法定利率により請求できる。
- ② ○ 正しい。管理費の債務者は区分所有者(区分所有法19条)。賃貸借の内部取決めは組合に対抗できない。
- ③ ○ 正しい。区分所有法8条は買主に「対しても」請求できる規定で、売主の債務は消えない。※「対しても」は買主にも請求を広げる文言であり、売主の債務が消えるとは書いていないので正しい。
- ④ × 誤り。選択肢では「買受人は承継しない」だが、実際は競売の買受人も特定承継人にあたり承継する(区分所有法8条)。
- 条文: 区分所有法19条「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。」
- 条文: 区分所有法8条「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(競売なら例外的に承継しない、という誤った例外を作る)。
- まとめ: 特定承継人は売買・競売問わず滞納を承継する。善意・悪意も問わない。
占有者は、利害関係があれば集会に出席して意見を述べることができるが、議決権を行使することはできない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。区分所有法44条1項は出席・意見陳述を認めるにとどまり、議決権は区分所有者に属する。
- ② 「占有者が総会で議決権を持つ」は典型的な誤り。
- 条文: 区分所有法44条1項「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(意見陳述権を議決権にまで拡張する誤り)。
- まとめ: 占有者は意見陳述はできるが議決権は持たない。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 1. 管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、その相続人のあることが明らかでないときは、管理組合は、家庭裁判所に対し相続財産の清算人の選任を請求することができる。
- ① ○ 正しい。民法952条1項により、家裁は利害関係人(債権者の管理組合を含む)又は検察官の請求で清算人を選任する。
- ② × 誤り。選択肢では熟慮期間を「10箇月」とするが、実際は「3箇月」(民法915条1項)。
- ③ × 誤り。選択肢では遺産分割まで請求できないとするが、実際は可分債務として当然分割承継されるので待たずに請求できる。
- ④ × 誤り。選択肢では遅延損害金を請求できないとするが、実際は民法896条により一切の権利義務ごと承継する。
- 条文: 民法952条1項「前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。」
- 条文: 民法915条1項「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」
- 条文: 民法896条「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」
- 引っかけ: 数字のずらし(熟慮期間の「3箇月」を「10箇月」にずらす)。
- まとめ: 清算人は利害関係人の請求で選任。熟慮期間は3箇月。滞納は分割承継される。
借地借家法26条1項の更新拒絶の通知は、賃貸人からだけでなく、賃借人からも同じ期間内にすることができる。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。借地借家法26条1項は「当事者が」更新をしない旨の通知等をしなかったときと定め、賃貸人・賃借人いずれの通知にも適用される。
- ② 賃借人側からの更新拒絶通知も同じ1年前〜6か月前の期間内に行う必要がある。
- 条文: 借地借家法26条1項「当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知…をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(適用対象が双方に及ぶことを確認する知識問題)。
- まとめ: 更新拒絶の通知期間は賃貸人・賃借人どちらにも適用される(借地借家法26条1項)。
宅地建物取引業者から「303号室の売却を預かった」として重要事項調査報告書の交付を求められた。管理業者の対応として、標準管理委託契約書によれば最も適切なものはどれか。
正解: 2. 宅地建物取引業者から理由を付した書面による求めがあれば、管理組合に代わって管理規約等の写しを提供し、別表第5に掲げる事項を開示することができる。
- ① × 誤り。選択肢では「区分所有者本人以外には応じてはならない」だが、実際は宅建業者の書面請求にも開示できる(委託契約書15条1項)。
- ② ○ 正しい。理由を付した書面での求めがあれば、組合に代わり規約等の写しを提供し別表第5の事項を開示できる(委託契約書15条1項)。※「理由を付した書面」という条件付きの開示だが、これは制限ではなく開示できる根拠を定めた条文どおりの内容なので正しい。
- ③ × 誤り。選択肢では「滞納額は開示してはならない」だが、実際は別表第55号に滞納額・遅延損害金の有無を記載する。
- ④ × 誤り。選択肢では「積立方式は含まれない」だが、実際は別表第56号(4)に積立方式(均等・段階増額)を記載する。
- 条文: 標準管理委託契約書第15条1項「乙は、甲の組合員から当該組合員が所有する専有部分の売却等の依頼を受けた宅地建物取引業者が…理由を付した書面の提出…により…管理規約等の提供又は別表第5に掲げる事項の開示を求めてきたときは、甲に代わって…提供し…開示するものとする。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(開示できる場面を「いかなる場合も不可」にすり替え)。
- まとめ: 理由を付した書面があれば宅建業者へ管理規約等・別表第5事項を開示できる。
標準管理規約上、区分所有者の資格の得喪の届出は、資格が変動した日から2週間以内にすればよい。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では「資格変動から2週間以内にすればよい」だが、実際は「直ちに」書面で届け出る(規約31条1項)。
- ② 「2週間」のような猶予期間は規約に定められていない。
- 条文: 標準管理規約第31条1項「新たに組合員の資格を取得し、又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない。」
- 引っかけ: 数字のずらし(猶予なしの「直ちに」を具体的な日数にすり替え)。
- まとめ: 得喪の届出は「直ちに」。日数の猶予はない。
占有者が共同の利益に反する行為をした場合、区分所有法6条1項自体が占有者に直接適用されるのではなく、同条3項によって同条1項の規定が占有者に準用される。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。区分所有法6条1項は区分所有者を名宛人とする規定で、区分所有法6条3項の準用によって初めて占有者にも及ぶ。
- ② 「準用」という構造そのものが出題される典型論点。
- 条文: 区分所有法6条1項「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」
- 条文: 区分所有法6条3項「第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(条文の構造(直接適用か準用か)を問う知識問題)。
- まとめ: 占有者への適用は区分所有法6条3項の準用によるもので、1項が直接適用されるのではない。
区分所有者が住戸を賃貸するとき、標準管理規約第19条により賃借人から管理組合へ提出させるべき書類の組み合わせとして正しいものはどれか。
正解: 3. 規約遵守の誓約書と、専有部分を借用した旨の届出の両方
- ① × 誤り。選択肢では誓約書のみでよいとするが、実際は誓約書と借用の届出の両方を提出させる必要がある(標準管理規約19条2項・3項)。
- ② × 誤り。選択肢では借用の届出のみでよいとするが、実際は誓約書の提出も必要。
- ③ ○ 正しい。標準管理規約19条2項は規約遵守の誓約書、標準管理規約19条3項は借用した旨の届出を、それぞれ区分所有者が借主に提出させる義務として定める。
- ④ × 誤り。選択肢では両方とも不要とするが、実際はいずれも提出させる必要がある。
- 条文: 標準管理規約第19条2項「…その貸与に係る契約にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めるとともに、契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。」
- 条文: 標準管理規約第19条3項「…区分所有者は、当該第三者に、専有部分を借用した旨の届出を管理組合に提出させなければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「両方必要」を「一方のみ」「不要」に部分化する)。
- まとめ: 賃貸に出す区分所有者は誓約書(標準管理規約19条2項)と借用の届出(標準管理規約19条3項)の両方を提出させる。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者に対して訴訟を提起するためには、事前に内容証明郵便による督促を行う必要がある。
- ① ○ 正しい。民法152条1項により、債務の承認(滞納額を認める)はその時から時効の更新事由となる。
- ② ○ 正しい。民法896条・899条により、滞納管理費は可分債務として相続分に応じ当然に分割承継される。居住の有無は無関係。
- ③ × 誤り。選択肢では訴訟提起に事前の内容証明郵便による督促が必要とするが、実際はそのような要件はない。
- ④ ○ 正しい。民法939条により、相続人全員が放棄すれば、いずれも初めから相続人でなかったものとみなされ滞納債務を負わない。
- 条文: 民法152条1項「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。」
- 条文: 民法899条「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」
- 条文: 民法939条「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(不要な手続を「必要」として要件化する)。
- まとめ: 訴訟提起に督促前置は不要。滞納は分割承継、全員放棄なら誰も負わない。
賃借人が賃貸人の承諾を得ずに第三者に住戸を転貸した場合の効果として、民法の規定によれば正しいものはどれか。
正解: 3. 賃貸人の承諾を得ずに第三者に使用収益させたときは、賃貸人は契約を解除することができる
- ① × 誤り。選択肢では転貸借は当然に無効になるとするが、実際は無断転貸でも当然無効ではなく、賃貸人に解除権が生じるにとどまる。
- ② × 誤り。選択肢では理由問わずいつでも解除できるとするが、実際は無断使用収益の場合に限られ、判例上の制限もある。
- ③ ○ 正しい。民法612条2項は、賃借人が無断で第三者に使用収益させたとき賃貸人は契約を解除できると定める。
- ④ × 誤り。選択肢では承諾のない転貸を自由に行えるとするが、実際は民法612条1項により賃貸人の承諾が必要。
- 条文: 民法612条1項「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」
- 条文: 民法612条2項「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(解除「できる」を当然無効・無条件解除にすり替える)。
- まとめ: 無断転貸は当然無効ではなく、賃貸人に解除権が生じる(民法612条2項)。
敷金の返還時期について、民法の規定によれば正しいものはどれか。
正解: 2. 賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに、未払賃料等を控除した残額を返還する
- ① × 誤り。選択肢では契約締結時に直ちに返還義務が生じるとするが、実際は終了かつ返還を受けた時に生じる(民法622条の2)。
- ② ○ 正しい。民法622条の2第1項1号「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」に、未払賃料等を控除した残額を返還する。※「終了し、かつ、返還を受けたとき」という2つの条件が重なる書き方だが、条文どおりで正しい。
- ③ × 誤り。選択肢では退去通知の時点で返還義務が生じるとするが、実際は賃貸物の返還を受けた時点が基準。
- ④ × 誤り。選択肢では原則返還されないとするが、実際は控除後の残額は返還されるのが原則。
- 条文: 民法622条の2第1項「賃貸人は、敷金…を受け取っている場合において、次に掲げるときは…その受け取った敷金の額から…債務の額を控除した残額を返還しなければならない。一賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。」
- 引っかけ: 基準のすり替え(返還時期の基準を「契約締結時」「通知時」にずらす)。
- まとめ: 敷金は賃貸借終了かつ返還を受けたときに、控除後の残額を返す(民法622条の2第1項)。
あなたは管理業務主任者。303号室(滞納管理費30万円)が売却され、買主Xに所有権が移転した。次のうち正しいものはどれか。
正解: 3. 買主Xは滞納管理費の支払義務を負い、売主の支払義務も消滅しない。組合はどちらにも請求できる
- ① × 誤り。選択肢では買主は知らなかったので支払義務を負わないとするが、実際は区分所有法8条は善意・悪意を問わず支払義務を負う。
- ② × 誤り。選択肢では売主の支払義務は消滅するとするが、実際は区分所有法8条は買主に「対しても」請求できる規定で、売主の債務は消えない。
- ③ ○ 正しい。買主は特定承継人として義務を負い、売主の義務も消えない。組合は双方に請求でき買主は売主に求償できる。
- ④ × 誤り。選択肢では報告書を未受領なら義務を免れるとするが、実際は受領の有無にかかわらず区分所有法8条の義務は生じる。
- 条文: 区分所有法8条「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(善意・書類不受領を免除事由に仕立てる)。
- まとめ: 買主は善意でも義務を負い、売主の義務も消えない。組合は双方に請求できる。
あなたは管理業務主任者。組合員Aが死亡し、相続人となるはずだった者全員が相続放棄をした。組合が滞納管理費を回収するために取るべき手続として正しいものはどれか。
正解: 2. 管理組合は利害関係人として家庭裁判所に相続財産の清算人の選任を申し立てることができる
- ① × 誤り。選択肢では何もできず滞納は消滅するとするが、実際は債務自体は消えず、相続財産の清算人による清算に委ねられる。
- ② ○ 正しい。民法952条1項により、相続人不存在なら利害関係人(債権者の組合を含む)又は検察官の請求で家裁が清算人を選任する。
- ③ × 誤り。選択肢では組合が区分所有権を強制的に取得するとするが、実際はそのような強制取得の制度はない。
- ④ × 誤り。選択肢では放棄者に引き続き請求できるとするが、実際は初めから相続人でなかったとみなされ請求できない(民法939条)。
- 条文: 民法952条1項「前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。」
- 条文: 民法939条「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(清算人選任という正規の手続を「何もできない」「強制取得」に置き換える)。
- まとめ: 相続人全員放棄なら、組合は利害関係人として清算人の選任を申し立てる(民法952条1項)。
あなたは管理業務主任者。賃借人が使用細則に違反してペットを飼育し、近隣から苦情が出ている。組合が取りうる対応として適切なものはどれか。
正解: 2. 賃借人は占有者として使用方法について区分所有者と同一の義務を負うため、賃借人に是正を求めることができる。あわせて区分所有者にも指導を求める
- ① × 誤り。選択肢では区分所有者にのみ請求できるとするが、実際は占有者にも直接是正を求められる(区分所有法6条3項・46条2項)。
- ② ○ 正しい。占有者は使用方法につき同一の義務を負うため賃借人に直接是正を求められ、区分所有者にも指導を求める。
- ③ × 誤り。選択肢では賃借人は規約に拘束されないとするが、実際は区分所有法46条2項により規約・決議に基づく義務を占有者も負う。
- ④ × 誤り。選択肢では組合が賃貸借契約を一方的に解除できるとするが、実際は組合は賃貸借契約の当事者ではなく、契約の解除権を持たない。
- 条文: 区分所有法46条2項「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」
- 条文: 標準管理規約第19条1項「区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(是正を求める相手を区分所有者のみに限定する)。
- まとめ: 占有者にも是正を直接求められる。区分所有者にも規約遵守の指導を求める。
重要事項調査報告書を作成する管理業者は、その作成手数料を、依頼を出した区分所有者(売主)ではなく、開示を受ける相手方(宅地建物取引業者等)から受け取ることができる。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。標準管理委託契約書15条2項により、開示を受ける相手方(宅建業者等)から費用を受領できる。
- ② 依頼した売主(区分所有者)から別途受け取る必要はなく、毎月の委託業務費とは別の収入になる。
- 条文: 標準管理委託契約書第15条2項「乙は、前項の業務に要する費用を管理規約等の提供又は別表第5に掲げる事項の開示を行う相手方から受領することができるものとする。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(依頼主の区分所有者から取る、という誤りに誘導しやすい)。
- まとめ: 調査報告書の手数料は開示の相手方=宅建業者から受け取れる(委託契約書15条2項)。
303号室の売買が成立し、新しい区分所有者に所有権が移転した。標準管理規約の届出義務に関する記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 2. 新たに組合員の資格を取得した者は、直ちに書面によりその旨を管理組合に届け出なければならない。
- ① × 誤り。選択肢では「新たに資格を取得した者は届出義務を負わない」だが、実際は直ちに書面で届け出る義務を負う(規約31条1項)。
- ② ○ 正しい。規約31条1項は「直ちにその旨を書面により…届け出なければならない」と定める。※「直ちに」は猶予期間なしという厳しい要件に見えるが、条文どおりの正しい内容。
- ③ × 誤り。選択肢では「口頭でよい」だが、実際は書面によることが要件。
- ④ × 誤り。選択肢では「喪失した旧組合員には適用されない」だが、実際は取得・喪失いずれも届出義務の対象。
- 条文: 標準管理規約第31条1項「新たに組合員の資格を取得し、又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「書面」を「口頭可」にすり替え)。
- まとめ: 資格の得喪はいずれも「直ちに書面で」届け出る(規約31条1項)。
区分所有法8条は、買主が売主の滞納の存在を知っていたか知らなかったかを問わずに適用される。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。区分所有法8条に善意・悪意の区別はなく、買主が滞納の存在を知らずに買っても支払義務を負う。※条文には「知らなかったときを除く」といった例外がなく、善意でも適用されるので正しい。
- ② だからこそ売買前に重要事項調査報告書で滞納額を必ず開示する必要がある。
- 条文: 区分所有法8条「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「知らなければ免れる」という誤った例外を作る典型)。
- まとめ: 区分所有法8条は善意・悪意を問わない。「知らなかったから免除」は誤り。
贈与によって区分所有権を取得した者も、区分所有法8条の特定承継人として、前の区分所有者の滞納管理費の支払義務を負う。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。特定承継人は売買の買主に限らず、贈与・交換・競売など個別の原因で承継した者を広く含む。
- ② 区分所有法8条の「特定承継人」は取得原因を限定していない。
- 条文: 区分所有法8条「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(「売買の買主」限定という誤った限定を加える)。
- まとめ: 特定承継人は売買に限らず贈与・競売等も含む。
競売による買受人が区分所有法8条の特定承継人にあたることは、区分所有法の条文に明文で規定されている。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では「条文に明文で規定されている」だが、実際は区分所有法8条は「特定承継人」とだけ定め、競売の買受人が含まれるとは明記していない。
- ② 買受人も特定承継人にあたるというのは判例・通説による解釈であり、条文の明文ではない。
- 条文: 区分所有法8条「前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」
- 引っかけ: 条文の混同(判例・通説による解釈を条文の明文と取り違えさせる)。
- まとめ: 競売買受人が特定承継人に含まれるのは解釈であり、条文の明文ではない。
規約に基づいて発生する遅延損害金の債権は、区分所有法7条1項後段の『規約若しくは集会の決議に基づき有する債権』に含まれ得るため8条の対象になり得るが、条文上『遅延損害金』という語そのものは書かれていない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。区分所有法7条1項後段「規約若しくは集会の決議に基づき…有する債権」に規約上の遅延損害金債権も含まれ得るため、区分所有法8条の対象になり得る。
- ② ただし条文上「遅延損害金」という語そのものは書かれておらず、承継の可否は実務・裁判例の扱いにとどまる。
- 条文: 区分所有法7条1項「区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について…先取特権を有する。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(条文の文言と実務解釈の区別を問う知識問題)。
- まとめ: 遅延損害金の承継は断定せず、条文には明文がない事実にとどめて理解する。
区分所有法46条2項により、規約の効力は占有者(賃借人)本人に対しても、その使用方法に関する限り及ぶ。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。区分所有法46条2項は「占有者は…使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う」と定める。※「使用方法につき」という限定は条文どおりの範囲であり、限定があるからといって誤りではない。
- ② 効力が及ぶのは「使用方法」に関する義務に限られる。
- 条文: 区分所有法46条2項「占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(条文の射程を確認する知識問題)。
- まとめ: 占有者は使用方法について区分所有者と同一の義務を負う(区分所有法46条2項)。
占有者が意見を述べうる集会について、招集通知を発した後の掲示事項には、2026年4月の改正によって『議案の要領』が追加された。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。改正前の44条2項は「日時、場所及び会議の目的たる事項」の掲示のみだったが、2026年4月改正で「議案の要領」が加わった。
- ② 招集通知の内容を掲示にも合わせる改正といえる。
- 条文: 区分所有法44条2項(2026年4月改正後)「…集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(改正内容そのものを問う知識問題)。
- まとめ: 区分所有法44条2項の掲示事項は2026年4月改正で「議案の要領」が追加された。
標準管理規約第19条により、賃借人に誓約書等を提出させる義務を負うのは、賃貸に出した区分所有者であって、賃借人本人が自らの意思で提出義務を負うわけではない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。標準管理規約19条2項・3項はいずれも区分所有者に対し「契約の相手方に…提出させなければならない」と義務を課している。
- ② 規約上の一次的な義務者は貸主である区分所有者。
- 条文: 標準管理規約第19条2項「…契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(義務者を賃借人本人にすり替える)。
- まとめ: 誓約書・届出を提出させる一次的義務者は区分所有者(貸主)。
占有者が集会で意見を述べるためには、そもそも区分所有者の承諾を得て専有部分を占有している者であることが前提となる。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。区分所有法44条1項は「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者」を要件とする。※「承諾を得て」という条件付きの要件だが条文どおりであり正しい。
- ② 無断で占有している者は区分所有法44条の対象にならない。
- 条文: 区分所有法44条1項「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(要件の存在自体を問う知識問題)。
- まとめ: 意見陳述には区分所有者の承諾を得た占有者であることが前提。
Aが死亡した場合における相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、不適切なものはいくつあるか。アAの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。イAの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。ウAの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。エAの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
正解: 1. 一つ
- ア × 不適切。選択肢では相続放棄も代襲原因とするが、実際は代襲原因は死亡・欠格・廃除の3つのみで放棄は含まれない(民法887条2項)。
- イ ○ 適切。欠格は代襲原因(民法887条2項)。
- ウ ○ 適切。廃除も代襲原因(民法887条2項)。
- エ ○ 適切。民法887条3項により再代襲が認められる。
- 不適切なのはアのみ→「一つ」=選択肢1が正解。
- 条文: 民法887条2項「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。」
- 条文: 民法887条3項「前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(放棄を欠格・廃除と同列の代襲原因に混ぜる)。
- まとめ: 代襲原因は死亡・欠格・廃除の3つ。相続放棄は代襲原因ではない。
被相続人に子も直系尊属(父母・祖父母)もなく、兄弟姉妹2人のみが相続人となる場合、配偶者がいないときの各兄弟姉妹の法定相続分はどれか。
正解: 2. 各2分の1
- ① × 誤り。選択肢では各3分の1とするが、実際は配偶者なし・兄弟姉妹2人のみなら頭割りで各2分の1(民法900条4号)。
- ② ○ 正しい。同順位の相続人(兄弟姉妹2人)のみが相続人の場合、全財産を頭割りするので各2分の1。
- ③ × 誤り。選択肢では各4分の1とするが、実際は2人での頭割りなので各2分の1。
- ④ × 誤り。選択肢では1人が全額取得するとするが、実際は兄弟姉妹2人が均等に分ける。
- 条文: 民法900条4号「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」
- 引っかけ: 数字のずらし(頭割りの分母を2人なのに3・4にずらす)。
- まとめ: 配偶者なしで兄弟姉妹2人のみなら、各2分の1の頭割り(民法900条4号)。
被相続人に子がなく、母のみが存命で、兄弟姉妹2人がいる場合、相続人になるのは母のみであり、兄弟姉妹は相続人にならない(配偶者は考慮しない)。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。民法889条1項により、直系尊属(第2順位)がいる場合、兄弟姉妹(第3順位)は相続人にならない。
- ② 上位の順位に該当者がいる間は下位の順位に相続権は回らない。
- 条文: 民法889条1項「次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。一被相続人の直系尊属…二被相続人の兄弟姉妹」
- 引っかけ: 引っかけ無し(順位の優劣を問う知識問題)。
- まとめ: 直系尊属がいれば兄弟姉妹は相続人にならない(順位は子→直系尊属→兄弟姉妹)。
組合員Aが死亡し、配偶者Bと子C・Dの2人が相続人である場合の法定相続分の組み合わせとして正しいものはどれか。
正解: 1. B2分の1、C4分の1、D4分の1
- ① ○ 正しい。民法900条1号により配偶者2分の1・子2分の1(子2人なら子の2分の1をさらに均等に分け各4分の1)。
- ② × 誤り。選択肢では3人均等の3分の1ずつとするが、実際は配偶者と子で先に2分の1ずつ分ける(頭割りではない)。
- ③ × 誤り。選択肢ではB3分の2とするが、実際は配偶者と子の場合はB2分の1(3分の2は配偶者と直系尊属の場合の割合)。
- ④ × 誤り。選択肢ではB4分の3とするが、実際は4分の3は配偶者と兄弟姉妹の場合の割合で、配偶者と子には当てはまらない。
- 条文: 民法900条1号「子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。」
- 引っかけ: 条文の混同(配偶者と直系尊属/兄弟姉妹の割合を配偶者と子の場合に混ぜる)。
- まとめ: 配偶者と子は各2分の1。子が複数なら2分の1をさらに均等分割。
組合員Aが死亡し、配偶者Bと、Aの父母(直系尊属)2人が相続人である場合の法定相続分の組み合わせとして正しいものはどれか。
正解: 2. B3分の2、父母各6分の1
- ① × 誤り。選択肢ではB2分の1とするが、実際は配偶者と直系尊属の場合はB3分の2(民法900条2号)。2分の1は配偶者と子の場合の割合。
- ② ○ 正しい。民法900条2号により配偶者3分の2・直系尊属3分の1。直系尊属が父母2人なら3分の1を頭割りして各6分の1。
- ③ × 誤り。選択肢ではB3分の1とするが、実際は配偶者と直系尊属の場合はB3分の2で、3分の1は直系尊属側の割合。
- ④ × 誤り。選択肢ではB4分の3とするが、実際は4分の3は配偶者と兄弟姉妹の場合の割合。
- 条文: 民法900条2号「配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。」
- 引っかけ: 条文の混同(配偶者と子/兄弟姉妹の割合を配偶者と直系尊属の場合に混ぜる)。
- まとめ: 配偶者と直系尊属はB3分の2・尊属3分の1。父母2人なら各6分の1。
組合員Aが死亡し、配偶者はおらず、子E・F・Gの3人のみが相続人である場合の法定相続分はどれか。
正解: 1. 各3分の1
- ① ○ 正しい。配偶者がいない場合、子のみが同順位で相続人となり、民法900条4号により頭割りで各3分の1。
- ② × 誤り。選択肢では各4分の1とするが、実際は子3人での頭割りなので各3分の1。
- ③ × 誤り。選択肢では年長者が多く取得するとするが、実際は年齢に関係なく均等な頭割り。
- ④ × 誤り。選択肢では長子が全額取得するとするが、実際は子3人全員が均等に分ける。
- 条文: 民法900条4号「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(均等な頭割りを「年長者優遇」にすり替える)。
- まとめ: 配偶者なしで子3人のみなら、各3分の1の頭割り(民法900条4号)。
同順位の相続人が複数いる場合、その相続分の按分は、民法上、原則として頭割り(均等)である。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。民法900条4号本文は「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする」と定める。※これは本文(原則)であり、続くただし書に半血兄弟姉妹の例外があるため、常に単純な均等とは限らない点に注意。
- ② ただし同号ただし書に、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は父母双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とする例外がある。
- 条文: 民法900条4号「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(原則とその例外の存在を確認する知識問題)。
- まとめ: 同順位複数は原則頭割り。半血兄弟姉妹のみ例外がある。
管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び民事訴訟法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
- ① × 誤り。選択肢では催告完成猶予中の再度の催告にも完成猶予の効力が生じるとするが、実際は再度の催告には効力がない(民法150条2項)。
- ② × 誤り。選択肢では取得者だけが滞納を承継するとするが、実際は可分債務として相続開始と同時に法定相続分で当然分割承継される。
- ③ ○ 正しい。債務の一部弁済はその債務全体の承認にあたり、残額についても時効更新の効力を生じる。
- ④ × 誤り。選択肢では行方不明なら提訴できないとするが、実際は公示送達(民事訴訟法110条)により訴えを提起できる。
- 条文: 民法150条2項「催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。」
- 条文: 民法152条1項「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。」
- 条文: 民事訴訟法110条1項「次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。一当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合…」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(催告の繰り返しで時効が延びるという誤り)。
- まとめ: 一部弁済は残額にも更新効。行方不明でも公示送達で提訴できる。
相続人のあることが明らかでない場合に、家庭裁判所へ相続財産の清算人の選任を請求できる者の組み合わせとして正しいものはどれか。
正解: 1. 利害関係人及び検察官
- ① ○ 正しい。民法952条1項「家裁は利害関係人又は検察官の請求で清算人を選任」。滞納の債権者たる組合は利害関係人にあたる。
- ② × 誤り。選択肢では被相続人の友人であれば誰でも請求できるとするが、実際は利害関係人又は検察官に限られる。
- ③ × 誤り。選択肢では理事長個人が請求できるとするが、実際は利害関係人としての管理組合の立場であり理事長個人の資格ではない。
- ④ × 誤り。選択肢では近隣住民全員が請求できるとするが、実際は利害関係を持たない者は請求できない。
- 条文: 民法952条1項「前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(請求権者を「誰でも」「近隣住民」に広げる)。
- まとめ: 清算人選任の請求権者は利害関係人・検察官に限られる(民法952条1項)。
相続財産の清算人は、必ず被相続人の親族の中から選任しなければならない。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では清算人は必ず親族から選任とするが、実際は民法952条に限定はなく弁護士等の第三者も選任される。
- ② 清算人の資格に親族限定の規定は存在しない。
- 条文: 民法952条1項「前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(限定のない規定に「親族限定」という誤った限定を加える)。
- まとめ: 相続財産の清算人に親族限定はない。第三者(弁護士等)も選任される。
相続放棄の方式について、民法の規定によれば正しいものはどれか。
正解: 2. 家庭裁判所にその旨を申述しなければならない
- ① × 誤り。選択肢では相続人間の口頭合意で足りるとするが、実際は家庭裁判所への申述が必要(民法938条)。
- ② ○ 正しい。民法938条「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない」。
- ③ × 誤り。選択肢では公証役場での認証が必要とするが、実際は家庭裁判所への申述であり公証役場は関係ない。
- ④ × 誤り。選択肢では債権者への通知で足りるとするが、実際は家庭裁判所への申述が必要で、債権者通知だけでは放棄の効力を生じない。
- 条文: 民法938条「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」
- 引っかけ: 条文の混同(家庭裁判所の手続を口頭合意や公証役場の手続にすり替える)。
- まとめ: 相続放棄は家庭裁判所への申述による(民法938条)。
相続放棄の熟慮期間3か月は、被相続人が死亡した日から起算する。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では起算点を「死亡した日」とするが、実際は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算する(民法915条1項)。
- ② 遠い順位の親族に相続権が回ってきた場合は、その事実を知った時から数え直す。
- 条文: 民法915条1項「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」
- 引っかけ: 基準のすり替え(起算点を「死亡日」に単純化する)。
- まとめ: 熟慮期間3か月の起算点は「知った時」であり「死亡日」ではない。
相続放棄の3か月の期間は、家庭裁判所の許可があっても伸長することはできない。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では家裁の許可があっても伸長できないとするが、実際は利害関係人等の請求で伸長できる(民法915条1項ただし書)。
- ② 伸長の請求権者は相続人本人に限られず、利害関係人・検察官も含む。
- 条文: 民法915条1項「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に…しなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(伸長できる規定を「できない」と反転させる)。
- まとめ: 熟慮期間は利害関係人等の請求により家庭裁判所が伸長できる(民法915条1項ただし書)。
区分所有者が死亡し、遺産分割によって区分所有権を取得する相続人が決まるまでは、管理組合は滞納管理費を一切請求することができない。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では遺産分割まで一切請求できないとするが、実際は可分債務として相続開始と同時に法定相続分で分割承継される。
- ② 遺産分割を待たず各相続人へ請求できる。
- 条文: 民法899条「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」
- 引っかけ: 基準のすり替え(相続開始時点と遺産分割確定時点を混同させる)。
- まとめ: 滞納管理費は相続開始と同時に法定相続分で分割承継。遺産分割を待つ必要はない。
専有部分が、持分価格60%・25%・15%の3人(X・Y・Z)の共有になっている。改正後の区分所有法40条によれば、議決権行使者の定め方として正しいものはどれか。
正解: 2. 持分価格の過半数の意思で議決権行使者を1名定める(Xの意思だけで足りる)
- ① × 誤り。選択肢では各共有者が3分の1ずつ議決権を行使するとするが、実際は共有者は議決権行使者一人を定める(頭割り行使は不可)。
- ② ○ 正しい。改正後区分所有法40条は持分価格の過半数で行使者一人を定めると規定。Xは60%で単独過半数を持ちXの意思だけで足りる。
- ③ × 誤り。選択肢では共有者3人全員の同意が必要とするが、実際は持分価格の過半数で足り、全員一致は不要。
- ④ × 誤り。選択肢では年長者が当然に行使者になるとするが、実際は持分価格の過半数による決定であり年齢は無関係。
- 条文: 区分所有法40条(2026年4月改正後)「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(過半数決定を全員一致要件にすり替える)。
- まとめ: 議決権行使者は持分価格の過半数で1名を定める(改正後区分所有法40条)。
- 改正に関する注記: 2026年4月1日施行の改正で「各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて」の部分が追加された。
補足: 2026年4月1日施行の改正で『各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて』の部分が追加された。
専有部分の共有者が議決権行使者の届出をしていない場合でも、各共有者は自己の持分割合に応じて単独で議決権を行使できる。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では届出なくても持分割合で単独行使できるとするが、実際は区分所有法40条で行使者一人を定める必要があり個別行使は不可。
- ② 届出がされていない場合でも、各自が単独で持分割合行使できる規定はない。
- 条文: 区分所有法40条(2026年4月改正後)「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(「一人を定める」義務を「持分割合で各自行使可」にすり替える)。
- まとめ: 共有の議決権は一人を定めて行使する。届出なしでも各自単独行使はできない。
賃貸借契約における修繕義務について、民法の規定によれば正しいものはどれか。
正解: 2. 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うが、賃借人の責めに帰すべき事由による場合は除かれる
- ① × 誤り。選択肢では賃借人の帰責事由による修繕も賃貸人が負うとするが、実際はその場合は除かれる(民法606条1項ただし書)。
- ② ○ 正しい。民法606条1項は賃貸人の修繕義務を定めるが、賃借人の責めに帰すべき事由による場合はこの限りでない。※「この限りでない」は賃貸人の修繕義務そのものを覆す例外に見えるが、条文のただし書どおりなので正しい。
- ③ × 誤り。選択肢では賃借人はいかなる場合も自ら修繕できないとするが、実際は民法607条の2により一定要件下で賃借人自ら修繕できる。
- ④ × 誤り。選択肢では賃料減額請求ができないとするが、実際は使用収益できない部分に応じ賃料減額に関する規定が別途ある。
- 条文: 民法606条1項「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。」
- 条文: 民法607条の2「賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。一賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し…賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。二急迫の事情があるとき。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(賃貸人の修繕義務の例外=賃借人帰責を無視する)。
- まとめ: 賃貸人の修繕義務は賃借人の帰責事由による場合を除く(民法606条1項)。
賃借人は、通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化については、原状回復義務を負わない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。民法621条により、通常の使用収益で生じた損耗・経年変化は原状回復義務の対象から除かれる。※「損耗…経年変化を除く」という除外規定だが、条文どおりの内容なので正しい。
- ② 特別な汚損・破損のみが原状回復の対象になる。
- 条文: 民法621条「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。…)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(条文の射程を確認する知識問題)。
- まとめ: 通常損耗・経年変化は原状回復義務の対象外(民法621条)。
賃借人は、賃借物の修繕が必要な場合、賃貸人の承諾がなくても常に自ら修繕することができる。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では承諾なくても常に自ら修繕できるとするが、実際は民法607条の2の要件(通知後不履行・急迫)に限られる。
- ② 無条件にいつでも自ら修繕できるわけではない。
- 条文: 民法607条の2「賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。一賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し…相当の期間内に必要な修繕をしないとき。二急迫の事情があるとき。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(要件付きの権利を無条件の権利にすり替える)。
- まとめ: 賃借人の自己修繕は通知後不履行または急迫時に限られる(民法607条の2)。
賃借人が賃貸人の承諾を得て適法に転貸した場合、転借人は賃貸人に対して直接に義務を負うことはない。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では転借人は賃貸人に直接義務を負わないとするが、実際は民法613条1項により賃貸人にも直接履行義務を負う。
- ② 適法な転貸は転借人と賃貸人の間にも直接の法律関係を生じさせる。
- 条文: 民法613条1項「転貸借が適法にされたときは、転借人は、賃貸人及び賃借人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。」
- 引っかけ: 原則と例外の入れ替え(直接義務を負う規定を「負わない」に反転させる)。
- まとめ: 適法転貸では転借人は賃貸人にも直接に義務を負う(民法613条1項)。
賃貸人が期間満了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶の通知をしても、正当の事由がなければ、期間満了により賃貸借は終了しない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。借地借家法28条により、更新拒絶等の通知には正当の事由が必要とされ、認められなければ更新拒絶の効果は生じない。
- ② 期間内の通知だけでは不十分で、正当事由の存在が別途必要になる。
- 条文: 借地借家法28条「建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは…正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(通知と正当事由の両方が必要なことを確認する知識問題)。
- まとめ: 更新拒絶には期間内の通知に加え正当の事由が必要(借地借家法28条)。
期間の定めがない普通建物賃貸借において、賃貸人から解約の申入れをした場合、その申入れの日から6か月を経過することによって賃貸借は終了する。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。借地借家法27条1項は、賃貸人の解約申入れから6か月経過で賃貸借は終了すると定める。
- ② 賃借人からの解約申入れは民法の規定(3か月)が別途適用される点と区別する。
- 条文: 借地借家法27条1項「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(賃貸人側の解約申入れの効果を確認する知識問題)。
- まとめ: 期間の定めのない賃貸借は、賃貸人の解約申入れから6か月で終了(借地借家法27条1項)。
敷金とは、いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の金銭債務を担保する目的で賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。民法622条の2柱書は、名目を問わず賃借人の金銭債務を担保する目的で交付する金銭を「敷金」と定義する。
- ② 名目が「保証金」等であっても、この定義に当てはまれば敷金として扱われる。
- 条文: 民法622条の2「敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。)」
- 引っかけ: 引っかけ無し(定義の射程を確認する知識問題)。
- まとめ: 敷金は名目を問わず、金銭債務を担保する目的の金銭をいう(民法622条の2)。
組合が買主に滞納管理費の全額を請求し、買主がこれを支払った場合、組合は同じ滞納分について重ねて売主に請求することはできない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。買主の弁済によって滞納債権は消滅するため、組合が同じ債権を重ねて売主に請求することはできない。
- ② ただし支払った買主は、前の持ち主(売主)に求償することができる。
- 引っかけ: 引っかけ無し(弁済による債権消滅と求償関係の整理を問う知識問題)。
- まとめ: 弁済で債権は消滅し二重取りはできないが、買主は売主に求償できる。
相続人が複数いる場合、管理組合は相続人全員に対し、それぞれの法定相続分に応じた請求書を送付することができる。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。亡くなった日までの滞納は法定相続分に応じて分割承継されるため、各相続人に相続分に応じた金額を請求できる。
- ② 全額をまとめて一人に請求する必要はない。
- 条文: 民法899条「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(分割承継の実務対応を確認する知識問題)。
- まとめ: 死亡日までの滞納は相続人ごとに法定相続分に応じて請求する。
相続人全員が相続放棄をしても、被相続人が滞納していた管理費債務そのものが消滅するわけではない。
正解: 1. ○
- ① ○ 正しい。相続人全員が放棄しても、滞納管理費の債務そのものは相続財産の一部としてなお存在する。
- ② 選任された相続財産の清算人によって、清算(部屋の換価等)に充てられる。
- 条文: 民法939条「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」
- 条文: 民法952条1項「前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。」
- 引っかけ: 引っかけ無し(放棄と債務の消滅を混同しないことを確認する知識問題)。
- まとめ: 全員放棄でも債務は消えず、清算人による清算に委ねられる。
占有者(賃借人)が使用細則に違反した場合でも、区分所有者(貸主)にはその是正について何の責任も生じない。
正解: 2. ×
- ① × 誤り。選択肢では区分所有者に責任は生じないとするが、実際は規約19条により借主に規約を遵守させる義務を負う。
- ② 賃貸に出した以上、区分所有者は無関係ではいられない。
- 条文: 標準管理規約第19条1項「区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない。」
- 引っかけ: 主語の入れ替え(義務者を賃借人のみに限定し貸主を免責する)。
- まとめ: 賃貸に出した区分所有者にも借主に規約を守らせる義務がある(規約19条)。
Aが死亡した場合における相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、不適切なものはいくつあるか。アAの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。イAの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。ウAの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。エAの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
正解: 1. 一つ
代襲相続(民法887条2項・3項)は、被代襲者に相続欠格・廃除の事由がある場合や被代襲者が先に死亡した場合に生じるが、「相続放棄」は代襲原因に含まれない。よってア(放棄した者の子が代襲相続人となる)が誤りで、イ(欠格)・ウ(廃除)・エ(再代襲)は正しい記述。不適切なものは一つ。
管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び民事訴訟法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
民法152条の承認による時効更新は、可分債務の一部弁済であっても残額全体を含めた債務の承認とみなされ、残額についても更新の効力が及ぶと解されている(選択肢3が正解)。催告(150条)は6か月間のみ完成猶予の効力を生じ、その猶予期間中に再度催告しても再度の完成猶予は生じない(選択肢1は誤り)。金銭債務は相続開始時に法定相続分に応じて当然分割承継されるのが原則で、遺産分割の対象外というのが判例の考え方(選択肢2は誤り、他の相続人も承継する)。行方不明者に対しても公示送達等により訴訟提起は可能(選択肢4は誤り)。
管理費の滞納に対する法的手続等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理組合は、管理費を滞納している区分所有者に対する訴訟の目的の価額が140万円を超えない場合は、簡易裁判所に訴えを提起することができる。
簡易裁判所の事物管轄は訴額140万円以下(裁判所法33条1項1号)であり、選択肢3が正しい(正解)。金銭債務の不履行では不可抗力は抗弁とならない(民法419条3項、選択肢1は誤り)。買主は売主の滞納管理費債務(区分所有法8条の特定承継人責任)とともに遅延損害金債務も承継する(選択肢2は誤り)。催告は方式を問わず普通郵便でも6か月間の時効の完成猶予の効力を生じる(民法150条、選択肢4は誤り)。
標準管理委託契約書に関する次の記述のうち、適切な記述のみを全て含むものは次の1〜4のうちどれか。アマンションの専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を、管理組合が行うとされている場合において、管理組合からマンション管理業者に対して依頼があるときには、当該部分の管理を管理委託契約に含めることも可能である。イマンション管理業者は、管理組合の組合員が管理費等を滞納したときは、その支払の督促を行うが、督促しても当該組合員がなお滞納管理費等を支払わないときは、マンション管理業者は当該滞納にかかる督促業務を終了する。ウ宅地建物取引業者が、管理組合の組合員から当該組合員が所有する専有部分の売却の依頼を受け、その媒介の業務のために、理由を付した書面により管理規約の提供を求めてきたときは、マンション管理業者は、当該管理組合に代わって、当該宅地建物取引業者に対し、管理規約の写しを提供することになるが、その場合、その提供に要する費用を当該宅地建物取引業者から受領することができる。
正解: 4. ア・イ・ウ
共用部分と構造上一体となった専有部分の設備管理を管理組合が行う場合、依頼があれば管理委託契約に含めることができる(ア)。滞納者への督促後もなお支払われないときは管理業者の督促業務は終了する(イ、標準管理委託契約書11条)。宅建業者からの書面請求に基づく規約写しの提供費用は当該宅建業者から受領できる(ウ、同15条)。いずれも適切。
専有部分の占有者等に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 1. 総会の議題が専有部分でのペットの飼育を禁止にする件であったため、同居しているペットの飼い主である甥を代理人として議決権を行使させた。
議決権行使の代理人資格は配偶者・一親等の親族・同居の親族等に限定されるが、同居しているペットの飼い主である甥は「同居親族」に該当し得るため代理人として議決権を行使させることができる。管理費等相当額を家賃に含める賃借人であっても管理費等に関する利害関係人として帳簿閲覧請求は可能であり、水漏れ事故時の理事長の立入り請求を賃借人が拒むことは正当理由なくできない点で他の選択肢は不適切。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 4. 競売手続によってマンションの区分所有権を取得した場合には、買受人は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継しない。
区分所有権が競売手続により取得された場合も、買受人は区分所有法8条の「特定承継人」に該当し、前区分所有者の滞納管理費支払義務を承継する。よって「承継しない」とする記述は誤り。遅延損害金は規約に定めがなくても法定利率により請求できる点、賃借人が管理費を滞納した場合に区分所有者へ請求できる点、売買による承継後も売主自身の支払義務は消滅しない点はいずれも正しい。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者に対して訴訟を提起するためには、事前に内容証明郵便による督促を行う必要がある。
管理費滞納者への訴訟提起にあたり、事前に内容証明郵便による督促を行うことは法律上の要件ではない。滞納者本人による滞納事実の承認は時効の更新事由となる(民法152条)点、金銭債務は相続開始により相続分に応じて当然分割承継される点、相続人全員が相続放棄すれば誰も滞納債務を負わない点はいずれも正しい。
マンションに関する次の記述のうち、民法、区分所有法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. マンションの敷地上の駐車場を賃借している区分所有者が、管理組合に無断で当該駐車場を外部の第三者に転貸して収入を得ているときは、管理組合は、当該賃貸借契約を解除することができる。
正解は3。管理組合に無断で駐車場を第三者に転貸し収入を得る行為は、賃貸借契約における無断転貸(民法612条)に当たり、管理組合は契約を解除できる。選択肢1は区分所有権の取得を第三者に対抗するには登記が必要(民法177条)であり届出だけでは対抗できない点、選択肢2は意思表示は到達主義(民法97条)が原則で到達しなければ効力を生じない点、選択肢4は区分所有法3条の団体が契約当事者となるには管理者選任のみならず権利能力なき社団としての実体(代表者の定め等)が必要である点で、それぞれ誤り。
契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 4. 管理組合が、第三者に賃貸している敷地上の駐車場に対して行った保存行為が、第三者の意思に反する場合であっても、駐車場の目的を達することができるかぎり、第三者は、当該駐車場賃貸借契約を解除することができない。
正解は4。民法606条2項により、賃貸人が保存行為をする場合、それが賃借人の意思に反するときであっても、賃貸借の目的を達することができるときは賃借人は契約を解除できない。選択肢1は委任契約の解除(651条2項)は損害賠償責任を伴うが解除自体は可能である点、選択肢2は請負契約は仕事完成前であれば注文者は損害を賠償して解除できる点(641条)、選択肢3は契約不適合の場合、追完請求・代金減額請求のほか解除も可能である点(564条)で、それぞれ誤り。
区分所有者が、その所有する住戸を賃貸している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、不適切なものの組合せはどれか。ア賃貸借契約において、管理費の支払は賃借人が行う旨の合意があった場合でも、賃貸人である区分所有者が管理費の支払義務を負う。イ賃借人は、建物の使用方法に関して、区分所有者が集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うものではない。ウ賃借人は、住戸の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害が発生した場合には、その賃借人の免責事由の有無にかかわらず、損害賠償責任を負う。
正解: 3. イ・ウ
正解は3(イ・ウが不適切)。区分所有法46条2項により、占有者(賃借人)は区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うため、イの「同一の義務を負うものではない」は誤り。民法717条の工作物責任では、占有者は損害発生防止に必要な注意をした場合(免責事由)は責任を免れ、その場合は所有者が無過失責任を負う仕組みであるため、ウの「免責事由の有無にかかわらず賃借人が責任を負う」は誤り。アは、管理費支払義務が区分所有者に帰属し、賃借人との内部合意を管理組合に対抗できない旨であり正しい。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法、区分所有法、民事訴訟法及び破産法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 3. 管理費の滞納者が行方不明の場合であっても、管理組合は、その者に対して、滞納管理費の支払請求についての訴えを提起することができる。
正解は3。滞納者が行方不明であっても、公示送達(民事訴訟法110条以下)の制度により訴えを提起し送達することができる。選択肢1は破産手続開始決定を受けても、その後も居住を継続する限り新たに発生する管理費の支払義務までは免れない点、選択肢2は区分所有法8条により特定承継人は善意・悪意を問わず前区分所有者の滞納債務を承継する点、選択肢4は消滅時効の利益はあらかじめ放棄できない(民法146条)一方、時効完成後の援用自体を規約で排除することはできないと解される点で、それぞれ誤り。
組合員等の情報に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 3. 理事長は、組合員名簿を作成、保管すれば足り、その他に、賃借人を含む現にマンションに居住している者の居住者名簿は作成、保管する必要はない。
標準管理規約では、理事長は組合員名簿に加え、賃借人を含む現にマンションに居住する者の居住者名簿についても作成・保管することとされており、「居住者名簿は作成、保管する必要はない」とする③は誤り。
区分所有者が専有部分を貸与する場合に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。
正解: 1. 区分所有者は、賃借人による対象物件の使用、収益に際し、当該賃借人が規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めた賃貸借契約書の写しを管理組合に提出しなければならない。
標準管理規約では、区分所有者に賃借人からの誓約書の提出をさせることは求められているが、賃貸借契約書の写し自体を管理組合に提出しなければならないとまでは規定されていないと考えられ、①が最も不適切。
補足: 標準管理規約が賃貸借契約書の写し自体の提出まで義務付けているかについて、一次情報で確証を得られなかったため、断定を避けた。
マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 1. 管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、その相続人のあることが明らかでないときは、管理組合は、家庭裁判所に対し相続財産の清算人の選任を請求することができる。
相続人のあることが明らかでないときは、利害関係人(滞納管理費を有する管理組合を含む)は家庭裁判所に対し相続財産の清算人の選任を請求することができる(民法952条1項)。
Aが、自己所有の住戸をBに賃貸する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法によれば、最も適切なものはどれか。
正解: 2. Bは、建物賃借権についての登記がなくても、Aから建物の引渡しを受けた場合には、その後に当該建物をAから買い受けた第三者に対して、建物賃借権を対抗することができる。
建物の賃借人は、賃借権の登記がなくても建物の引渡しを受けていれば、その後の譲受人に対して賃借権を対抗できる(借地借家法31条)。業務用の賃貸借にも借地借家法は適用され(①誤り)、定期建物賃貸借は公正証書に限らず書面(電磁的記録を含む)であれば足り(③誤り)、期間の定めのない賃貸借は「期間1年とみなす」規定はない(④誤り)。